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第4回Cisco D-1グランプリに参加してみた -メンバーインタビュー編-

ネットワンシステムズ株式会社およびネットワンパートナーズ株式会社のメンバーが応募した作品が、シスコシステムズ合同会社主催の「Cisco Developer-1(略称:D-1)グランプリ(※)」にて、審査員特別賞を受賞しました。
(※)Cisco 製品のプログラマビリティや他のアプリケーションとの連携によって新しい価値を創造し、社会やビジネスに貢献できる作品を発表するコンテスト。


本作品は、弊社イノベーションセンターを拠点に、企画から設計・開発までを一貫して行ったものであり、「少子高齢化・労働力不足」や「AI と人間の共存・倫理問題」といった社会課題に対し、Webex とロボットを組み合わせることで、地方教育における教育機会の損失にアプローチする内容となっています。
本記事では、開発メンバーへのインタビューを通じて、プロジェクトの背景や取り組みの過程を振り返ります。
チームメンバーは以下の通りです。

多様なバックグラウンドを持つメンバーが、それぞれの強みを活かしながら一丸となって課題に挑みました。

目次

地方教育×AI倫理――D-1グランプリ受賞作品が生まれるまで

竹野:本グランプリでは、「グリーン、GX、サステナビリティ」「少子高齢化・労働力不足」「災害対策・支援」「サイバーセキュリティ」「AIと人間の共存・倫理問題」の5つのテーマの中から、いずれかを選択して作品を提出することが求められました。多様な社会課題が提示される中で、「少子高齢化・労働力不足」「AIと人間の共存・倫理問題」を選択した理由について教えてください。

吉川:今回、私たちが「少子高齢化・労働力不足」と「AIと人間の共存・倫理問題」というテーマを選んだ背景には、社会の根幹に関わる課題への強い関心と、ICTを通じた貢献の可能性を感じたことがあります。

まず、「少子高齢化」について調査を進める中で、特に地域社会における教育格差が深刻化していることが分かりました。未来を担う子どもたちにとって教育は非常に重要であり、我々が提供する最先端のICTを活用することで、住んでいる地域や環境に左右されない学びの機会を提供できるのではないかと考えました。

また、AIの活用が急速に進む中で、「AIをどう使うか」だけでなく、「AIをどう守るか」という視点の重要性が高まってきています。AIと人間が共存する社会において、倫理的な配慮や安全性の確保は欠かせないテーマです。

昨今トレンドとなっているAIに対する考え方を、単なる技術的な関心から一段階引き上げ、社会的・倫理的な視点を含めて捉え直したいという思いもありました。

このような背景から、私たちはこの2つのテーマを選び、社会に対してより深い価値を提供できるような挑戦をしたいと考えました。

竹野:調査を進めていく中で分かった「地方における教育格差の深刻化」の解決策として最先端のICTを活用する一方で、AI技術の倫理的な側面にも配慮したテーマ選定を行いました。
このテーマに至るまでには、さまざまな視点から思考を重ね、本作品の発表に至ったと理解しています。
今回のアイディエーションにおいて、特に苦労された点はありますか?

加藤:アイディエーションで最も難しかったのは、「本当に解くべき課題は何か」を見極めることでした。

当初は、地方教育の課題として複式学級による学力低下を想定していましたが、実際に現場に詳しい方にヒアリングを行ったところ、複式学級ではインプットと自習のサイクルがうまく機能し、むしろ学力が高い傾向にあることが分かりました。

外から見ると“課題らしく”見えるものが、現場では必ずしも課題ではない——そのギャップに気づけたことは非常に大きな収穫でした。

一次情報に勝るものはなく、実際に現場の声を聞くことで、本当に困っているポイントが見え、アプローチ自体を組み直すことができました。仮説に固執せず、早期に検証する柔軟さの重要性を痛感しました。

竹野:現場の声を聞くことでよりリアルな課題に気づくことができ、実際のアイデアの発想に活かせたのは、アプローチの質を高めるうえで、非常に重要なプロセスだったと思います。

現場に寄り添う設計――使いやすさと学びの質を両立する工夫

前章で紹介したテーマ選定・アイディエーションを経て開発された作品が「遠隔教育支援ソリューション」です。

本作品は、2つの機能に分かれており、地方教育の課題に多面的にアプローチしています。

  • 遠隔授業支援機能(Webexとロボットの連携による臨場感ある授業の実現)
  • 授業アーカイブ機能(録画・要約・AIチャットによる復習支援)

機能の詳細については後日公開予定の「第 4 回 Cisco D-1 グランプリに参加してみた -成果物紹介編- 」にて、紹介します。ご興味がある方は併せてご確認ください。

ここからは作品を設計・開発していく中で、こだわったポイントや工夫について伺います。

竹野:作品を作成する中で操作性や導入のしやすさの面で、設計時に意識したことを教えてください。

織原:設計にあたっては、導入によって先生方の業務負荷がかえって増えるような仕組みは避け、誰でも簡単に使いこなせるシンプルで直感的な操作性を重視しました。

また、どこからでもアクセスできるように主要コンポーネントをクラウド上に配置し、環境構築や運用の手間を最小限に抑えました。授業映像のアーカイブ化や文字起こし、AIチャットによるQ&A機能では、生徒が自ら考え、学びを深められるような体験を重視しています。

さらに、授業空間を可視化する2Dマップの作成には多くの工夫と試行錯誤を重ね、見た目のわかりやすさと操作のしやすさを両立させました。こうした設計思想により、先生と生徒の双方にとって負担が少なく、学びの質を高める教育支援プラットフォームを目指しました。

竹野:まさに、現場で使われることを前提にした設計ですね。
ボタン一つで授業環境が整う仕組みや、クラウド活用による運用負荷の軽減など、先生方の業務に自然に馴染むような設計は、導入後の定着にもつながると思います。
また、生徒が自ら学びを深められるような体験設計や、2Dマップによる空間の可視化など、こだわりが感じられる内容でした。 このようなこだわりはGUI・機能面にも表れているかと感じられます。GUIや機能の開発について、工夫した部分はありますか。

加藤:GUIと機能面では、とにかくユーザーを迷わせないことを重視しました。例えばエラー時には技術的なメッセージをそのまま出さず、「何が起きているか」の一言説明と「次に何をすればいいか」の具体的な指示を同じ画面に示す構成にしています。原因の推測や設定画面の行き来をユーザーに委ねないことで、ストレスを減らし自己解決しやすい体験を目指しました。
操作面でも、日々の利用負担を最小化する工夫を入れています。遠隔授業への接続・解除は主要動線上にわかりやすく配置し、できるだけ少ない操作で自動接続・自動解除まで完了できるように設計・開発しました。やりたいことをワンクリックで達成できること、今どの状態にあるのかが直感的にわかることを優先しています。
一方で、管理系の機能はまだ道半ばです。今後は、授業後の振り返りを支える機能や利用実績を管理する機能の充実を視野に入れています。

教育の未来を支えるしくみ――ICT教育支援の実証と展望

竹野:ここからは、開発した作品の今後の展開について伺っていきたいと思います。今後、この取り組みをどのように発展させていきたいと考えていますか?

塩屋:今回、地域の中学校をターゲットにしていましたが、新しい学びのカタチのはじめの一歩だと考えています。
2030
年代での新しい学習指導要領の改訂に向けた議論では、「予測困難な時代を生きる子どもたちには、生きて働く確かな知識の習得やみずから学びに向かう力、それに生成AIなどのデジタル技術の進展に対応する情報活用能力の育成が必要」と示されています。
これはまさに、本ソリューションのコンセプトが目指す方向性と一致しており、実現可能な内容です。
今後は、ユーザインタビューを踏まえ、テストマーケティングを本格的に始動していくかを検討していきたいと考えています。まずはパイロット的に導入を進めながら有効性を検証し、次のステップでは、現場に即した課題感などの洗い出し、技術面や運用面の最適化を図ります。最終的には、このモデルを、ほかの地域や全国へと段階的に展開していきたいと考えています。

竹野:今回の取り組みは、地域の中学校を対象にした「新しい学びのカタチ」として、意義深い一歩だったと感じています。
実際に現場の声を聞くことで、よりリアルな課題に気づき、そこからアイデアが生まれたことは非常に大きな意味がありました。
特に、教育DX戦略アドバイザーの平井先生には、現場のリアルな状況を丁寧にヒアリングさせていただき、大変貴重な示唆をいただきました。
この取り組みが、ICTを活用した新しい学びの実現に向けた、確かな一歩となることを期待しています。

ネットワンではデジタルイノベーションとして、共創の取り組みを進めています。

デジタルイノベーション
https://www.netone.co.jp/digital-innovation/

弊社の取り組みにご興味がありましたら、担当営業までお声掛けください。
ご覧いただきありがとうございました。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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