- ナレッジセンター
- デジタルイノベーション
未来の技術と共創の重要性を考える場に「ITvalue+ 2024」開催
2024年11月22日、弊社の新事業拠点である「イノベーションセンター(通称:netone valley)」にてオフラインイベント「ITvalue+ 2024」を開催いたしました。
ITvalue+ は、最新技術の最前線で活躍する方をお招きし、技術やビジネスにおける共創をテーマに様々な交流を目的として弊社が取り組む新しい試みです。第2回目となる今回は「業界を超えた共創の”リアル”」をテーマに、共創によりビジネスの拡大を進める2社の発表とパネルディスカッションを実施。イベント後半では、登壇者と参加者によるネットワーキングを行いました。その様子をレポートにて報告いたします。

未来の世界で生き残るには“共創”が不可欠である
プログラム冒頭では、オープニングトークとして弊社 ビジネス開発本部 イノベーション推進部 部長の井上直也が登壇しました。生成AIの普及も相まって、データ活用の重要性はさらに高まっています。現在問題視されているのは、2030年までにインターネット通信量は3倍になり、290億台のデバイスがネットワークに接続される一方、IT人材は79万人不足すると予測される「2030年問題」です。
不確実性が高い世の中において、来たる2030年に明るい未来を創造するにはどうすればいいのか。井上は、現在から2030年の展望を見据えることと、2040年以降の未来予測に基づいたバックキャスト思考が必要だと言及。そして、企業単独ではなく共創が不可欠であると説明しました。
ネットワンシステムズは、ネットワークの力で新たな世界を創造する「デジタルイノベーション」の実現を掲げています。その一環として、お客様のバリューとアセットを組みわせ、シナジーを生み出す共創プログラム「netone Co-Creation」を提供。netone valleyを通じて、共創による新たな競争力の創造を目指すと紹介しました。

プログラムでは、今回のテーマでありnetone valley運営の主旨でもある「共創」に関連する講演を行いました。株式会社トヨタシステムズ インフラ戦略推進室 主査 兼 サプライチェーン事業推進部 部長の上田雄一郎氏は、ICTインフラの未来像、特に2030年に向けた同社の取り組みについて講演いただきました。

2019年に設立されたトヨタシステムズは、トヨタ自動車の情報システム関連会社3社が合併して誕生しました。自動車業界は電動化、自動化、コネクテッド化といった大きな変化に直面しており、トヨタグループはマルチパス戦略とモビリティカンパニーへの変革を推進しています。
これらの変化に対応するため、トヨタシステムズはAI技術の活用、協業の推進、先端IT技術の導入、そしてIT人材不足への対策を掲げています。トヨタシステムズはある意味で、異なる専門分野の3社の“共創”によりトヨタグループのITの中核を担おうとしていることを話してくださいました。
株式会社オプテージ ソリューション事業推進本部 データセンタービジネス推進部 部長の中井義久様には、「交流が繋ぐビジネスコラボレーションの未来」をテーマに講演いただきました。オプテージは2026年1月、大阪コネクティビティ1(OC1)データセンターの開設を予定しています。同センターの目指す姿は、「国内外のさまざまな事業者が集う、新たなビジネス創出の場」です。海外の事業者とのコラボレーションも視野に入れ、オプテージではデータセンター関係者を中心に営業、技術、企画、総務部門合同の英語ミーティングを1年半継続しています。

同社は昨年開催の「ITvalue+ Fall 2023」にも参加。それがきっかけで生まれた協業の事例も紹介されました。中井氏は改めて、イベントへの参加やネットワーキングを通じて、ビジネスチャンスを創出することの重要性を強調。2030年ではなく「今から30年後の未来」を見据え、グローバルなコミュニケーションの実現、自然環境への配慮などに貢献したいという未来像を語りました。
プログラムの後半では、井上と上田氏、中井氏の3者によるパネルディスカッションを実施。「2030年を見据えた課題と、業界を超えた共創機会の創出」をテーマとして、2030年に創造したい未来、スタートアップや大企業との共創を成功させるポイントなどを議論しました。ディスカッションの後半では質疑応答も行い、協業におけるセキュリティの問題や地方の未来像など、さまざまな疑問に答えていきました。

新たな企業との出会いへの大きな期待〜登壇者様・参加者様より〜
登壇いただいたお二人よりコメントを頂戴しました。
上田様:
弊社は機能の異なる3つの会社がひとつとなり生まれた会社です。設立当初は仕事の進め方もバラバラの中、話し合いを通じて他部門の動きも理解できるようになりました。人と人とのコミュニケーションが成立するようになると、今度は会社としてやれること・考えられることが増えていきました。この変化を通じて、共創の大きな可能性を実感しました。
私自身、共創を目的としてこうしたネットワーキングの場に足を運ぶことはありませんでした。しかし、この「 ITvalue+ 2024」では、共創のタネとなりそうな企業様と交流することができました。こうした場だからこそ得られる出会いや気付きは十分にあると思いますので、また機会があれば参加したいと思います。

中井様:
この1年半、社内での英語研修や来日した顧客へのプレゼンテーションなどを通して、英語でのコミュニケーション能力向上に努めてきました。こうした共創に向けた取り組みは短期的に成果が出るとは限らず、社内での認知獲得という点でさまざまな苦労があります。しかし、複数のパートナー企業様との連携には、新たな視点やビジネスチャンスが生まれるメリットがあります。
昨年の「ITvalue+ Fall 2023」に続き、今回の「 ITvalue+ 2024」でもさまざまな企業様との出会いがありました。これらの出会いが今後のビジネスに繋がることを期待して、来年以降のイベントでも更なる成果を報告したいと思います。

他の参加者様からもさまざまなコメントを頂戴しました。
株式会社インターネットイニシアティブ パートナー事業部 第一営業部 副部長 田村真由子様:
今回のイベントでは、登壇者様のAI技術の導入に積極的である点が非常に印象的でした。講演の内容なども参考に、今後どのようにAIを取り入れていくかについては、積極的に社内で議論していきたいと思います。
未来に向けての共創というテーマについても、講演後のネットワーキングでは、新たな市場への進出にむけて有益な情報交換ができました。今後も、他の企業様との連携も視野に入れつつ、新たな取り組みを模索していきたいと考えています。

株式会社NTTフィールドテクノ ネットワークサービスオペレーションセンタ 担当部長 波岡誠様:
「IT Value+」に初めて参加しました。未来の技術と共創というテーマについて、特にトヨタシステムズ様の講演が印象的でした。どのような未来になるかを正確に想像することは困難ですが、AIをはじめとする新たな技術を駆使して、「どうやって実現していくか」を考える良い機会となりました。
ネットワーキングでも、未来の技術について多くの意見交換ができました。偶然にもオフィスが近い企業様と知り合うこともできたため、これから交流を深めていく予定です。

“共創”という原点に立って貢献したい〜
ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス開発本部 イノベーション推進部 部長 井上 直也より〜
最後に、ITvalue+ の責任者の井上からのコメントをご紹介いたします。
昨年行われたイベントでは、「データドリブンエンタープライズ」をキーワードに、最新技術動向を中心とした講演を開催しました。参加者様からは好評の声を頂戴する一方、netone valleyに求める価値はネットワーキングであるというフィードバックもいただきました。
そこで、今回の「ITvalue+ 2024」は2030年という未来の技術をテーマにしつつ、昨年以上にネットワーキングを重視した構成を意識しました。もともと、「ITvalue+」はお客様とnetone valleyを起点として、さまざまなつながりを創出することを目的としています。ある意味、イベント本来の姿に原点回帰したと言えるでしょう。
今回は参加者様の規模、開催時間ともにコンパクトながらコンパクトながらも濃密な交流が実現できたと感じています。参加者様には部門長・課長など決裁権を持つ方々が多いことにより、交流から具体的なアクションにつなげやすい環境を整えることができました。
今後の「ITvalue+」では、2030年やさらに未来の技術をテーマにしたいと考えています。短期的な利害関係に囚われない議論をできる場を用意して、多くの参加者様の共創に貢献できれば幸いです。
