「ふく電協フェア2026」において、自治体業務におけるtemiの活用可能性をテーマに展示を行いました。本展示では、窓口案内や多言語対応、入退室管理といった自治体の業務シーンを想定したデモを通じて、temiがどのような価値を提供できるのかを検証するとともに、自治体関係者の皆さまから率直なご意見をいただきました。
本記事では、展示内容や来場者の反応をご紹介しながら、自治体DXにおけるtemiの可能性についてご紹介します。
目次
はじめに
2026年7月30日、31日の2日間、福岡国際会議場で開催された「ふく電協フェア2026」に出展しました。
本記事では、ふく電協フェアの概要に加え、当社ブースで展示した内容や当日の様子、自治体関係者の皆さまからいただいた反応についてご紹介します。
ふく電協フェアとは
ふく電協フェアは、福岡県と県内市町村で構成される「ふくおか電子自治体共同運営協議会(ふく電協)」が主催する自治体向けの展示イベントです。自治体職員の皆さまが最新のICTソリューションやDX関連サービスを体験し、業務改善や住民サービスの向上につなげることを目的として開催されています。
開催ページ:「ふく電協フェア2026」を開催します! - 福岡県庁ホームページ
2026年は35団体・103製品が出展し、「庁内DX」「住民サービス・窓口DX」「ガバメントクラウド」「生成AI」など、自治体のデジタル化に関連する幅広いテーマが紹介されました。
ネットワンシステムズは、SCSK株式会社、株式会社ベリサーブと共同ブースを構え、自治体向けソリューションとして以下のサービスを展示しました。
- temi
- 本音がわかる AI×体験分析プラットフォーム「TERUS」
- SCSK自治体共創DX基盤
図1:展示ブース
本記事ではこの中からtemiの内容についてご紹介します。
temiとは
temi(テミ)とは、自律走行型のパーソナルアシスタントロボットです。自律走行機能と音声対話機能を備えており、案内や受付、巡回業務、遠隔コミュニケーションなど、さまざまな用途での活用が期待されています。
本体に内蔵されているLiDARやカメラなどのセンサーを用いて周囲の状況を認識し、事前に登録した地点への自律走行や人を追従して移動することができます。また、音声認識とAIを活用した対話機能により、利用者からの質問への回答や担当者への取次ぎなどにも対応可能です。
さらに、ディスプレイを活用した情報提供やビデオ通話による遠隔対応も可能であり、単なる案内ロボットにとどまらず、さまざまな業務を支援するプラットフォームとして利用することができます。

図2:temi本体
展示内容
temiをご紹介するにあたり、私たちは自治体に次のような課題やニーズがあるのではないかと考えました。
- 多言語での案内・コミュニケーションへの対応
- 案内の自動化と担当者による遠隔対応を通じた窓口業務の効率化
- 複数の関係者が出入りする特定区画の入退室管理
そこで今回の展示では、temiがこうした課題やニーズに対してどのような価値を提供できるのかを実際に体感いただくとともに、自治体関係者の皆さまがどのような点に関心を持たれるのかを確認することを目的として、3つのデモを実施しました。
① ボイスエージェント機能を活用した案内デモ
1つ目は、多言語での案内・コミュニケーションに対応するためのデモです。
来場者からの質問に対し、事前に登録した情報やインターネット上の情報をもとに、temiが音声で回答します。また、temiが職員に代わって案内をすることで、多言語に対応することが可能です。
当日は、以下のような案内を行いました。
- ふく電協フェアの概要案内
- ごみ出し日の確認
- 担当者への取次ぎ
このデモでは、窓口や受付で寄せられるよくある問い合わせに対し、temiが一次対応を行う運用を想定したデモを実施しました。来場者からの質問に対して音声で回答することで、受付業務の効率化や担当者の負担軽減につながる活用イメージをご紹介しました。
図3:展示デモ①ボイスエージェント機能を活用した案内デモ
② モニターを活用した案内パネルデモ
2つ目は、案内の自動化と担当者による遠隔対応を通じた窓口業務の効率化を想定したデモです。
temiのモニター上に表示されたパネルを来訪者が操作することで、必要な情報を取得したり、各種案内を受けることができます。
当日は、本機能を活用して以下のようなデモを実施しました。
- 登録地点への案内
- 担当者への連絡
音声による案内に加え、画面操作による案内を組み合わせたデモを実施しました。音声と画面の双方を活用することで、より分かりやすく情報を提供する活用例をご紹介しました。
図4:展示デモ②モニターを活用した案内パネルデモ
③顔認証と鍵の遠隔操作を組み合わせたデモ
3つ目は、複数の関係者が出入りする特定区画の入退室管理を想定したデモです。
temiで顔認証を行った利用者が音声で操作を指示し、鍵の開閉を遠隔で行うデモを実施しました。
本デモでは、受付でのアポイント確認やサーバールームの入退室管理などのシーンを想定し、利用者の本人確認から設備操作までを一連の流れで実現する活用例をご紹介しました。
図5:展示デモ③顔認証と鍵の遠隔操作を組み合わせたデモ
当日の反応
temiの動きや案内の様子をご覧いただく中で、来場者の皆さまからは、実際の業務をイメージしながら、具体的なユースケースについてご意見をいただく場面が多くありました。
当日いただいたコメントの中で多く寄せられた項目を3つご紹介します。
- 庁舎内の総合案内・窓口業務への活用
来庁者への一次案内や担当窓口への誘導をtemiが担うことで、職員の案内業務を効率化できるのではないかという声がありました。
いただいたコメント:
「現在は職員が交代で総合案内を担当しているため、一次案内を任せられると負担を減らせそう」
「窓口を完全に無人化すると不安になる住民がいるため、代わりにtemiが置けると良い」 - 施設案内や受付業務の効率化
公共施設の利用案内や予約受付、鍵の受け渡し、施設内の誘導など、受付業務と組み合わせた活用にも関心が寄せられました。
寄せられたコメント:
「施設の予約に来た方への案内から鍵の受け渡しまで、受付業務を効率化できるとよい」
「特定の部屋や館内設備まで案内してもらえると、職員がその都度対応する必要がなくなりそう」 - 多言語対応・案内の充実
外国語でのコミュニケーションに加え、手続きに必要な書類まで案内できると、来庁者の利便性がさらに高まるというご意見もいただきました。
寄せられたコメント:
「現在は翻訳端末を使って対応している。多言語で窓口を案内できると助かる」
「窓口の場所だけでなく、手続きに必要な書類まで案内できると、より実用的だと思う」
一方で、ネットワーク環境や情報管理、既存システムとの連携など、導入前に確認すべき課題についても率直なご意見をいただきました。今回いただいたご意見は、temiを実際の業務に無理なく組み込んでいくための重要な示唆であり、今後の提案やユースケース検討に活かしていきたいと考えています。
まとめ
本イベントを通じて、単にロボットとしての新しさに関心を持っていただくだけでなく、受付や案内、取次ぎといった日常業務の中でどのように活用できるかをイメージしながらご覧いただけたことは、今回の展示における大きな成果の一つでした。
こうしたご意見を通じて、temiを現場でより効果的に活用していただくためには、単体での利用にとどまらず、周辺システムとの連携や複数台運用を前提としたユースケースの検討が重要であることを改めて実感しました。
また、自治体DXが進む中で、単に新しい技術を導入するだけではなく、実際の業務フローや来庁者対応に適した形で運用設計することの重要性を改めて認識しました。
今後は今回いただいたご意見をもとに、temiを活用した自治体向けのソリューションの提案をさらに強化していきたいと思います。
ネットワンシステムズでは、temiをはじめとする先端技術の検証・研究を進め、お客様により高い価値を実感いただける体験の提供に取り組んでいます。
本記事でご紹介したデモについても、イノベーションセンターにてご覧いただくことが可能です。
「自分たちの施設でも活用してみたい」「こんな使い方もできるのではないか」とお感じになった方は、ぜひイノベーションセンターへお越しください。
お客様と共創しながら活用方法を検討し、一定期間で導入効果を検証いただくPoCのご支援も行っています。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。
最後に、ブースへお立ち寄りいただいた皆さま、貴重なご意見をお寄せいただいた自治体関係者の皆さま、ならびに本イベントの開催・運営にご尽力いただいた関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。
組織・製品等の名称は執筆時点のものです。


