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第1回Ciscoルータの変革、ネットワークへのやむなき挑戦①

匠コラム
クラウド
仮想化

ビジネス推進本部 第1応用技術部 コアネットワークチーム
横溝 直樹

1990年代中盤のインターネットの爆発的な普及から、接続される端末の変化や利用されるアプリケーションの増加、データセンターネットワークを活用したITインフラの変化により、WANとLANを繋ぐルータに求められる役割もこの数年間で大きな変化を遂げてきました。Cisco Systems社では、エンタープライズ向けルータにおいて、この変化の先を読み、常に新しいアーキテクチャや機能を提供してきました。
今回紹介するルータは、昨年度にリリースした新しいISR4000シリーズです。その特徴と強みについて説明するとともに、Ciscoルータを初期の頃から取り扱うネットワンシテムズが提供する付加価値も合わせてご紹介していきます。

Ciscoエンタープライズ向けルータの歴史
連載インデックス

ハイエンドルータに近いアーキテクチャへの変革

近年のエンタープライズ向けルータは、1Gbpsを提供するGigabit Ethernetインターフェイスを搭載するモデルが主流となってきました。ただし、ルータの処理は、ソフトウェアベースで行われるため、ルーティングの計算やQoS、IPsecなど、様々な機能を併用した場合、その転送能力は低下します。
今回リリースしたISR4000シリーズでは、この問題を解決するため、ハイエンドルータに近いアーキテクチャを採用し、コントロールプレーンとデータプレーンが分割されました。これは具体的にはルーティング処理やパケット転送を行うCPU(またはコア)を明確に分けたものとなります。さらに、データプレーンに搭載されたCPUはマルチコアとなっており、様々な機能の併用による性能低下への影響を減少させます。

ISR4400シリーズ アーキテクチャイメージ

コントロールプレーンとデータプレーンの分割による具体的なメリットは以下が挙げられます。
これらはいずれも従来までのエンタープライズ向けルータでは実現できなかった事です。

  • ルーティング計算の処理や管理通信過多によるCPU高負荷が発生した場合にもパケットドロップが発生しない
  • ネットワーク(パケット転送)が高負荷な状況においてもTelnetやSyslog出力などの機能を安定して提供できる
  • コントロール処理を考慮したサイジング・機器選定が不要

様々な機能・サービスを1台で実現!拡張性が向上した統合型サービスルータ

ISRシリーズと命名されるようになったISR G1シリーズから、スイッチング、セキュリティ、音声(ユニファイド・コミュニケーション)など様々な機能やサービスを提供してきました。ISR4000シリーズでもこのポリシーは引き継がれ、さらに上記で紹介したアーキテクチャの変革により、サービスの統合に伴う、スループットの低下を抑えることを実現しています。
また従来のモデルでは、アプリケーションを搭載するための専用サーバモジュールを搭載する必要がありましたが、コントロールプレーンに搭載されるCPUのコアを利用し、WAAS などのアプリケーションを動作させることも可能となり、統合型サービスを加速させています。このアーキテクチャを活用し、今後、組み込まれるアプリケーションの種類がさらに増加することを期待しています。

さらに、ISR4000シリーズでは、ルータが提供可能な最大性能をライセンスによりアップグレードすることが可能となりました。これにより、性能不足に伴う機器交換によるアップグレードではなく、同一筐体においてライセンスを購入することによる、パフォーマンスアップグレードが可能となりました。(※アップグレードできる帯域は各モデルで異なります。)

評価・検証部材の充実 @ ネットワンシステムズテクニカルセンター

ネットワンシステムズでは、ISR4000シリーズを早期に評価するため、ラボの評価・検証部材を充実させています。すでに購入した機器を利用し、基本機能評価、性能評価、新機能評価など様々な検証を順次開始しております。写真のように弊社ラボ内に設置されていますので、来社される際は、是非、実物をご覧いただければと思っています。

ISR4300 vs ISR G2(1900/2900) ※VPNスループット(双方向通信)

上記は弊社ラボで試験したIPsec VPN(1トンネル)機能利用時の性能測定試験の結果となります。
従来のISR G2シリーズ(C1900/2900)と比較して、同価格帯のISR4321/4331 の性能が大幅に向上していることがわかります。
また折れ線グラフの通り、ISR4300シリーズのCPU負荷はパケット長が大きくなるにつれて減少しており、上記のスループットを提供しつつ、他機能を併用する余力があることも確認できます。この空いたCPUリソースをどのように利用するかという点が、今後のエンタープライズ向けルータを選定する1つの方針となります。Netflowを用いたトラフィックの可視化やAVCを用いたアプリケーションレベルの帯域制御を実施する事も可能となります。

次回は、弊社ラボにて実施している性能測定試験結果に関して、より詳細なデータを中心に、実際に検証しているからこそ確認できた本製品の特徴・振る舞いについてご紹介します。さらに、ライセンスにより実際にパフォーマンスアップグレードを行った際の手順についても、TCO削減を実現するその機能と実行の簡単さをご紹介したいと思っていますので、ご期待ください。

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http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/routers/c4000isr/index.html

執筆者プロフィール

横溝 直樹
ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進本部 第1応用技術部 コアネットワークチーム
所属
ネットワンシステムズに新卒入社し、9年間主にシスコ社ルータ製品(ISR/ASR1000シリーズ)の担当として、評価・検証および様々な案件サポートに従事
ルータ製品(ルーティング、VPN、QoS等)
エンタープライズSDN/SD-WAN を促進させるため、シスコ社が推奨するIWANソリューションに関連する機能の評価、およびコントローラとなるPIとの連携検証を実施中

  • CCIE RS #46494
  • JNCIP-SP
  • BCVRP
  • 情報処理「ネットワークスペシャリスト」

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