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膨大な通信を支える性能と高い管理性を実現
安全性を高めつつ医療の質を高める利便性も重視
スマートホスピタル構想を支える新ネットワーク
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お客様名 | 社会医療法人大阪国際メディカル&サイエンスセンター 大阪けいさつ病院 様 |
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導入事例 | ネットワーク |
印刷用データ | PDFファイルで表示(959KB) |
「いのち輝くスマートホスピタルを実現する」という基本方針を掲げている大阪けいさつ病院。スマートデバイスやデータの活用といった施策を積極的に進めている。そのインフラとして重要な役割を担っているのが、ネットワンシステムズと共に構築したネットワークである。性能、管理性、安全性、そして利便性を実現するために様々な工夫を凝らし、同院のスマートホスピタル構想を支えている。例えば、クラウドを通じた一元管理は、同院の内製管理の力強い味方となっている。
IT技術を積極活用し大阪の地域医療に貢献
NTT西日本大阪病院と大阪警察病院が統合して生まれた大阪けいさつ病院。高度な医療の提供はもちろん、医師や医療従事者の育成を通じて、これからも大阪の地域医療に貢献することが期待されている。
その期待に応えるべく、同院が注力しているのがITを活用して医療サービスの質の向上や業務効率化などを目指すスマートホスピタル構想である。「病院職員へのiPhoneの配布、患者用スマートフォンアプリの開発、電子カルテをはじめ様々なシステムのデータを統合する医療情報統合データベースの構築を中心に、地域医療連携のためのシステム整備、VR(Virtual Reality)などの先端技術を活用した受付や診療室の実現、外部の医療版情報銀行サービスとの連携など、様々な施策に意欲的に取り組んでいます」と同院の山本 剛氏は話す。
建て替えを好機と捉えスマート化を一気に前進
スマートホスピタル構想の舞台となっているのは、同院が新たに建設した新病院である。建て替えのタイミングを、構想を一気に前進させることができる好機と捉えたわけだ。
新病院は、様々な設備がスマートホスピタル構想を前提に設計されているが、その中の1つがネットワークである。IT技術を活用する上でネットワークが欠かせないインフラであることはいうまでもない。同院は構想を実現していく上でネットワークが備えるべき要件を整理して新病院のネットワークを構築した。
まず重視したのがコストだ。「病院職員に配布するiPhoneは1650台に上ります。もちろん、それ以外にもPCやサーバ、医療機器、そして患者様のスマートフォンなど、様々なデバイスがネットワークに接続されます。ネットワークは、その膨大なデバイスの通信を支える帯域や性能、信頼性が求められますが、投資できる費用は無限ではありません。最適な設計を行い、効率的に性能や信頼性を高めていかなければなりません」と山本氏は言う。
管理性も重視した。「ネットワーク運用は、外部委託ではなく、基本的に内製で対応します。人員は限られていますから、職員がスマートホスピタル構想の推進などに注力するためにも、ネットワークの運用管理はできるだけ効率的に行いたいと考えました」と同院の鈴木 貴志氏は話す。
またセキュリティも重要なポイントだった。病院がサイバー攻撃を受け、診療を停止してしまうインシデントが世界中で少なからず起こっている。病院ネットワークにおいてセキュリティは絶対に軽視できない。「しかし、セキュリティを重視するあまり、せっかく導入した技術の可能性を限定したり、職員や患者様に負担をかけ、利便性を損なってしまったりすることも避けたい。セキュリティについては利便性との両立も意識しました」と山本氏は強調する。
クラウドを通じて有線も無線もネットワークを一元管理
これらの要件を満たすネットワークを提案し、実際の構築も行ったのがネットワンシステムズである。「もともとネットワンシステムズは、ネットワークに関する技術力が高く、医療分野の実績も豊富で信頼できると評価していました。実際、提案内容を見ても適切なコストで各要件をバランス良く抑えた内容となっており、その提案を採用することにしました」(山本氏)。
大阪けいさつ病院 新病院スマートホスピタル構想(概略図)
例えば、無線LANは職員用と患者用の2つのネットワークを独立させて構築する計画だったが、それらを物理的に用意するとコスト面での負担が大きい。そこでネットワークは、論理分割を基本として構成の効率を高めた。
「構成面では、ネットワンシステムズが他にも工夫を提案してくれました。医療機器の多くは、メーカーがリモートからメンテナンスするための保守ネットワークの設置が求められますが、ネットワークに求められる仕様は機器やメーカーごとに変わります。以前は、それに対応するために、個別のネットワークを構築しており、工事の負担が大きかったり、構成が複雑になったりしがちだったのですが、新病院では、それらも全体ネットワークに統合しています」と同院の木元 宏志氏は言う。
セキュリティに関しては、通信やデータの機密性などを評価して、主に電子カルテを中心とする医療情報システム系と事務・一般系の2つの層に分離。各層の境界で認証などの対策を講じて安全性を高めている。「次のステップでは、内部の不審なふるまいを検知するNDR(Network Detection and Response)などを導入し、さらに安全性を高めたいと考えています」と山本氏は付け加える。
管理性については、今回、採用した「HPE Aruba Networking」の豊富な機能が威力を発揮している。
まず管理ツールである「HPE Aruba Networking Central」によって、クラウドを通じたネットワーク機器の一元管理が実現。「コマンドラインではなく、使いやすいGUIを通じて機器や通信の状況を一目で把握できます。有線だけでなく無線LANも管理でき、ヒートマップで利用状況も確認できます。しかもクラウドベースですから、いざという時も外出先や自宅からすぐに対応できる。職員の負担を必要以上に高めることなく効率的に管理できます」と鈴木氏は話す。
また認証基盤である「HPE Aruba Networking ClearPass」を活用してダイナミックVLANも実現。近くのポートに機器を接続すれば、自動的に所属のネットワークにつながる。「以前は、部門ごとに接続するポートを細かく管理して対応していましたが、そうした管理は不要です。検査機などを院内のどこに移動させても、ネットワークやポートのことを気にせずに利用できます」(木元氏)。
このような考え方でネットワークの効率性や安全性を高めた一方、当初からこだわった利便性についてもしっかりと両立を図っている。象徴的なのがiPhoneの用途だ。セキュリティを重視して用途を限定するのではなく、インターネットに接続して様々なクラウドサービスを業務に利用するなど、iPhoneを積極的に有効活用している。
今後も同院はスマートホスピタル構想を積極的に推進していく。構想の目玉の1つにデータの積極的な活用がある。複数のシステムのデータを横断して蓄積する医療情報統合データベースは、まさにそのための基盤だ。「AIによる分析などを駆使していきたいですね。ネットワンシステムズは、そのような技術活用にも共に挑戦してくれると聞いています。ぜひ力になっていただきたい。期待しています」と山本氏は語った。
社会医療法人大阪国際メディカル&サイエンスセンター
大阪けいさつ病院
https://oim.or.jp/
大阪警察病院とNTT 西日本大阪病院が合併して誕生。高精度な診断、低侵襲な治療を実現する最新医療機器を揃え、先端医療、高機能医療の実現を目指している。
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