次世代型ワークスタイルの導入で、 労働生産性、ワークライフバランスの向上に挑戦。

仮想デスクトップ、ユニファイド・コラボレーションシステムなどICTツールの利活用が新しい働き方を強力支援。

企業名 ネットワンシステムズ株式会社
所在地 : 東京都品川区東品川2-2-8 スフィアタワー天王洲
設立 : 1988年
導入事例 ワークスタイル変革ソリューション
課題 業容拡大に伴った社員数の増加で既存オフィススペースの有効活用が大きな課題に。一方で、社員からはオフィスにしばられない働き方に取り組んでみたいという声が上がってきていた。また、顧客接点を拡大し、ワークライフバランスを向上するために、場所にとらわれない働き方ができる環境の整備が必要となってきていた。
選択理由 ワークスタイルを変革するための支援ツールとして、仮想デスクトップ、ユニファイド・コラボレーションシステムなどを導入。これらを利活用し、場所にとらわれないワークスタイルを実現し、オフィスのスペース効率を向上し、顧客接点を拡大し、自らの経験値をお客様の課題解決への提案に結びつけていくこと。
効果 ICTの利活用によりコミュニケーション、コラボレーションに支障をきたすことなくテレワーク制度を浸透させ、前倒しの行動計画を立てることにより、生産性およびワークライフバランスが向上してきている。

次世代型ワークスタイルを支えるICT

次世代型ワークスタイルを支えるICT
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ネットワークからクラウド基盤まで

単なる通信手段から、豊かな暮らしと社会の機動力となって発展し続けるネットワークの世界。ネットワンシステムズは、こうしたネットワークイノベーションの到来に先駆け、1988年に誕生、ルータ・スイッチなどの先進のネットワーク機器などを高度に組み合わせたシステム構築により日本のネットワーク時代を牽引し、通信事業者・大手企業・官公庁・自治体・大学・研究所など数多くの実績を積み重ねてきました。

そして今では、高度なネットワーク技術を核として、クラウド基盤構築から、ユニファイド・コラボレーションにわたる充実したソリューションをラインナップし、提案・コンサルティングから検証・導入、教育、保守・運用管理までライフサイクルすべてにワンストップで対応できるサービスを提供。お客様の目線に立って課題を解決する企業へと進化を続けています。

オフィス活用と社員の働き方を考え次世代型ワークスタイルを模索

システム企画グループ
基盤管理部 部長
谷口 勇

ネットワンシステムズでは、1988年の設立以降、業容の拡大に伴い社員数が増加、それにつれて東京都品川区に構える本社オフィスを増床して対応してきました。しかし、増床というのは対症療法であり、根本的な解決策ではありません。社員数の増加とともに、どこかで必ず限界が訪れます。スペース効率のよいビルに移転したとしても、いずれは再びこの課題に直面することになります。同社は、2009年ごろからオフィススペースの活用最適化について検討を始めました。企業規模を発展させながらも、社員の労働環境を維持・向上しつつ、既存のオフィススペースを有効に活用できる手段はないか、それを探ることにしたのです。

その一方で、社員の中でも次世代のワークスタイルについて、検討が始まりました。同社には、社員会という委員会があります。これは若手社員で構成された横断的な組織で、社員の声をまとめるという立場から、社内のさまざまなテーマに関して分科会を立上げ、検討し、会社への提案活動を行っています。その中の一つに次世代型ワークスタイルを検討する分科会があり、その分科会から在宅勤務制度(以下、テレワーク制度)導入の提案が出されました。

在宅勤務などの場所にとらわれないワークスタイルを実現したいという思いの背景には、ネットワンシステムズが本業で取り扱っているソリューション群の存在がありました。現実問題としてオフィス以外で仕事をしようとすると、さまざまな課題がたちはだかります。外部からオフィスのICTリソースを利用する上でのセキュリティ確保、上司や同僚とのコミュニケーションやコラボレーションといったものが、それらにあたります。これに対して近年は、社外で使用するPCなどのデバイスにデータを持つことなくデスクトップ環境が利用できる「仮想デスクトップ」や、音声、メール、チャット、ビデオ会議・web会議など複数の通信・コミュニケーション手段を、コミュニケーション対象の在席情報(プレゼンス)をもとに最適に使い分ける「ユニファイド・コラボレーション」など、課題を克服可能なICT製品が続々と登場し始めています。これらを活用すれば、次世代型のワークスタイルは可能だという期待がありました。そうした製品について実際に構築・利用することでナレッジを獲得することは、成功・失敗を含めてすべてお客様への提案活動でプラスに働きます。逆にいえば、利用の経験も持たずにお客様へビジネス変革を促す提案はできないという気持ちもあって、まずネットワンシステムズが試してみるべきだという機運が盛り上がりました。

同社が新しいワークスタイルを模索し始めた経緯について、ネットワンシステムズ株式会社 システム企画グループ 基盤管理部 部長 谷口勇は次のように語ります。
 「まず、オフィススペースの効率化という全社的な課題がありました。解決策として、ICTの利活用を通して、いつでも、どこでも、誰とでも仕事ができる環境の整備を行い、オフィス以外でも働くシーンに合わせた業務ができるようにし、その結果、オフィススペースを効率化することを目標に掲げ、取り組みを始めました。また、その取り組みが始まったころ、社員会では、在宅勤務について検討する分科会が立ち上がり、検討が開始され、われわれ基盤管理部へも相談がありました。ワークスタイル変革といったテーマは、働くための道具、場所、制度の観点から総合的に検討する必要がありますが、道具はすでに、ありますし、やってみたいという声も出ている。それなら、できることから着手してみよう、とプロジェクトを立ち上げることになりました。」

仮想デスクトップ環境で社員をオフィスから解放

最初に行ったのは、社員の働き方への意識調査や、ワークスタイル変革への意識が高いメンバーによるワークショップや、実際のオフィスでの在席率調査などでした。社員の意識調査でわかったのは、“オフィスにしばられずに柔軟な働き方をしてみたい”と思っている社員が想像以上に多くいたことです。そこで、2010年、人事部と連携をとり、希望を募って実験的にテレワークをスタートさせました。これによって、対象者は週に1回まで上司の承認を取れば出勤せずに仕事ができることになりました。結果も好評で、2011年度には、正式に会社の制度としてスタートしました。オフィスについても、パイロット部門と一緒に、各部に割り当てられたスペースの中で、座席を固定しないグループアドレス制度を試験導入し、場所にとらわれない働き方ができる環境を整えていきました。

ここでテレワーク制度の推進を大きく後押ししたのが仮想デスクトップの導入です。ローカル端末にインストールするのはOSとWebブラウザだけ。実際のデスクトップ環境はデータセンター内の仮想サーバ上で動かし、ローカル端末には画面だけを転送してすべての操作を行うため、ローカル端末側にデータが残ることがありません。

これに加えて、テレワークでは社外で業務を行うため、インターネットを介して接続し、仮想デスクトップを利用します。ここではワンタイムパスワード機能を持つトークン利用で2要素認証を行っており、セキュリティのさらなる強化を図っています。同社では、自宅にある個人PCの利用や、個人所有のタブレットPC、スマートフォンなどのディバイスを社外での業務に利用することを認めていますが、これができるのも技術面で仮想デスクトップを前提にし、セキュリティを確保しているから、と谷口は語ります。具体的な製品としては、適材適所でCitrix XendesktopやVMware Viewを利用しています。

ユニファイド・コラボレーションシステムによってコミュニケーションを促進

同社のテレワーク制度は、希望者に対する実験的導入の後、全社運用を開始しました。ここで、テレワーク中の社員間のコミュニケーションの支援のために採用したのが、ユニファイド・コラボレーションシステムです。具体的な製品としては、コミュニケーションのポータルとしてCisco Unified Presenceを、会議システムとして、Cisco Telepresenceビデオ会議、Cisco WebExWeb会議を導入しました。

谷口は、ユニファイド・コラボレーションツールはまさにテレワーク制度を利用し、社外で働く上で最適のツール、と語ります。
「相手の在席情報・プレゼンスを見ながら、その場で一番いいコミュニケーション方法を選択できるというのがいいと思います。話したい相手がシステム上でオンラインになっていたら、チャットで『今、どこ?』と尋ねて自分が社内にいて、相手も社内にいるようであれば、『ちょっと時間いい?』といって直接会いに行ったり、相手が自宅と答えたら、『ちょっとビデオ会議で話せるかな?』とコミュニケーションを取ることができます。こうしたシステムを利用すると、お互いに同じファイルを共有しながら話したり、修正を加えたりすることもできます。離れていても、その距離を感じることなく仕事を進めることができます。」

ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進グループ マーケテイング本部 ソリューション・マーケティング部 第1チーム 課長 佐々木慎介は、ビデオ会議システム、Web会議システムを活用するメリットを次のように語ります。
「初めて顔を合わせて話すというようなときは、フェイスtoフェイスがいいと思います。しかし、同じメンバーで定例会議を繰り返すというような場合、もう相手のことはよくわかっていますから、物理的に会わなくても相手の顔が見えて話せれば十分コミュニケーションは取れます。移動時間のムダも省け、時間調整も楽になるので、ビデオ会議システム、Web会議システムの利用は非常に有効です」

東日本大震災の際もなにごともなく事業継続

社員のワークスタイルを変えるという目的からスタートしたテレワーク制度ですが、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際も、事業継続という点で大きく役立つことを実感したそうです。

当日、本社オフィスは全館停電に見舞われました。しかし、すぐそばにある拠点が被害を受けなかったため、災害対策本部のメンバーはノートPCだけを持って移動、そこで仮想デスクトップに接続し、すぐさま災害対策本部を構え、全社指揮を執ることができました。交通事情が不安定だったため、翌週からは社員に対し、出勤しなくても仕事ができる人は出社しないように、と指示がだされ、何ごともなく仮想デスクトップを使い、テレワークで業務が継続できたそうです。

ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進グループ 技術本部 ソリューション技術部 第4チーム 課長 横山哲雄は語ります。
「私の課では、全員が14日からの一週間、まるまる出社せずに自宅で個々に仕事をすることにしたのですが、必要なリソースは仮想デスクトップで閲覧できますし、メンバー間のコミュニケーション、コラボレーションも、ツール活用により何の問題もなく通常どおり仕事ができました。オフィスに行かなくても働ける環境を構築しておくということは、不測の事態が起きても事業継続できるということなのだということを実感しました」

前倒しの行動計画を立てることで、業務がスムーズに進むようになった

同社のテレワーク制度は、人事部門を中心に制度整備が行われ、2011年4月から正式に導入されました。正式導入後は、その取得可能回数も、上司さえ承認すれば無制限になっています。仮想デスクトップの導入対象組織も増加しており、1年後には誰もが新しいワークスタイルを享受できる体制の確立をめざしています。

現時点での同社におけるワークスタイル変革を、谷口は次のように評価します。
「従来は働き方を変えるというと、オフィス内のファシリティ面ばかり焦点が当てられてきました。それは、働く場所はオフィスであるという固定概念からくるもので、現在は、ICTを利活用することにより、働く場所は、オフィスだけではなくなり、自宅など、会社以外の場所に広がってきています。そして、ICTツールの利用シーンを考慮しなければ、効率的なオフィスのレイアウト設計もできない時代になってきました。これからは、時間を有効に使い効率的に働き、新たな価値を創造し、自分のワークライフバランスを向上するために、社員ひとりひとりが自分の働き方を考え、その道具としてICTツールを最大限に活用する時代になりました。会社としては、価値的に考えて働く社員が、最適なICTツールを選択し利活用できる環境を提供していくことが重要です。

そうした中で、仮想デスクトップの採用はセキュリティを確保しながら社員をオフィスにしばられる働き方から解放する大きな前進でした。もう通常のオフィス業務であればまったく問題なく動作し、ネットワークトラフィックもサーバ集中になるものの、現時点、通信回線の増強が必須というわけでありません。製品もその企業のニーズに合わせて選べるだけのバリエーションがあります。それでいてセキュリティはしっかり守られます。」

谷口は、「仮想デスクトップはローカル端末にデータを持てないのが不便だと言われますが、そのようなデータは社内で作業することにするなど利用方法にメリハリをつければいい」と言います。また、テレワークをおりこんだワークスタイル実践の利点は、先々までの予定を考えて行動するようになることだそうです。

「特定の日に自宅で仕事をするためには、いつまでにどの仕事を完了しておくべきか。自分ひとりでできる仕事なのか。誰かに協力していただかないとできない仕事なのか。来週はどう行動するのか、来月はどう行動するのか。すべてを前倒しに考えるようになって、業務の進みが速くなっていきます。」

佐々木は、谷口を補足して次のように語ります。
「確実にワークライフバランスの充実は進みますね。私自身、テレワークの日は集中して自宅作業をして、生まれた時間的な余裕を家庭団らんに充てるなど、心身ともにバランスの取れた、ストレスの少ない日々が送れるようになりました」

テレワーク制度はまた、産休明けで子育てをしながら働く女性社員を大きく支援でき、谷口は、会社としても優秀な社員を失わずにすむのでありがたい、といいます。部下の姿が見えなくなるので社員管理が難しくなるという懸念に対しては、かえってICTの利活用によりコミュニケーションや進捗確認は容易になるため、マネージメントがしっかりできれいれば、まったく問題ない、と谷口は言います。

同社では、今後はこうした次世代型ワークスタイル導入による効果を自らが経験し、顧客企業への提案活動に生かしていきたいと考えています。

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