- 企業情報
- 不適切行為に係る再発防止策等の進捗について
4. 監査体制の抜本的な見直し
進捗状況の詳細
(1)内部監査室の体制強化・人員構成の変更・権限強化
# | 再発防止策 | 完了(予定)年月 | ステータス |
---|---|---|---|
a | 内部監査室の人員構成の変更、資格の推奨及び取得サポートの導入 | 21年6月 | モニタリング中 |
b | 内部監査機能の強化 | 21年7月 | モニタリング中 |
c | 内部監査に係る研修の実施・参加 | 21年6月 | モニタリング中 |
d | 営業部門全体での不備ゼロ運動の横断的実施とその実施状況のフォロー・検証等 | 21年6月 | モニタリング中 |
e | 内部監査への協力義務を社内規程に明記 | 21年5月 | モニタリング中 |
f | 内部監査室の役割の見直し | 21年5月 | モニタリング中 |
a. 内部監査室の人員構成の変更、資格の推奨及び取得サポートの導入
内部監査機能の強化のため、内部監査室の人員を前年度の8名(全て専任)から、2021年4月1日付人事異動にて3名増員し、11名(全て専任)体制としております。また、営業部門の知見のある人員が不足していたことから、増員室員の内2名は営業部門経験者を配置しました。
また、内部監査室メンバーの能力向上のため、内部監査室メンバーに対して、公認内部監査人、公認不正検査士等の資格取得を推奨するとともに、資格取得時には奨励金を支給し、また、勉強時間確保のための業務面での配慮も実施してまいります(これらの施策については、2021年6月からの実施を予定しております。)。
さらに、当資格を有する人材の採用活動も実施し、質・量ともに内部監査のレベルアップを図ります(採用活動は、2021年6月から開始します。)。
これらの施策により、内部監査室の体制強化を図ってまいります。
b. 内部監査機能の強化
内部監査機能を強化するため、以下の取組を実施してまいります。
・ 営業部門に対する内部監査において、原価付替等の不正の検知にとどまらず、不正を生み出す可能性のある制度・ルール・仕組みの改善を指摘できるよう着眼点の設定(追加原価申請ルールや案件単位での予実管理方法等、不正の動機や機会の作出に関係し得るルール等を洗い出し、改善の指摘の要否を検討するなど)を行います。加えて、過去の不正事案を参考にするだけでなく、リスク管理委員会におけるリスク評価を参考にしつつ、内部監査室としても内部監査実施のためのリスク評価を実施しリスクの大きい取引(例えば、新技術領域案件や見積積算時において顧客要件が曖昧な案件)やオペレーション(例えば、残業時間が過度に多い部門や退職者が多い部門)を検証し、リスクベースでの着眼点の設定を行うことで、制度・ルール・仕組みの問題を検知し、不正や重大事故の回避のための指摘を行えるように取り組みます。
また、営業部門に対する内部監査の実査を行うにあたり、どのような取引を実査の対象とするかという抽出の基準を設けた上で、内部監査を実施します(抽出基準の例として、原価予算・実績の差異が大きく発生している案件等を考えております。)。抽出基準については、2022年3月期第1四半期中に内部監査室内規において明記する予定です。
以上の、内部監査における取組は2021年7月からの開始を見込んでおります。
・ 内部監査の6カ月後にフォローアップ内部監査を必ず実施し、指摘事項に対する改善策が着実に実行され改善につながっているかを検証し、被内部監査部署の取組状況をフォローします(2022年1月から実施します。)。
・ 内部監査の報告はこれまで半期に1回の頻度で業務監査結果を経営委員会と取締役会に対して行っておりましたが、今後は前述の新たな着眼点の設定や抽出基準の策定も踏まえた上で実施した内部監査の結果(フォローアップ内部監査の結果も含みます。)を以下のとおり報告することといたします(2021年7月から実施します。)。
―月次にて、代表取締役社長及び経営委員会、監査役会に対して報告
―四半期毎に、取締役会に対して報告
・ これまで内部監査では組織単位の内部監査を実施しておらず、取引業務の内部監査や購買部の内部監査を実施するにとどまっておりました。今後は管理部門や技術部門を含む全部門を対象として組織単位の内部監査を実施します(リスクが相対的に高いものから順に、2021年7月から実施します。)。
・ 内部監査の指摘内容を全社的に理解させ、問題意識を持たせるために、本年度から、内部監査室は、内部監査結果を全社に開示する(半期に1回)とともに、年に1回内部監査指摘事例集を作成して全社に展開します。
以上の取組の検討・実施に当たっては、内部監査計画の策定段階から、実施結果の確認まで、内部監査について豊富な経験・知見を有する者(2021年3月25日以降に、内部監査室へのアドバイザーとして、代表取締役社長の直属の顧問として2名が就任。)が内部監査室とは独立の立場から指導・監督を行ってまいります。
以上の取組を実施することで、内部監査機能を強化し、監査体制を抜本的に見直してまいります。
c. 内部監査に係る研修の実施・参加
内部監査室メンバーの内部監査に関する知識やスキル向上のため、内外の専門家を講師とする研修を四半期に1回実施(2021年4月から開始)することで、内部監査を円滑に行えるようにします。また、内部監査室メンバーは、原価付替等不正の類型・パターンについての正しい理解を習得できるように、不正事案等に関する外部実施の研修に定期的に参加(年1回以上)することとします。当研修には、監査役・監査役スタッフも参加するため、参加する研修については監査役・監査役スタッフとも連携し検討します(2021年6月末までに具体的な研修計画を策定いたします。)。
これらの内部監査に係る研修の実施・参加により、内部監査に関する知識を深め、内部監査機能を強化してまいります。
d. 営業部門全体での不備ゼロ運動の横断的実施とその実施状況のフォロー・検証等
当社は、営業部門における不備の発生を防止するため、内部監査で指摘された事項を営業部門全体で共有し、指摘を受けた営業部門のみに限らず、営業部門全体で内部監査にて指摘された内容(特に営業部門に対する指摘)を参考にし、同様の指摘事項が発生しないように不備防止に努める不備ゼロ運動を営業部門全体で横断的に実施してまいります。また、不備ゼロ運動が適切に実施されるように、管理部門は、営業部門に対し、営業部門による改善の支援を行います。そして、内部監査室においては、不備ゼロ運動が営業部門において着実に実施されているか、管理部門において営業部門への支援を十分に行っているかを確認してまいります。
これにより、営業部門全体で不備ゼロ運動が適切に実施されるようにし、不備の発生を防止してまいります。
e. 内部監査への協力義務を社内規程に明記
内部監査室の権限をより明確にする観点から、内部監査室において、社内規程に、被監査部署の内部監査に対する説明義務及び協力義務、並びに、これらに違反した場合に懲戒処分等の対象となることについて規定することを2021年7月末までに検討・実施します。
f. 内部監査室の役割の見直し
全社的な内部統制の強化を図るため、内部監査室は、単に不備の指摘だけでなく、営業部門や管理部門に対し、不備や不正、事故につながる制度・ルール・仕組み自体の問題を指摘し改善を求め、全社の内部統制のレベルアップにつなげていくという役割を担うということを2021年7月末までに内部監査規程において明確にします。また、内部監査室員に対する人事考課においては、単なる不備の指摘を行ったことに加えて、こうした制度・ルール・仕組みに関する指摘を行ったことも評価することとします(2022年3月期上期の目標設定から実施してまいります。)。
これにより、内部統制に関する制度・ルール・仕組みの改善が図られ、全社的な内部統制の強化につながるものと考えております。
(2)内部監査室のキャリアパス化(部署としての地位・役割向上)
# | 再発防止策 | 完了(予定)年月 | ステータス |
---|---|---|---|
a | 内部監査室のキャリアパス化 | 21年11月 | モニタリング中 |
a. 内部監査室のキャリアパス化
内部監査の重要性に鑑み、内部監査室の地位、役割の向上を目的として、幹部、経営陣への昇進に当たっての評価項目の見直し(内部監査やモニタリング部門の経験有無を評価項目とする等)を実施します。また、全社的な視点で俯瞰する能力を高めるために、幹部や経営陣に昇格することを期待される人材のキャリアパスとして、内部監査室への配置を積極的に進めます。
これらの施策については、人事部において2021年9月までに具体的な方針の策定を行い、2022年3月期下期に人事部が経営委員会に対して策定した方針を報告します。そして、当該方針の内容を2022年4月1日付の人事異動において反映いたします。
これにより、内部監査室の地位・役割を向上させてまいります。
(3)J-SOX業務の抜本的見直し
# | 再発防止策 | 完了(予定)年月 | ステータス |
---|---|---|---|
a | J-SOX統制文書の見直し | 22年6月 | モニタリング中 |
b | J-SOX評価の見直し | 21年7月 | モニタリング中 |
c | J-SOXの管理部門の明確化 | 21年5月 | モニタリング中 |
d | J-SOXに係る研修等の実施 | 21年6月 | モニタリング中 |
a. J-SOX統制文書の見直し
J-SOX業務の抜本的見直しを図るために、業務統制本部直属の業務企画室が、J-SOX統制文書について、特にリスク及びコントロールの観点から、2022年3月期第2四半期迄を目途に見直しを実施します。なお、リスク管理委員会にリスク管理委員会の分科会及び内部統制強化協議会から集約・共有されたJ-SOXに関連するリスク情報(かかるリスク情報の集約・共有の体制については、「2.(2) リスク管理委員会による網羅的かつ主体的マネジメント能力の強化」の「c.リスク管理委員会へのリスク情報の集約」の項目に記載の内容をご参照願います。)は、リスク管理委員会が業務統制本部に対して即時共有し、業務企画室がJ-SOX統制文書への反映を行います。
これにより、J-SOX業務の抜本的な見直しを図ってまいります。
b. J-SOX評価の見直し
業務統制本部直属の業務企画室において、内部監査や調査(詳細は「8.(2) 不正等(会計不正に限らない)の有無に係る、内部監査室による内部監査とは別個の定期的な調査の実施」の項目に記載の内容をご参照願います。)といった活動で発見した不備や指摘事項について、2021年8月を目途に対応方針を検討いたします。さらに、対応方針を受けてのJ-SOX統制文書への反映を、業務企画室が主体となり2021年9月頃を目途に実施いたします。また、内部監査室は、2022年3月期J-SOX評価において統計的なサンプリング手法を含む評価手続きの見直しを行います。加えて、内部監査について豊富な経験・知見を有する者が内部監査室とは独立の立場からの指導・監督(詳細は「4.(1) 内部監査室の体制強化・人員構成の変更・権限強化」の「b.内部監査機能の強化」の項目に記載の内容をご参照願います。)をすることで、内部監査室が、発見した不備を漏れなくJ-SOX評価に反映し、また、取締役、監査役及び会計監査人に遅滞なく報告を行っているかをモニタリングする仕組みを整備します。
c. J-SOXの管理部門の明確化
確実なJ-SOXの運用を行うため、業務統制本部直属の業務企画室において、J-SOX統制文書を一元的に管理し、統制文書の記載マニュアル等の作成を行います。また、内部監査室にてJ-SOX評価を行い、業務統制本部直属の営業統轄室において、J-SOX評価結果の各部門へのフォローを行う体制を2021年4月1日付機構改革(取締役会及び経営委員会にて決定)において整備いたしました。なお、営業統轄室がフォロー活動を通して得た情報は、そのレポートラインである業務統制本部長に対して報告され、同人を通じて内部統制強化協議会に対して共有をいたします。
このようにJ-SOXの管理部門を明確にすることで、確実にJ-SOXを運用してまいります。
d. J-SOXに係る研修等の実施
研修等に係る主管部門である人事部と業務統制本部直属の業務企画室が連携し、J-SOXに係る認識及び理解を促進するため、全従業員に対してeラーニング等を用いた研修を年に1回実施いたします。これにより、全従業員のJ-SOXに係る認識及び理解を深め、J-SOX業務の抜本的な見直しにつなげてまいります。
(4)監査役の体制強化
# | 再発防止策 | 完了(予定)年月 | ステータス |
---|---|---|---|
a | 取締役との定期的な意見交換 | 21年5月 | モニタリング中 |
b | 内部監査室との定期的な意見交換 | 21年5月 | モニタリング中 |
c | 不正事案等に係る研修への参加 | 21年5月 | モニタリング中 |
d | 監査役に会計リテラシーが高い者を起用 | 21年6月 | モニタリング中 |
a. 取締役との定期的な意見交換
従来、常勤監査役は、代表取締役社長執行役員及び社外取締役との間で意見交換を年2回実施しておりましたが、監査役会の情報収集体制を強化するために、常勤監査役は、代表取締役社長執行役員と引き続き年2回、社外取締役と年2回、及び各社内取締役・執行役員と(ローテーションを組んだ上で順に)月1回、経営ガバナンス状況、経営進捗状況、コンプライアンス管理状況等に関して意見交換を行うこととします。また、意見交換に当たっては、その内容を記録に残し、次回の監査役会において、常勤監査役から社外監査役に対して共有いたします。
これにより監査役会としての情報収集体制を強化することで、監査体制の強化を図ってまいります。
なお、この意見交換は2021年6月から開始いたします。
b. 内部監査室との定期的な意見交換
監査役会の情報収集体制を強化するために、内部監査室による内部監査結果の報告とは別に、常勤監査役において、毎月1回内部監査室との間で、内部監査の状況等(特に内部監査室が内部監査を行うに当たっての方針)について意見交換を行う意見交換会を実施することとします(従来、かかる意見交換会は実施しておりませんでした。)。また、当意見交換会には、必要に応じて社外監査役も参加することとします。
これにより、監査役会としての情報収集体制を強化することで、監査体制の強化を図ってまいります。
なお、この意見交換会は、2021年5月から開始いたします。
c. 不正事案等に係る研修への参加
監査役及び監査役付スタッフは、不正事案等に関する外部実施の研修に、年1回以上定期的に参加することとします。当研修には、内部監査室メンバーも参加するため、参加する研修については内部監査室とも連携し検討します(2021年6月末までに具体的な研修計画を策定いたします。「4.(1) 内部監査室の体制強化・人員構成の変更・権限強化」の「c.内部監査に係る研修の実施・参加」もご参照願います。)。
d. 監査役に会計リテラシーが高い者を起用
次回開催予定の定時株主総会において、公認会計士資格を有する者を監査役候補者とする監査役選任議案を付議します。
これにより、更なる監査体制の強化を図ってまいります。
(5)内部監査室と会計監査人の連携強化
# | 再発防止策 | 完了(予定)年月 | ステータス |
---|---|---|---|
a | 内部監査室と会計監査人との連携強化 | 21年7月 | モニタリング中 |
a. 内部監査室と会計監査人との連携強化
従前、内部監査室と会計監査人との間では、四半期に1回、会計監査人が、会計監査人の監査計画やその着眼点の共有、監査中の気づき事項の共有、監査終了後の監査報告などを行うための場が設けられていましたが、内部監査室と会計監査人による監査体制を強化するために、今後は、会計監査人からの報告のみを主体とする場にするのではなく、内部監査室が、会計監査人に対して、内部監査室における内部監査計画及び内部監査の実施状況についても説明をし、両者の間で意見交換を実施することとします(2022年3月期第2四半期監査完了後の意見交換から実施します。)。
これにより、内部監査室と会計監査人との連携を強化することで、内部監査室と会計監査人による監査体制の強化を図ってまいります。