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400GイーサネットのFEC検証

匠コラム
ネットワーク
データセンター

近年、急速にデータ通信の需要が拡大しており、高速化が求められるようになっています。その中でも、400Gイーサネットの普及が進んでおり、ネットワークのコア部分において広く利用されるようになっています。

400Gイーサネットでは高帯域を享受できる反面、信号の劣化が課題となっています。この劣化は、信号の変調方式に関係しています。

変調方式には、PAM4(Pulse Amplitude Modulation 4-level)とNRZ(Non-Return-to-Zero)があります。100GイーサネットまではNRZを用いていましたが、400GイーサネットではPAM4を採用しています。

PAM4はNRZよりも信号の検出が難しく、信号品質の劣化に対して敏感なため、受信側でエラー訂正を行うFEC(Forward Error Correction)を必須とすることで、高速通信と信号品質の両立を実現しています。

400GイーサネットにおけるPAM4やFECの仕組みについての詳細は過去の匠コラムを参照ください。

https://www.netone.co.jp/knowledge-center/blog-column/20210210-1/

ネットワークを専門とするネットワークエンジニアでもレイヤ2以上を守備範囲としておりレイヤ1の話は苦手な人も多いかもしれません。しかし、最近の高速化に伴い、レイヤ1の技術についても知識を持っておくことがますます重要になってきています。

そこで今回は、400GイーサネットにおけるFECの挙動について、実際のスイッチを用いて検証してみました。

FEC検証

今回はARISTAの400Gスイッチ(DCS-7280CR3)を用いて、FECカウンタの検証を行ってみました。

2台の400Gスイッチの間に可変アッテネータを挟み、可変アッテネータのつまみを回して通過する光出力レベルを減衰させていきます。

上述のとおり400Gでは信号品質の劣化に対して敏感なため、受光レベルが下がれば信号を検出しづらくなり、ビットエラーが増加し、受信側スイッチでFEC訂正が増えることが想定できます。

なお、今回用いた可変アッテネータはかなり古い機材のため、表示された減衰量(dB)はあくまでも目安であり精度は問わないものとします。

ARISTAのスイッチでは「show interfaces phy detail」コマンドでレイヤ1の統計情報をコマンドから確認できます。今回はその出力結果からFECに関する箇所に着目しました。

FEC corrected codewords 直前のポーリング期間に訂正可能なエラーが発生したコードワードの数
FEC uncorrected codewords 直前のポーリング期間中に訂正できなかったコードワードの数。これらは潜在的に失われたデータである
FEC lane corrected symbols 直前のポーリング期間中にビットが訂正された訂正可能なコードワードのシンボル数。
FEC corrected symbol rate 直前のポーリング期間に受信したシンボルの合計に対する訂正されたシンボルの比率。訂正不可能なエラーが存在する期間では正確ではありません。
Pre-FEC bit error rate 直前のポーリング期間に受信した全ビット数に対する訂正済みビットの比率。訂正不可能なエラーが存在する期間では正確ではありません

出力の意味についてはARISTA公式ページより引用

https://arista.my.site.com/AristaCommunity/s/article/monitoring-link-quality-using-forward-error-correction-fec-data-on-arista-switches

減衰量の増加に伴うFECカウンタの変化

対向するスイッチの光受信レベルが規定値内となるようにアッテネータを調整した状態では、FEC corrected codewords(エラー訂正できている数)はカウントアップしているものの、FEC uncoreccted codewords(訂正できなかった数)は0なのでデータエラーは発生していません。

アッテネータのつまみを回して減衰量を上げていくと、FEC corrected codewordsの値やPre-FEC bit error rateがかなり増えていることが確認できます。

さらに上げていくと、FEC uncorrected codewords(FEC訂正できなかった数)がカウントアップすると同時にリンクダウンしました。

レイヤ1での通信同期を意味するalignmentに関する表示もokからunaligned(同期失敗)となりました。

まとめ

今回の検証では400Gイーサネットを支えるFECの挙動についてネットワーク機器からどのように見えるのかを確認しました。

また、回線劣化などによるリンクダウンの予兆をFECカウンタの増加として確認することができました。

このことから、400Gイーサネット運用の際はFECカウンタを定期的に取得し、異常値を検知することでリンクダウンを事前に防ぐことができます。

今後800G、1600Gと高速化は進んでいきますが、FECカウンタの監視はますます重要になってくると考えられます。

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