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AIでサクッと構築!FortiGate設定の未来「FortiAI-Assistant」を体験してみた

FortiOS 8.0.0からFortiGateで利用可能となったFortiAI-Assistantを実機で検証。自然言語による設定やトラブルシューティング支援の実力と、運用効率化への効果を分かりやすく解説します。
ライター:佐藤 周磨
ネットワンシステムズに入社以来、セキュリティエンジニアとしてNGFW/UTMを中心に各メーカ製品の評価・検証・技術サポート業務に従事。

目次

FortiAI-Assistantとは

「Fortinet製品の設定、毎回コマンド調べるの面倒だな…」
そんな悩みを解決してくれるのが、今回紹介する「FortiAI-Assistant」です。自然言語で話すだけで、設定やトラブルシューティングをアシストしてくれます。

FortiAI-Assistantは、Fortinet社製の各プロダクトのGUIから利用可能なAI搭載のチャットボット機能です。各製品に組み込まれたAIアシスタントが各製品の設定情報と大規模言語モデル(LLM)にアクセスすることで、自然言語による設定やトラブルシューティングの補助を行います。2024年7月にリリースされたFortiOS 7.6では、FortiAnalyzerとFortiManagerでのFortiAI-Assistantの機能提供が先行して始まりました。

参考:FortiAnalyzer 7.6.0 > New Features > FortiAI
参考:FortiManager 7.6.0 > New Features > FortiAI

FortiAnalyzerは、FortiGateなどのデバイスから収集したログを分析し、レポート生成やインシデント対応の自動化を行うプロダクトです。SOC運用者はFortiAI-Assistantを活用することで、インシデントの対応にかかる負担を軽減することが可能です。

参考:FortiAIで始める"会話型ログ運用" FortiAnalyzerで実行した6つのクエスト
参考:FortiAI example tasks | FortiAnalyzer 8.0.0

FortiManagerは、FortiGateやFortiSwitch/APなどのコンフィグ管理やゼロタッチプロビジョニングを行うプロダクトです。NOC運用者はFortiAI-Assistantを活用することで、ネットワークトラブルの原因究明やFortinet製品の設定管理にかかる負担を軽減することが可能です。

参考:FortiAI example tasks | FortiManager 8.0.0

FortiAI-Assistantが組み込まれる製品は今後も拡充される見込みです。

FortiOS 8.0.0からFortiGateでも解禁

FortiGateは、アプリケーションレベルでのアクセス制御や侵入防御(IPS)が可能なFortinet社製の次世代ファイアウォール(NGFW)であり、Webフィルタリングやアンチウイルスなども1台でこなす非常に多機能な統合脅威管理(UTM)ソリューションです。さらに、SD-WANの分野でも市場で最も競争力のある製品の1つであり、FortiGateを導入することで様々な場面でセキュアにネットワーク構築が可能です。

これまでFortiAnalyzerとFortiManagerで機能提供されていたFortiAI-Assistantですが、2026年4月にリリースされたFortiOS 8.0.0からは、FortiGateでも利用できるようになりました。主な利用条件は以下の通りです。

  • FortiOSバージョンが8.0.0であること。
  • FortiGateのRAMサイズが2GBを超えるモデルであること。
  • 利用可能な大規模言語モデルにアクセスできること。

参考:FortiAI assistant and CLI Code Lab | FortiGate/FortiOS 8.0.0

AIプロバイダーとしては、「FortiAI」と「OpenAI」を選択することが可能で、機能利用にはFortiGateがインターネット経由で各AIプロバイダーが提供するLLM基盤へアクセスできることが求められます。

AIプロバイダーとして「FortiAI」を選択する場合は、決められたトークン数までは追加ライセンスなしで利用可能で、トークン使用量は月ごとにリセットされます。ライセンス購入によって、1か月あたりのトークン数を増やすことは可能で、追加されたトークンは同じFortiCloudアカウントに登録されている全てのFortiGateで共有されます。

まずは挨拶してみる

では、さっそくFortiAI-AssistantをFortiGateで使ってみます。今回はRAMサイズが2GBを超えるハードウェアアプライアンス(FortiGate-90G)を用意しました。まずは、FortiAI-Assistantが利用できるFortiOS 8.0.0にバージョンアップしていきます(7.6.6→8.0.0)。

FortiOS 8.0.0にバージョンアップすると、GUIにFortiAI-Assistantのアイコンが出てきました。ここで少し脱線ですが、このアイコンがプリントされたTシャツ(AI BOT T Shirt)はFortinet Online Storeで購入できます(2026/6/8現在)。筆者は2枚持っています(笑)。

参考:Fortinet Online Store

アイコンを選択すると、AIプロバイダーの選択画面が出てくるので、今回は「FortiAI」を選択します。後からAIプロバイダーを変更することができるので、トークン数が足りなくなった時やセカンドオピニオンが欲しい時などに切り替えても良いかもしれません。なお、「OpenAI」を選択する場合は、OpenAIアカウントを作成のうえ、API Key、Project ID(任意)、Organization ID(任意)をご準備ください。

AIチャットボット機能が使えるようになったので、まずは軽く様子を見るために、「こんにちは」と話しかけてみました。トークン数がもったいないのでこのくらいにして、さっそくFortiGateの初期構築とトラブルシューティングをアシストしてもらいましょう。

FortiGateの構築を手伝ってもらう

FortiAI-Assistantとの自然言語のやりとりを通じて、FortiGateの基本的な設定やトラブルシューティング、現状の設定に対するレーティングなどを行っていきます。今回は、FortiGateのGUIやCLIを初めて見る方でも設定ができるのかという観点で試してみました。

インターフェースを設定してみる

はじめに、インターフェースのIPアドレスを設定してみます。「port2のIPアドレスとして、192.168.1.1/24を設定してください。」と設定したい内容を自然言語で指示すると、対応するCLIコマンドを提示してくれました。GUIでの設定箇所やFortiOSのCLIコマンドを知らないFortiGate初心者の方にとっては、設定方法の調査にかかる時間が大幅に削減されることが期待されます。問題が無ければ、提示されたCLIコマンドを実行します。

なお、IPアドレスなどの情報はマスクされた状態で、クラウドのLLMサーバに送信されます。チャットにもIPアドレスをマスクしたことを意味するマークが付いていますね。

参考:FortiAI data privacy

   

最後に、「本当に実行していいか」の確認があります。手動で微調整もできるので、安心ですね。変更をコミットして設定完了です。その後GUIでも該当箇所を確認しましたが、意図通り設定されていました。

抽象的な要望を伝えてみる

次に、「デフォルトルートを設定したいです。」と抽象的に実現したいことを伝えてみます。どのように対応してくれるのでしょうか。

ネクストホップアドレスや発信インターフェースなど、特に言及していない項目についても、CLIでの設定箇所を変数化して教えてくれました。設定後の確認コマンドまで教えてくれています。とても実用的な補助をしてくれますね。

トラブルシューティングをしてみる

構築を進めていく中で、上手くいかない時も出てくると思います。ここでは、FortiGateに管理アクセスできないシナリオを想定して、「FortiGateにSSHで接続できません。原因は何ですか?」と聞いてみました。

ドキュメントベースで考えられる原因と実際のログを考慮した回答を返してくれました。考えられる原因を3つ提示してくれていますが、レイヤの低いところから順番に並べてくれるところが実務的にありがたいポイントですね。

実際の設定を確認してもらうために「wan1で管理アクセス(SSH)は許可されていますか?」と聞いてみました。過去のシステムイベントログを参照して原因を突き止めてくれました。トラブルの原因究明と解決の際に、FortiAI-Assistantが心強い味方になりそうですね。

注意点として、FortiGateに搭載されるFortiAI-Assistantは、あくまでもそのFortiGateの設定やログ分析をアシストするものであり、他のFortiGateのコンフィグやログは考慮できません。「複数のFortiGateのコンフィグを一括でFortiAI-Assistantに見てもらいたい」という場合や、「複数のFortiGateから収集したログを一気にFortiAI-Assistantに分析してもらいたい」という場合は、FortiManagerやFortiAnalyzerに組み込まれたFortiAI-Assistantが必要になります。中~大規模なネットワーク環境では、FortiManagerとFortiAnalyzerの導入をおすすめします。

まとめ

当然ではありますが、汎用的な生成AIよりもFortiGate/FortiOSのことをより理解している点と、実際の機器の設定情報やログにアクセスできる点がFortiAI-Assistantのメリットです。FortiGate/FortiOSに最適化されたAIアシスタントであるため、提示してくるアドバイスやCLIコマンドの正確性は非常に高く、ハルシネーションが少ない印象です。

最終的には人間の判断が必要ですし、判断するためにはFortiGate/FortiOSに対する知識が求められますが、FortiAI-Assistantを使うことによって構築やトラブルシューティングにかかる作業工数は減らせると言えるでしょう。

「設定作業やトラブルシューティングに時間を取られている」
そんな方は、一度触ってみてはいかがでしょうか。

今回は、FortiAI-Assistantを触ってみた結果をお伝えしました。AI関連技術を含め、弊社では最新の技術トレンドを日々追っています。ぜひ、未来のICTインフラ構築を弊社にご相談ください。

最後に余談です。FortiAI-Assistantは多言語に対応しています。特に追加の設定は不要で、こちらの言語に合わせて回答してくれました。試しに、ドイツ語で挨拶してみました。

※FortiGate-90GおよびFortiOS 8.0.0での検証結果を載せています。仕様や表記はモデルやFortiOSバージョンによって異なる可能性がありますのでご了承ください。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。
組織・製品等の名称は執筆時点のものです。

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