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  1. サステナビリティ
  2. ESGの取り組み

2023.9.30 SDGsを身近に!スポーツを通じた社会貢献を体感しよう
「SDGsキーワード回収スタンプラリー」イベントレポート

ABOUT ~この記事を書いた人~

SHIOTSUKI NATSUMI

大分市出身。2009年よりネットワンシステムズ(株)専任フォトライターとして“大分トリニータの今”を社内向けにレポート。
その他、大分県内を中心にスポーツや企業紹介、観光関連、グルメなど様々なジャンルのフリーライターとして活動は多岐に渡る。

ネットワンシステムズは、大分トリニータのホーム戦にて「SDGsキーワード回収スタンプラリー 〜スポーツの力で社会貢献活動を始めてみませんか?〜」と題し、社会貢献活動の社会的投資収益率(SROI)の実証実験を兼ねた産学連携イベントを開催しました。

※社会的投資収益率(SROI)とは、社会貢献活動が実施された結果として発生した社会効果について、貨幣価値に換算し定量的に評価するものであり、近年、欧米で社会的企業や団体が行う営利的活動の投資可能性を測る手法として注目されています。

当日は、帝京大学塚本研究室、OBS大分放送(CHANGE FOR THE BLUE in 大分県)、株式会社大分フットボールクラブ、そしてネットワンが主体となり、産学連携によるスポーツを通じた新しい社会貢献活動を行うイベントを開催。帝京大学塚本研究室と筑波大学松尾研究室の協力を得て、①事業提供者への定性調査、直接受益者である②ブース参加者への定量調査、間接受益者である③視聴者及び閲覧者への調査(広告換算及びSNS分析)などを通して、社会効果の調査分析を行いました。

SROI分析に詳しい筑波大学の松尾先生は、幅広い意味や取り組みをもつSDGsを具体化するため、今回のイベントが様々な企業や団体が社会貢献に取り組むためのきっかけになればと話します。

松尾先生:
「最近は特にSDGsと絡めたスポーツイベントが多く見られるようになりました。ネットワンさんはずいぶん前からSDGsに関する活動をされていたので、信用性もあり、そこに帝京大学の塚本先生とSROIを導入することなり今日を迎えました。何度も会議を重ねてきましたがSDGsというのは、何から取り組めばいいのかという点でも具体的には難しいものもあるので、こうした実証実験による出口(効果)があることはいい事だと思っています。」

ネットワンは、こうしたSROIの実証実験を実施することによりスポーツを通じた社会貢献活動の社会効果を可視化し、社会貢献活動の活性化に取り組んでいきたいと考えています。また企業や団体と連携したSDGs活動を通し、社会的効果を可視化することで生まれる結果が、大分トリニータをはじめ様々な団体や地域の活力となるよう貢献していきたいという想いがあります。多くの企業や団体が関わることの意義としての企業価値向上や、パートナーシップを通じた効果の明確化がお互いの意識向上に繋がると思っています。

この日は、4つのSDGsをスタンプラリー形式で体感できるブースを設置。楽しみながらSDGsを学び、体感しながら身近なものになってくれたらというスタンプラリーには、多くのサポーターの方々が体験してくれました!

「古着deワクチン」ブース

ネットワンが2020年から行っている古着deワクチン。ホームゲームはもちろん今年はアウェイの地でも多くのクラブ、サポーターに協力頂き実施することができました!古着deワクチンは、不要になった衣類などを寄付することにより、回収キット1袋(Tシャツ約100枚入る袋)でポリオワクチン5人分を寄付できる取り組みです。また発展途上国に輸出し現地で選別・販売により現地での雇用にも繋がる活動です。今回はネットワンの社員たちもボランティアとして参加しました。

XOCのジャンパーを回収キットに詰め込む様子
ネットワンシステムズボランティア参加 左・上野寛登、右・本間あや

ネットワンシステムズにはお客様のICT環境を24時間365日リモートで監視し、システムの運用や急なシステム障害にも迅速に対応する「エキスパートオペレーションセンター(通称:XOC)」という部隊があります。

今回、XOCより使わなくなったスタッフジャンパーやユニフォームが約200枚ほど大分に届けられ、古着deワクチンに寄付されました。

ユニバーサルスポーツブース

「障害のあるなしに関わらず、一緒にスポーツを楽しめる社会づくりのきっかけになる」をテーマに、2018シーズンより全ホームゲームにて「ユニバーサルスポーツ(パラスポーツ)体験コーナー」を実施。ボッチャや車椅子テニスなど、様々なスポーツを体験できます。アウェイのサポーターにも広がり、毎試合両サポーターがコミュニケーションを図る場としても活用されています。

CHANGE FOR THE BLUE ブース

「これ以上、海にゴミを出さない」という社会全体の意識を向上させていくことを目標に、日本財団が推進する海洋問題に対しての意識を高める海洋ゴミ対策プロジェクトを学びました。ブースではトングやゴミ袋を配布。ゴミ拾いやゴミの分別についてのパネルを提示し、小さなお子さんでも分かりやすい仕様となっていました。

国際体操ブース

「4か国の国際体操を知って異文化を理解し、自身の健康を手に入れよう!」というテーマで、世界の体操を体験。ブラジルや中国、カンボジアなど、知らなかった体操を多くのサポーターと共に行いました。

帝京大学の塚本先生にインタビュー

今回のイベントの目的を教えてください

今、Jリーグの中でも松本山雅さんやFC今治さんなど、社会貢献活動の可視化を可能にするSROI分析はかなり推奨されています。社会貢献活動を可視化することで、ステークホルダー同士がどう取り組んでいくのかという点でも、新しい価値想像を生み出しています。そういった意味でも、社会貢献が持つ“社会的インパクト”というのは、どういうものがあるのかという所を私たちの研究テーマとして取り扱わせてもらいました。

このようなイベントを通じて、最終的に目指す所は?

塚本研究室としても、社会的な貢献活動をもっと活性化させたいと思っています。ただ、社会貢献活動を実施するだけでは、なかなかその成果は見えにくいのが現状です。したがって、そのはっきりしない部分にSROI分析を活用し、数値化することで、より多くの社会貢献活動を多くの企業でも行ってもらう事が、私たちの目的でもあると思っています。今後は今回のSROI調査の結果を整理し、更なる違ったアプローチやステークホルダーを交えて、もっと社会貢献活動をブラッシュアップできるのではないかということを提案していきたいです。

現地でイベントに参加した、帝京大学の学生・杉本さんは想像を超えるサポーターの参加に感謝すると共に、今日の結果が様々な社会貢献へ繋がるよう更に検証していきたいと話しました。

杉本さん:
「このようなイベントを通じて、学生の立場では経験できないことをできていますし、自分たちが社会人になった時の基礎力向上に繋がると感じています。学生の枠を超え、成長できる機会をいただけているなと思います。7月にプレ調査として伺った際には、天候もありサポーターの方も少なかったので不安はありましたが、今日は開始から多くの方に並んで頂き、本当に多くの方々に参加してもらいました。自分たちのしていることの偉大さを、肌で実感することができましたし、いい経験をさせてもらいました。ヒアリングの感触も良かったので、調査結果が今から楽しみですね。」

今回初めて大分へ来たという、ネットワンの社員2名(本間、上野)にも話を伺いました!

この日現地でイベント参加した感想を教えてください

本間:
「古着deワクチン」ブースをはじめ色々なお店が出店されていて、週末のイベントとして自分の子どもを連れてきたら楽しそうだなと思いながら見ていました。来ている方は年齢層も幅広く、男女共に色々な方が参加されていたので地元の交流にも一役買っているなと感じました。

古着deワクチンブースに参加し感じたことは?

上野:
様々な年齢層の方々、特に小さなお子さんを連れた家族が多い中でたくさん方々にご参加頂いたことに驚きました。1家族で、満杯の紙袋3つ持ってこられた方もおり、これにはさすがに驚きましたし、大分県民の心の温かさを間近で感じることができました。個人的には、この活動の結果としてどれくらいの方々にワクチンが提供され、感謝されているのかを参加された皆様に伝えていくことが大切だと感じています。参加してくれた方々が「また参加したい、参加者を増やしたい。」と感じるような良い循環が、活動の中で生まれれば嬉しいと思います。

SROIの実証結果をネットワンとして、この先(企業価値など)どう繋げていきたいと感じていますか?

本間:
どのような実証結果が出てくるのがわからないですが、様々なデータによってSROIを可視化できるようになることで、多様なステークホルダー企業と社会貢献活動を一緒に進めていく先導役にネットワンがなれると素敵だなと思っています。また、SROIの算出にネットワンが関わっているということは、データ利活用の支援を謳っているネットワンとしても大きなアピールになると期待しています。

上野:
この活動を通して、企業として大分県含め多くの地域の方と繋がりを持つことが出来たと思っています。こういった繋がりは、企業としても大きな財産だと思いますし、企業活動を行う上で重要なものになると思います。また私たち社員も、日々の業務のアウトプット(成果)として、目に見える形で社会に貢献できていると嬉しいものですし、社員の中には「大分トリニータに貢献できる」をモチベーションに日々業務に取り組まれている方もいます。社員が誇りを持てる職場環境という意味でも、この活動は重要だと改めて感じるため、社内的にもSROIの活動が広く周知しつつ、継続的に取り組むことが大切だと改めて感じています。

2人は今後もスポーツを通じた社会貢献において、多くの取り組みを継続し続けることが大事になるといいます。

本間:
2025年にデフリンピックが日本で開催されますので、それに関連する何かができたら楽しそうだなと思っています。弊社の新拠点である“netone valley”をもっと、様々なスポーツやイベントでも活用してほしいですね。

上野:
近年、スポーツの社会的な影響力は以前より増していると感じています。個人的には、人と人を繋ぐコミュニティー的な役割がスポーツにおいて重要になるのかと思っています。スポーツを通して繋がったコミュニティーの中で、人同士が繋がり、互いを賞賛し、健康促進に繋げる。そんな場を提供できる活動ができれば嬉しいですね。実は弊社の新拠点では、フットサルコートが2面展開できるようになっているので、こういった環境を様々なボランティア活動にも寄与できればと思います。

最近は、「社会貢献」「SDGs」というワードをよく耳にするようになりましたが、何をするのか、どう参加すればいいのかという質問を受けることも少なくありません。ですが、私たちの暮らす毎日の中でできる社会貢献は身近なところに多くあります。自分たちの住む地球を守るため、生活する地域をよりよくするために、ゴミを拾うことや不要なものを利活用するなど、まずは自分にできることから始めてみる一歩が大事になるのではないでしょうか。ネットワンは大分トリニータのパートナーとして歩みながら、一企業としての価値を見出し、スポーツの持つ力を様々な分野に発信していきたいと思っています。