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いつでも患者が診療を受けられる環境を守る ~仮想基盤と仮想ネットワークを一元的に導入・運用~(国保旭中央病院様)
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お客様名 | 地方独立行政法人 総合病院 国保旭中央病院 様 |
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導入事例 | 仮想基盤・仮想ネットワークソリューション |
印刷用データ | PDFファイルで表示(359KB) |
国保旭中央病院は、1953年に開設され、千葉県東部および茨城県南部をカバーする、地域医療の要となる国内有数の大型自治体病院。病床数は900以上で、年間約6万人の救急患者も受け入れている。
この度、効率化とシステム停止時間の短縮に向けて、サーバ・ストレージ・ネットワークを仮想化した、診療部門システム向けの共通仮想基盤を導入した。今回は、同病院のICTを担当されている診療支援・企画情報局 医療情報室の崎山氏・金谷氏・赤羽氏に、医療現場で求められるICT基盤についてうかがった。

医療システムの効率化と停止時間短縮に向けて仮想化を決断
国保旭中央病院は、公立大型病院としてカバーする地域や分野が広い。ICTによる「効率化」に早くから着目し、電子カルテや院内ネットワークなどにも素早く対応して環境を整えてきた。
その一方で課題も存在していた。
「従来は、物理サーバの保守切れとともに、まだ十分に使える診療部門システムも入れ替える必要がありました。また、物理サーバの障害時やメンテナンスの際に診療部門システムが停止してしまう点も改善したいと考えていました。」
拡張性でも課題を持っていたと語る。
「導入した後にリソースを追加することが難しいので、サーバやストレージを導入しても、『これだけしか使っていないの?』と、あまりリソースが活用されていないケースが多々ありました。」ネットワークについても、システム変更にともなう機器の購入や設定変更作業に費用や時間が掛かっていたと言う。
「そこで目を向けたのが『仮想化』でした。結果的に更改タイミングが重なったこともあり、仮想基盤とネットワークを意図して同じインテグレーターに依頼することにしました。仮想基盤と仮想・物理ネットワークの双方を管理することが効率的なインフラにつながると考えたのです。」
仮想環境とネットワーク双方に知見があるネットワンシステムズ
しかし、インテグレーター探しには苦労したと言う。仮想基盤とネットワーク双方で高度な技術を持つ企業はなかなかいなかったからだ。また、根本課題を考えてもらえることも重視したと言う。
「製品の詳細な解説も必要ですが、技術的に根拠のある回答を求めていました。仮想化は目的ではなく手段なんです。運用まで踏み込んだ提案が重要でした」
幾つかの企業を比較した結果、国保旭中央病院が選択したのはネットワンシステムズだった。
「将来を見据えた仮想環境を整えたいという希望に、最も寄り添っていただけました。仮想基盤とネットワーク双方の知見も豊富です。電子カルテ周りに強いベンダーは多いのですが、病院全体を見て対応してくれるインテグレーターだと感じました」
同病院では、ネットワンシステムズの支援の下、仮想化ソフト・運用ソフトを組み合わせた共通仮想基盤を構築した。仮想マシンの数で約400台と大規模な環境で、高い拡張性・運用性・セキュリティ対策を実現している。
利用したのは、Cisco UCSサーバ10台およびサーバ・ストレージ・ネットワークを仮想化するVMware vSphere、vSAN、NSXで仮想基盤を構築。また、仮想ネットワークや仮想基盤を可視化するVMware vRealize Network Insight、vRealize Operations、vRealize Log Insightによって、物理環境・仮想環境全体の運用も可能にした。院内ネットワークはコア・ディストリビューション・アクセスの3階層構成で、無線AP約500台という大規模なものだ。
"やりたいこと"が実現できるようになった
共通仮想基盤によって、"やりたいこと"が実現できるようになったと語る。
「まず、サーバの仮想化によって、診療部門システムとインフラを分離することができました。これによって、サーバの保守切れを気にせずに、診療部門システムを長く使い続けることができるようになりました。また、サーバ障害やメンテナンスの際にも、稼働し続けられるようになっています。」
柔軟性も高くなった。ストレージも仮想化しているので、簡単に容量が追加可能だ。導入当初に余裕を見る必要もないので、コストも最適化できている。また、仮想サーバのスクラップ&ビルドが容易なので、電子カルテ等の検証が簡単かつ綿密にできるようになった。
ネットワークの仮想化では、物理的に機器を購入したり、施工作業に時間を割くことなく、構成を柔軟・迅速に変更することができるようになった。それに加えて、今後のクラウド利用も視野に入れる構成がとれていると言う。
セキュリティも堅牢になったと語る。
「これまでは、各診療部門システムのインフラ単位での対策で、管理が大変でした。これらを共通の仮想基盤に統合したことで、セキュリティも統一して管理・強化できるようになりました。また、仮想ファイアウォールを各仮想マシンに適用することで、万が一の感染時にも被害が拡散しない仕組みが取れています。」
運用面でも大きく進化した。作業を自動化して、時系列で利用状況を可視化できるようになり、将来的にいつごろ追加のリソースが必要になるかも分かる。「一元的にサーバ・ネットワーク・ストレージを管理することで、『攻めの運用』が上手く実現できていると感じています。」と今回導入した基盤を評価している。
患者が常に診療を受けられる環境を守る
今後は、広域をカバーする大型病院だからこそ、大規模な災害時でも医療サービスを継続できる対策にも力を入れていきたいと語る。いつ何時でも患者が診療を受けられる状態を守る。「システムがダメだったから、では済まない」と責任の重さを語った。
「今後は、BCPのほかにもデスクトップの仮想化を目指しています。病院のICTは大規模ですが止めてはいけない。それぞれの分野に専門性を持って取り組まないといけません。大型化・細分化しても常に誰でも管理対応できる状態を作る。それは仮想化なら実現できるのです」
概要図

地方独立行政法人 総合病院 国保旭中央病院 様について
千葉県東部および茨城県南部をカバーする、地域医療の要となる国内有数の大型自治体病院。開設1953年、診療科目40科、病床数989床、職員数2,145名。
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