病院の情報システムは電子化に加えて仮想化へ!(三重県立総合医療センター様)

お客様名 三重県立総合医療センター 様
導入事例 仮想化ソリューション
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三重県立総合医療センターは、病床数が400を超える地域医療の基幹病院。三重県北勢地域の医療の中心として先端機器やITを積極的に取り入れている。

同病院はこの度、病院としては先進的な、電子カルテをはじめとした医療システムを支えるIT基盤の仮想化と院内ネットワークの更新に挑戦した。

今回は、同病院の事務局経営企画課で主任を務める川瀬隆行さんに仮想化にかけた想いをうかがった。

事例が少なかった仮想化に挑戦したいと考えた

医療のIT化で最も注意を払わなければいけないのはミッションクリティカル性である。一般的な企業でも、止まらず稼働し続けるシステムが求められるが、医療は「人命を預かる」ため、システム停止は絶対に避けなければいけない。

「三重県立総合医療センターは、院内システムの電子化を先んじて進めてきており、2011年には電子カルテをはじめとした医療システムをIT基盤とともに刷新しました。刷新後、次期のシステム更新に向けて、より堅牢かつ効率の良い方法はないかと議論を始めました。その結果、医療システムはそのままに、IT基盤側を仮想化してシステム共通基盤とすることで、コスト削減と可用性向上に挑戦してみたいと考え、院内で決定しました。」(川瀬さん)

仮想化はサーバ等のハードウェアを少数に集約できるため、投資コストを下げることができる。また、仮想化特有の機能を活用することで、サーバにトラブルが発生したときにも素早く復旧することができる。

「医療現場では仮想化技術を実現した事例は多くはありませんでした。しかし、システムをITベンダに任せてしまうだけではなく、私たち病院側も一緒に努力していけば、低コストかつ堅牢な仮想化技術を医療現場でも導入することができるのではないかと考えました。」

サーバには“余裕”があるのか、“余計”があるのか

「以前のサーバの状況を例えるならば、たくさんのコップ(サーバ)に、それぞれ水(医療システム)が入れてある状態でした。これだと、水の量に対してコップのサイズが合わないこともあり、非効率な状態と言えました。今回実現した仮想化では、大きなバケツを用意して水をまとめて入れるような環境ができたので、非常に効率的になったと感じています。」

仮想化の大きなメリットは、病院内のサーバを集約して柔軟に活用できる点にある。仮想化が実現すれば、クラウドと同じように「必要なときに必要なだけ」、医療システムにリソースを振り分けることができる。

「現状の分析やアセスメントには、ネットワンシステムズの協力を得ながら実施しました。サーバの性能に対して、稼働するための処理能力やリソースは適しているのかを掴むことができれば、今後の調達の規模を適正にするだけでなく、どれぐらいが“余裕”で、どこからが“余計” “余剰”になるのかを見込むことにつながります。病院はシステムだけではなく、通常業務も止めることができません。そのような中、現状分析とともにトラブルなく更新を進めてくれたネットワンシステムズにはとても感謝しています。

トラブルが起きたが「利用者は誰も気付かなかった」

仮想化環境と院内ネットワークは、ネットワンシステムズの支援により、2016年春に稼働を開始。稼働後に、運悪くサーバが一台壊れてしまったものの、そこで動いている医療システムは、仮想化の機能によって自動的に別のサーバに切り替わっており、「利用者は誰も気付いていませんでした。そのときには仮想化を選んで良かったと実感しました。」と川瀬さんは語った。

「以前はサーバトラブル時の対応は、手動切り替えでした。サーバトラブルが発生したら担当者に連絡があり、担当者が切り替えの作業を行う。しかし、仮想化した現在は、あるサーバが壊れても別のサーバに自動的に医療システムが移動して稼働します。運悪く突然のサーバトラブルに見舞われたのに誰もそのことに気付かなかった程、医療システムがスムーズに稼動できました。これは大きな価値だと思いました。」

また、サーバをまとめたことでうまれた “余裕”は、冗長化や逼迫時の緊急回避のほか、将来を見据えたリプレース計画にも組み込めると川瀬さんは続ける。なお、サーバの効率化によって、サーバ等のハードウェアを格納しているラックスペースは1/3にまで減少できたと言う。

病院運営や経営など具体的な目的のためのIT化を

「コスト面については、非常に大きく削減できました。ただ、仮想化を導入するのは結構大変なことで、骨が折れました。システム専任の電算職員が必要と考えます。」

ここは他の病院でもネックになるかもしれないと川瀬さんは語る。ITベンダへの発注業務を担う部署はあっても、システムやネットワークの知識を持つ専任人材や部署は設けられない病院もある。

「医師やスタッフと信頼関係を築き、院内の要望を集めて、外部のITベンダとすり合わせることができる人材の確保が重要になってきます。」

川瀬さんは最後に、「県立病院という立場だからこそ、安定性と同じぐらいコストのことも考えていました。」と語った。地域住民の健康、安心を守るための病院の土台を、限られた予算の中で固めていく。

「まずはカルテの電子化など『病院にITを入れること』を意識した病院も多いと思います。しかし、これからは仮想化など、ITが持つメリットをさらに取り入れて、効率を高めたり、コストを削減したりするなど、病院経営上の目的を持って取り組んでいく必要があると思います。病院側から、『こういうことがやりたい』と要望を出せば、力を貸してくれるITベンダは必ずいます。」

概要図

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