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  2. 導入事例

放送事業が求める高い通信品質をクリア
業界に先駆けて放送システムをIP化
マスター業務のリモート対応などに挑戦

導入事例
ネットワーク

お客様名 株式会社テレビ北海道
導入事例 ネットワーク
印刷用データ PDFファイルで表示(688KB)

テレビ北海道は、マスターシステムの更新を機にテレビ放送システムのIP化に踏み切った。システムを支えるネットワークの構築は、ネットワンシステムズが任された。テレビ放送用のネットワークは、パケットドロップが許されないといった独自の要件があるが、ネットワンシステムズはIP規格に関する技術力やプロジェクトマネジメント力、そして、積極的に習得してきたテレビ放送システムに関するノウハウを活かしてクリア。同社の挑戦の成功に貢献した。

テレビ放送システムが
IP化に向かうのは明らか

北海道を放送対象地域としてテレビ放送事業を行っているテレビ北海道。1989年の開局以来、北海道内のニュースやドラマ、バラエティ、そして経済など、様々な番組を放送している。

近年、テレビ放送の分野ではシステムの「IP化」が大きなキーワードとなっている。これまで、テレビ放送を支えてきたSDI (Serial DigitalInterface)の信号処理と同軸ケーブルによるシステムは1対1の接続、一方通行の通信、1本のケーブルを通せるのは1つの通信だけ、そして重たいケーブルを扱わなければならないといった仕様上の制限や課題があった。一方、IP化すれば、n対nの接続、双方向の通信、多重伝送を行えるようになる上、ケーブルは軽量、本数も削減できるなど様々なメリットがあるといわれている。

「ただ、長年、その環境で業務を行ってきた私たちにすれば、それが当たり前。SDIには課題が多いと指摘されても、それをはっきりと感じていたわけではありません。とはいえ、今後、テレビ放送システムがIPに移行していくのは明白。ちょうど番組やCMを時間通りに流すためのマスターシステムが更新を迎えたことから、このタイミングでIP化に踏み切ることを決めました」と同社の高橋 康二氏は言う。

高度な独自要件に対応できる
技術とノウハウが必要

テレビ放送システムのIP化に向けて同社は、IP規格に対応したスタジオサブ映像システム、マスターシステムの選定に着手。それらをつなぐネットワークもIP規格での構築を前提に機器やシステムインテグレーターの選定を進めた。

インターネットやオフィスのLANなど、現在、私たちにとってIPは最も身近な通信規格といえるが、テレビ放送に対応させるには、単に導入するだけでは十分ではない。例えば、パケットドロップの問題がある。IP規格では、トラフィックが増大して回線が混雑すると意図的にパケットを破棄することがある。この動作は、IP通信においては正常だが、リアルタイムにオンエアすることが前提のテレビ放送においては放送事故につながる可能性がある。

「テレビ放送システムを支えるIPネットワークは、こうした要件に対応できる機能を備えた機器、そして、IPでの映像配信のために策定された国際標準規格などを理解した上で適切なネットワークを構築するノウハウと技術力が必要になります」と高橋氏は言う。

テレビ放送設備の専門メーカーも認めた
ノウハウと自信を信頼

複数の選択肢を比較し、まず同社はネットワーク機器にシスコシステムズのネットワークスイッチ Cisco Nexusシリーズを選定。さらに構築はネットワンシステムズに依頼することを決めた。

「スタジオサブ映像システム、マスターシステムなどのメーカーに対応しているネットワーク機器を問い合わせました。他ベンダーの機器は『実績がなく検証が必要』という回答も少なくない中、シスコの機器だけは、どのメーカーも対応しているという回答でした」と高橋氏。技術面でもCisco Nexusシリーズは、Non-Blocking Multicastというテレビ放送システムのために開発した独自機能を持っており、前述したパケットドロップの問題に対応している。

構築パートナーにネットワンシステムズを選定したのは、IPネットワークのプロ集団であり、シスコの技術にも精通していること。そして、テレビ放送システムのIP化についても、テレビ放送設備メーカーに働きかけたり、交流会に参加したりしながら、ノウハウを積極的に蓄積していることに期待した。

「『長い付き合いのあるSDIの設備を担当してきた既存メーカーにネットワーク構築もお願いしてはどうか』という意見も社内にはありました。しかし、ネットワンシステムズと打ち合わせを重ねると、同社が十分なノウハウ、そして自信を持っていることが伝わってきました。既存メーカーも同席したミーティングの後、その既存メーカーからも『ネットワンシステムズなら安心』と進言があり、正式にお願いすることにしました」と高橋氏は語る。

検証から本番環境まで
全く問題なく構築を完了

ネットワンシステムズが構築した、テレビ北海道のIPネットワークは、Cisco Nexusシリーズによるスパイン&リーフ型の2階層構成となっており、国際標準規格であるメディア伝送規格「SMPTE ST 2110」、制御・管理規格「AMWA NMOS IS-04,05」、時刻同期規格「SMPTEST 2059(PTP)」に準拠。テレビ放送を支える高い通信品質を実現している。

「検証環境も本番環境も、拍子抜けするほど問題なく構築が進みました。マスターシステム側には他のインテグレーターが設置したスイッチがあり、そのスイッチとの接続も必要でしたが、ネットワンシステムズがスムーズに対応してくれました。一方の企業からは簡単ではないと聞いていたので、あまりのスムーズさに驚いたのですが、ネットワンシステムズは複数のインテグレーターで共同作業を行うなど、複雑なプロジェクトの経験も豊富と聞いて納得。依頼して正解だったとあらためて感じました」(高橋氏)。

すでに同社は、IP化したテレビ放送システムでの放送を開始。「前述したとおり、以前の環境に課題を感じていたわけではありませんでしたが、現在はIP化のメリットをはっきりと感じています」と高橋氏は言う。

まず帯域が大幅に増強され、多方向、多重で自由に映像素材を伝送できるようになったことで、映像素材を様々なメンバーと簡単に共有しやすくなった。また、以前のように目的や用途ごとにケーブルを引く必要がなくなり、ケーブル数が激減した上、多数設置していたSDIルーターも不要になったという。

IPによる新しい環境を活かせば、番組収録や中継など、テレビ放送の様々な業務を改善できると考え、同社は取り組みを開始している。その1つが「バーチャルマスターオペレーター」の開発だ。これはマスター室のレイアウトをパソコン上にCGで再現し、マスター業務を自宅や外出先などからリモートで行えるようにしたシステム。業務の大幅な効率化を実現できると業界でも注目されており、2023年の日本民間放送連盟賞の技術部門で最優秀賞を受賞した。

「新しい技術を活用した施策が柔軟に行えるようになったのは、IP化の大きなメリット。今後も様々なチャレンジを継続し、テレビ放送の新しい業務を確立していきたいですね」と高橋氏は述べた。

株式会社テレビ北海道

https://www.tv-hokkaido.co.jp/
テレビ東京系列に属するテレビ局。「旅コミ北海道」「けいナビ」「スイッチン!」「EXITのアヤシイTV」などの自主制作番組も手がけている。

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