ネットワンの働き方改革 – 投資対効果

働き方を改革するには、それ相応の投資が必要となります。しかし、改革後の効果を把握できなければ、投資規模を検討することも難しいです。ここでは、ネットワンシステムズが開発したROl(投資対効果)測定法をご紹介します。単に、コスト削減効果だけではなく、売り上げやイノベーションヘの寄与も効果に含めていることが特徴です。

当社が独自開発したROI測定法は、ネットワン自身が実践してきた働き方改革プロジェクトに根ざしたものです。
まずは過去に実施してきた働き方改革に関連する施策を洗い出し、それらの施策を以下の三つのフェーズに分類し、業務上での導入効果を測定・分析するためのベースとしました。

働き方改革に取り組む前のオフィスの状況。社員には社内用のデスクトップPCに加え、外出用としてノートPCを貸与し、電話はアナログの固定電話と外出用の携帯電話を利用していました。
保守サービス対応部門を除き、朝9時~17時30分までが勤務時間となっていました。

働き方改革の途中段階。営業部門やシステム部門、人事部門などのトライアル部門を中心に仮想デスクトップ(VDI)を導入し始めましたが、既存のPC(ファットクライアント)も貸与したままであるため、管理者と利用者ともに運用負荷の高い時期でした。
また、固定電話をIP電話に置き換えるとともに、ビデオ会議などのコラボレーションツールやスマートフォンを一部で導入し始めました。
就業規則が変更となり、フレックスタイム制度の導入とテレワーク制度の活用が始まりました。

仮想オフィス化が完了したフェーズ。仮想デスクトップを全社展開し、既存の物理PC(ファットクライアント)を回収・撤去したことで、PCの運用管理を簡素化するとともに、セキュリティを強化しました。また、ビデオ/Web会議の充実により、移動する社員に職場環境がついてくる「仮想オフィス」を実現しました。

データ項目を5つに分類

各フェーズのROI(投資対効果)を測定するために、収集するデータ項目を ①CAPEX (Capital Expenditure、設備投資額)、②OPEX(Operating Expense、運用コスト)、③リスク、④生産性、⑤イノベーションの5つに分類しました。
CAPEXとOPEXは、一般的に用いられている項目であるため、算出が容易です。
ただしネットワンシステムズの場合は、OPEXに会計上の金額だけでなく、社員の工数(時間×給与)も含めています。

③リスクについては、実際に過去に当社で発生したセキュリティの災害や事故の対応額をもとに金額換算を行います。例えば、以前は台風による交通マヒが発生した場合、ほとんどの業務を止めざるを得ず、巨額の損失を招いていましたが、仮想デスクトップとユニファイドコミュニケーション環境が整った現在、社員は自宅に居ながら普段どおりに業務を行うことが可能となり、損失は最小限に抑えられています。こうした対応コストの差分を算出します。
④「生産性」は、「同じことを行う場合にどれだけの時間で実施できるか」を金額換算したものです。
⑤「イノベーション」は、経営戦略に対する貢献度に重点をおき、「売上高・受注の向上」「社員満足度の向上」「顧客接点の拡大」「自社イメージの向上」といった指標から効果を算出していきます。いずれも簡単には、数値化できないものばかりですが、このROIを含めないと真の価値は見えてきません。なぜなら、働き方改革は経営戦略であり、戦略上、継続的に設定しなければいけない項目だからです。

データ項目の5つの分類が決まったところで、ROIを実際に算出しますが、その際には、それぞれのフェーズにおけるワークスタイルのモデルを作ります。典型的なワークスタイルの仮説(ストーリー)を立てて、それに合わせて各データ項目を算出します。そして各種施策に関連しそうなデータ項目を挙げていくとともに、そのデータ項目を収集できる部門を明確にしました。

ROlを算出する

このような体制の下で、当社における「働き方改革」の効果を算出しました。仮想オフィス化を始める前の物理オフィスから移行期オフィスの間、CAPEXとOPEXがマイナス(コスト増加)になっていますが、仮想オフィス化が完了すると、CAPEX、OPEXともにプラスの効果が出てきています。このことから、物理オフィスから仮想オフィスヘの移行期間の短縮化が、投資をいち早く回収するためのポイントであることが分かります。リスクや生産性は、仮想オフィスヘの取り組み開始時から効果が出ています。

ネットワンが挑戦
する働き方改革

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