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Nutanix Marketplaceで実現するシンプルなKubernetes環境構築

Nutanix Kubernetes Platform™(NKP)を Nutanix Marketplace™(Marketplace) から GUIベースでデプロイした際の体験をもとに、事前準備のポイントや、CLI構築との違い、Marketplace ならではの手軽さについて紹介します。
ライター:田村 仁一
インフラSEとしてサーバー設計、構築、運用保守などを経験。
2019年にネットワン入社後、仮想化製品担当としてVMware WorkspaceONEの技術検証、案件支援に従事。
現在はNutanix社の仮想化製品の導入を推進。
保有資格:
Nutanix Certified Services - Multicloud Infrastructure Master
VMware Certified Master Specialist - Digital Workspace 2020

目次

はじめに

私自身、これまでCLIベースでKubernetes環境を構築する機会がありましたが、実際にはクラスタを作成する前段階の準備に多くの時間を費やしていました。
特に踏み台サーバーの構築では、OSの準備に加え、CLIツールや必要パッケージのインストール、鍵の配置、ネットワーク到達性の確認など、さまざまな作業が発生します。一つひとつは大きな負担ではないものの、積み重なることで相応の工数が必要になります。

一方、NKPではMarketplaceを利用することで、GUIベースでデプロイを進めることが可能になっています。CLI中心の構築と比べて、事前準備にかかる負担を大幅に軽減できます。

本記事では、Marketplaceを利用してNKPを展開した際に感じたメリットと、構築時に押さえておきたいポイントをご紹介します。

デプロイ前に準備しておきたいこと

Marketplace から NKP をデプロイする場合、事前にノード用OSイメージ(qcow2形式)を Prism Central™ にアップロードしておく必要があります。

このイメージは、NKPのコントロールプレーンおよびワーカーノードとして展開される仮想マシンのベースイメージとなります。

ここで、一つ注意しておきたいポイントがあります。Marketplace経由のデプロイでは、利用者側でインストールするNKPのバージョンを任意に指定することができません。Marketplaceで提供されているバージョンが、そのままデプロイ対象となります。そのため、事前準備としては以下の流れで進めることが重要です。

  • Marketplace で提供されている NKP のバージョンを確認する
  • そのバージョンに対応したノード用 OS イメージ(qcow2)を取得する
  • Prism CentralのImages 機能を通じてイメージをアップロードする

対応するqcow2イメージがPrism Centralに登録されていない場合、デプロイウィザードのイメージ選択画面に表示されません。そのため、事前にMarketplaceで提供されているNKPのバージョンを確認し、対応するqcow2イメージをアップロードしておく必要があります。

なお、Marketplace 経由のデプロイでは Airgap バンドルファイルの取得やコピーといった作業は不要です。必要な構成要素は Marketplace 側で管理されているため、利用者が実施する事前準備を最小限に抑えることができます。

Nutanix MarketplaceからNKPをデプロイする

  • Prism Central:バージョン pc.7.5.0.6
  • Nutanix Kubernetes Platform:バージョン 2.16.0

Prism CentralのAdmin CenterからMarketplaceを開くと、利用可能なアプリケーションの一覧が表示されます。そこからNKPを選択すると、提供されているバージョン情報を確認できるほか、デプロイウィザードを起動してデプロイを開始できます。
従来のCLI中心の構築とは異なり、画面上で必要な設定を入力しながらデプロイを進められるため、Kubernetesに初めて触れる方でも比較的スムーズに環境構築へ取り組める印象を受けました。

ウィザード形式で設定を進められる

以下のようなイメージで必要な設定はウィザードに沿って入力を進めることができます。

CLIベースの構築では、まず踏み台サーバーの準備として以下のような作業が必要になります。

  • OSのセットアップ
  • CLIツール(nkpコマンドなど)のインストール
  • 必要なパッケージや依存関係の導入
  • 認証情報や鍵の配置
  • Prism Centralや各種エンドポイントへの到達性確認

これらを整えた上で、クラスタ作成のためのパラメータを事前に整理し、環境変数やコマンドオプションとして指定していきます。CLIによる構築は非常に柔軟ですが、以下の情報を事前に把握しておく必要があります。

  • どの情報が必要なのか
  • どの値をどこへ設定するのか
  • どの環境で実行するのか

一方、Marketplace を利用する場合は、こうした踏み台構築や CLI 環境の準備が不要です。普段利用しているPrism Centralの画面から、ウィザードに沿って必要な設定を入力していくだけで構築を進められます。入力すべき項目が画面上に整理されているため、設定漏れを防ぎながら構築を進めやすいと感じました。

ストレージやネットワーク設定もGUIから設定可能

ストレージコンテナの設定や、ネットワークなどの必要な設定の入力を進めます。

レジストリに関する設定も同様にGUI上から実施できます。

今回のデプロイでは、レジストリの設定項目は入力せずに、Nutanix Marketplaceで提供される内部レジストリ(Internal Local Registry)を自動的に利用する形で構築を行いました。

外部レジストリを構築・指定することも可能ですが、今回のように特に外部レジストリを用意しなくても構築を進められる点は、初めて NKP に触れる際のハードルを下げてくれる要素だと感じました。

もちろん、要件によっては外部レジストリの利用が前提となるケースもありますが、必要な設定項目が画面上に整理されているため、外部レジストリを利用する場合でも、利用者が構成を把握しながら設定を進められる点は大きなメリットだと感じました。

デプロイ完了後はすぐに利用を開始できる

以下がデプロイ完了時のイメージです。

デプロイが完了すると、Prism CentralのMy Apps からNKPにアクセスできます。

ダッシュボードのリンクよりNKP UIを起動できます(ユーザID、パスワードも確認可能)

前の画面で提供されたユーザー・パスワードを入力してログインします。

ダッシュボードでは、クラスタの状況やリソースの利用状態をGUIで確認することが可能です。

Kubernetes クラスタのライフサイクル管理や運用を、普段使い慣れた Nutanix の管理画面から実施できる点も NKP の魅力の一つです。

まとめ

NKPを Nutanix Marketplaceから導入して感じた最大のメリットは、Kubernetes 環境構築のハードルを大きく下げられることです。

CLIベースの構築でも同様の環境を実現できますが、その前段として踏み台サーバーの準備や CLI ツールのインストール、バンドルファイルの取得・配置などが必要になり、実際にクラスタを作成する前の段階で相応の時間を要します。

一方、Marketplaceを利用することで、事前準備は Marketplace で提供されているNKPバージョンに対応したノード OS イメージ(qcow2)をPrism Centralにアップロードしておく程度に抑えられ、必要な設定項目が整理されたウィザードに沿って構築を進められます。

今回のデプロイでは外部レジストリを構築・指定することなく、内部レジストリを自動的に利用する形で構築できたことも、体感的な手軽さにつながったポイントでした。
特に以下の点は、これからKubernetesに取り組む方にとって大きなメリットになるかと思います。

  • 踏み台サーバーやCLI環境の準備が不要
  • バンドルファイルの取得や配置が不要
  • 外部レジストリを別途構築しなくても構築を進められる
  • 必要な設定項目を把握しやすい
  • GUIベースで導入できる

Kubernetes環境の構築そのものが目的ではなく、その上でアプリケーションやAI基盤を活用して価値を生み出すことが本来の目的です。Nutanix Marketplaceを活用することで、インフラ構築にかかる負荷を抑えながら、より早くその先の活用フェーズへ進めることができます。NKPは複数クラスタの統合管理や、ライフサイクル管理(LCM)を含むDay2運用の効率化も特長のひとつとして位置付けられています。

今回はデプロイ体験にフォーカスしましたが、運用面については引き続き検証を進め、別の機会に紹介したいと考えています。

ネットワンシステムズでは、今後もNutanix Cloud Platform™を始めとした、最適な仮想化インフラ基盤の構築、運用をご支援いたします。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。
組織・製品等の名称は執筆時点のものです。

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