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テレメトリによる新たなネットワーク運用管理の潮流

匠コラム
監視/分析
ネットワーク

ビジネス推進本部 応用技術部
エンタープライズITチーム
田中 政満

ビジネスを取り巻く環境の変化と、ネットワーク運用の変革の必要性

IoTなどの加速により、ネットワークに接続されるデバイスの数は増加を続けており、それに伴いネットワーク自体の拡張性や信頼性は日々重要性を増してきています。
また日本国内に於いては働き方改革による「仕事の進め方」に大きな変化が生じており、多様な働き方を実現するデバイスとして、スマートデバイスを含む様々なデバイスを利用するシーンが増えています。そしてこれらのデバイスを有線LAN、無線LAN、リモートアクセス等様々な手段で企業のネットワークに接続する時代が到来しています。
これまでのネットワークでは、接続を行うスイッチや無線LANアクセスポイント、ルータ等は個別に設定・管理されるのが一般的であり、運用に関しても個別の機器の死活監視等を行うのが一般的でした。今日のビジネスに利用されるITシステムでは「連携」が当たり前になってきており、ネットワークに関してもその流れは同様です。これらの相互に連携したネットワーク基盤を旧来の手法で監視することは無理があり、ネットワークの運用に関しても働き方改革と同様に、大きく変革していく必要が生じています。

ネットワークの状態を把握するには

これまではネットワーク「機器」のみを監視の対象としていましたが、昨今ではネットワークのみならず、アプリケーションレイヤまで含めて総合的に状態を把握する必要があるアプリケーションが増えてきています。一例としては音声(VoIP)やシンクライアント等で利用されるVDI(Virtual Desktop Infrastructure)があります。これらはネットワークを経路に使うアプリケーションですが、トラブル時はネットワークの経路の問題なのか、アプリケーション(ソフトウェア)の問題なのか、はたまたサーバ側や送信側のチューニングによる問題なのか...等、考えられる障害ポイントが複数のレイヤにまたがっています。またこれらの性質を持つアプリケーションでよく陥りやすいのが「動作としては正常だがユーザビリティが低い」事象が起きることがある点が挙げられます。データ(音声、画面情報)の送信は問題なくできる、アプリケーションやサーバにも異常はないが、ユーザビリティが低い(音声品質が悪い、画面の表示が遅い等)のが特徴です。
これらの事象の解決を目指す場合、特定の機器やアプリケーションの解析を行うのでは原因が特定できないことも多く、多角的にトラブルの解析を行う必要があります。しかしながら、これらの解析を行うエンジニアには様々な種類の高度なスキルが求められるため、人材の確保も問題となります。またネットワークが大規模化するにつれ、その傾向はより大きいものとなります。
昨今ではこの現象を解決する方法として、効率よくネットワーク全体の状態の収集及び分析を行う手法が登場しています。ネットワークやクライアント、無線LANの環境やアプリケーション等の「稼働データ」を複数のネットワーク関連機器から収集し、一元化し分析することにより分析の補助とするものです。この稼働データは「テレメトリ」とも呼ばれます。

図1 テレメトリデータのやり取りイメージ

テレメトリ収集による総合的なネットワーク可視化と、可視化した先にある未来

テレメトリを活用することによりこれまでの機器個別での運用管理ではなく、複数機器が連携して実現している機能に関する可視化が可能になります。一例として、無線LAN環境でのVDI利用において、可視化できる情報としては以下のような物が挙げられます。

上記に限らず、様々な情報が「複数のテレメトリデータを総合的に分析」して得られ、これまで個別機器で管理・監視・障害対応をおこなっていたネットワークの運用と比較し、効率のよいネットワーク運用・迅速な障害対応が可能になります。
また分析データはこれまでの運用監視データと比較して膨大になる点を活かし、機械学習等を利用し、効率的なデータの分析を目指す製品も登場しています。Cisco社のDNA Center(※DNA=Digital Network Architecture)では、Machine Learning機能として受信したテレメトリデータをクラウドと連携し機械学習を用いて分析することで、従来の運用監視では行えない、障害の予兆を発見することを目指している製品になります。また将来的には、このDNA CenterではSDN技術と併用することにより、収集したテレメトリデータおよび機械学習で得られた結果を元に、ネットワークを自動で、かつ継続的に最適化処理を行う「フィードバック制御」を目指しており、これらの機能を統合することで、ネットワークが管理者の手を介することなく、自律的に動作するネットワークを目指して開発が行われています。今後の運用管理を担う製品はこのようなデータ分析を行う製品が増えていくと思われます。

図2 Cisco DNAの主な要素
図3 収集したテレメトリデータおよび機械学習で得られた結果を元にした
フィードバック制御イメージ

ネットワンシステムズでは、Cisco DNA Centerに関する評価検証、弊社内へのリファレンス導入を進めています。キャンパスSDNへの移行に関してご興味ございましたら、弊社営業までご連絡ください。

執筆者プロフィール

田中 政満

ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進本部 応用技術部 ENT ITチーム
所属
入社以来無線LANの製品担当SEとして製品や技術の調査、検証評価、及び、提案や導入を支援する業務に従事。
現在はキャンパスセキュリティや自動化に力を入れるなど、エンタープライズSDNのエンジニアとして邁進中。

以上

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