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2023年度人工知能学会全国大会(第37回)にて マルチモーダルデータを活用した リモートワークにおけるストレスの分析結果を発表
~慶應義塾大学と産学連携で共同研究~
お知らせ
慶應義塾大学 大学院理工学研究科、理工学部とネットワンシステムズ株式会社は、2023年度人工知能学会全国大会(第37回)にて、共同で実施したマルチモーダルデータを活用したリモートワークにおけるストレスの分析結果を発表しました。
研究目的
コミュニケーションがオンライン中心となるリモートワーク環境下では、意思疎通を通じたストレスの把握が行いにくく、ストレスマネジメントが難しい課題があります。この課題に対し、本研究では、リモートワークにおけるPC操作特徴量・表情分析による感情推定値とストレスの関係を明らかにすることを目的とします。
研究方法と成果について
心拍センサー・PC操作ログ取得プログラム・Webカメラからデータを取得し、加工・統合の処理を行う環境を構築しました。PC操作ログに関しては,キーボード,マウス,ウインドウの操作から取得し、PC上で行うタスクを設定した上で、疑似的にオフィスワーク及びリモートワークを実施し、データの取得を行いました。実験で得られたデータの分析結果として、左クリックの回数や嫌気、悲しみの感情推定値がストレスの変化に関係していることが示唆されましたが、どれも弱い相関であるとわかりました。しかし、業務に慣れるまではリモートワークではなく、オフィスワークを実施することでストレスが軽減するという、リモートワークを実施する上で重要となりうる知見が示唆されました。
<登壇者>
ネットワンシステムズ株式会社
ビジネス開発本部 イノベーション推進部 ビジネス開発チーム 伊藤 千輝
今後の展望
今後は、より研究・分析を進め、リモートワークにおいてストレスと関連性が大きい特徴量の検出、有効な特徴量を用いたストレス検知モデルの作成によって、リモートワーカーのストレス検知システム開発に貢献します。また、これまでネットワンが培ってきた働き方の知見と、今回の研究結果を組み合わせ、社会やお客様へ付加価値を提供してまいります。
共同研究に関しては、今年5月に開設したイノベーションセンターに実証実験の場を移し、AIと関連するメタバース/デジタルツイン、ロボットと人間の協調など、産学連携の新領域の開発を行ってまいります。
慶應義塾大学 栗原研究室について
https://www.ae.keio.ac.jp/introduction/lab-professor/kurihara/
ネットワンシステムズ株式会社について
ネットワンシステムズ株式会社は、優れた技術力と価値を見極める能力を持ち合わせる ICT の目利き集団として、その利活用を通じ、社会価値と経済価値を創出するサービスを提供することで持続可能な社会への貢献に取り組む企業です。常に世界の最先端技術動向を見極め、その組み合わせを検証して具現化するとともに、自社内で実践することで利活用ノウハウも併せてお届けしています。
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