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その4. GIGAスクール構想「タブレット充電保管キャビネット」輪番充電について②

ライター:阿部 豊彦
経歴:エンタープライズ系インフラの提案、設計、構築や、SDN提案、
工場IoTネットワークやセキュリティのコンサルなどを担当。
ファシリティ、インフラ、セキュリティなどボーダーレスです。
昨年末から文教フィールドへ参入。

目次

<ご参考>
【仕様について】その1. GIGAスクール構想「タブレット充電保管キャビネット」についてまとめてみました
【仕様について】その2. GIGAスクール構想「タブレット充電保管キャビネット」についてまとめてみました

本記事では、その3.に続き充電機能の緊急対応(教室のBCP/DR)についてまとめています。

== 輪番方式のまとめ表 ==

== 輪番方式の動作概要図 ==

参考:キャビネット導入直後は、クランプ型電流ロガーなどを設置して電流値を監視することをお勧めします。

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【輪番充電利用例】

例えば、最大500mAのタブレット30台を、44台収容できるキャビネットに収容した場合。

 1.「電源タップ タイマー」2輪番

均等にタブレットを電源タップに接続した場合、7.5A(最小値)
偏ってタブレットを電源タップに接続した場合、11A(最大値 22コンセント/8コンセント)

1輪番:3時間とすると、6時間で充電終了。電流は大きいが、短時間で完了できる。

 2.「電源タップ タイマー」4輪番

均等にタブレットを電源タップに接続した場合、4A(最小値)
偏ってタブレットを電源タップに接続した場合、5.5A(最大値 11コンセント/他19コンセント)

1輪番:3時間とすると、12時間で充電終了。電流は小さいが、長時間かけて完了する。

 3.「コンセント群」監視輪番

学校コンセント:5A と設定すると、計算からコンセント群:10コンセントで構成。(3輪番で1巡)

均等にタブレットを電源タップに接続した場合、5A
偏ってタブレットを電源タップに接続した場合、5A

変わらない。正味2.5時間で充電できるタブレットであれば、7.5時間で充電終了
5Aで問題が発生すれば4Aなどに変更可能、8Aで問題なければもっと早く充電を完了できる。
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== 輪番方式と充電電流例まとめ ==

*「コンセント群」監視輪番 8A 設定のように、5時間まで短縮できれば、19~24時の教室と0~5時の教室に分けて、さらに学校全体で電気利用の平準化が可能となります。

■実際のキャビネット製品例

キャビネット製品は、様々なメーカから製造販売されています。多くはタイマー輪番方式です。

== 実際のキャビネット製品例 ==

*それぞれのメーカの輪番機能は、スイッチ押すだけで自動化されたもの、定期的に充電状況をスキャンするもの、タイマー設定時間の柔軟性、開始タイマー有無、緊急充電(短時間均等充電)、収容できるタブレット数、キャビネットの移動/固定など細かく異なります。

*ライオン事務機の輪番方式「スイッチバック充電方式」は実用新案登録済み。
・22台収容キャスタ付きキャビネット、12台/24台収容卓上キャビネットを販売(本ブログ執筆時)。
・急速充電(約80%まで)を全タブレットに行い、次に残りの緩速充電を全タブレットに行う。
・昼休み1時間での全タブレットへの均等な輪番充電を行う。(BCP/DR)

■まとめ

タブレットが消費する電流抑制の必要性を通して、さまざまな角度から「キャビネット」を検討でき、それぞれに最善策を考えることが可能です。ただ現実的には、すべてが最善な製品は存在しません。これは前編と同じです。

「電源タップタイマー輪番方式」の場合、常にタブレットが4つ(2つ)の電源タップに均等に接続されるとは限りません。一つの電源タップに多くのタブレットが接続される偏った状況で、4輪番(2輪番)をする最大電流値を想定して検討すべきでしょう。
電源工事ができない上にどの程度電流を流せるかわからない場合は、「コンセント群 監視輪番方式」を選択するしかありません。

以上

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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