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第3回Catalyst Meraki D-1グランプリに参加してみた -メンバーインタビュ-編-

ネットワンシステムズ株式会社&ネットワンパートナーズ株式会社のメンバーによる応募作品「ネットワンMERAスクール」が、シスコシステムズ合同会社主催の「 Catalyst Meraki Developer-1(略称:D-1)グランプリ(※)」にて優勝しました。

弊社のイノベーションセンターを拠点にアイデアの企画・設計・開発を行い、「教育・労働改革」をテーマに、タブレットをつかって教員の1日をサポートするソリューション「ネットワンMERAスクール」を開発しました。
本記事ではインタビュー形式で活動を振り返ります。

吉川 和也

ネットワンパートナーズ(株)
セールスエンジニアリング部

塩屋 晶子

ネットワンシステムズ(株)
ビジネス開発本部
イノベーション推進部

猪子 亮

ネットワンシステムズ(株)
ビジネス開発本部
イノベーション推進部

竹野 織

ネットワンシステムズ(株)
ビジネス開発本部
イノベーション推進部

石橋 茉奈実 (インタビュアー)

ネットワンシステムズ(株)
ビジネス開発本部
イノベーション推進部

DX 化を推進するなかで Meraki および Catalyst 製品のプログラマビリティや、他のアプリケーションとの連携による、新しい価値を創出する作品を作成・発表するコンテスト

目次

アイディエーション:
教員の負担を軽減し、本来の業務にゆとりをもって向き合える環境を提案することで、児童にとっても安全で快適な環境を実現したい。

-- 今回のD1グランプリでは指定された5つのテーマ「グリーン、GX、サステナビリティ」「少子化対策・高齢化対策」「災害対策・支援」「サイバーセキュリティ」「教育・労働改革」がありました。様々なテーマがあるなかで、なぜ教育・労働改革に着目したのでしょうか?

吉川: チームメンバーで関心のあるニュースや出来事を話し合う中で、教育現場には様々な課題があることが見えてきたことがきっかけです。定額はたらかせ放題というキーワードを耳にしたり、学校で問題が起こるたびに教員が責められる状況も気がかりに感じていました。また、企業では予算を付け、働き方改革やDXが進んでいるところも多いですが、教育業界ではまだまだ手作業や人に依存した業務が多く、自動化や役割分担が後回しとなり教員一人ひとりの努力で成り立っている部分が大きいように見えました。雑多な校務から教員たちの負担を減らし、本来の業務にゆとりをもって向き合える環境を提案することで、自分たちの子供にとっても安全で快適な環境で学んでほしいという思いが強かったです。

-- 学校のIT活用による業務改善はさまざまなアプローチが考えられます。そのなかでも、教員、そして校務サポートにアプローチしたのはなぜですか。アイディエーションの様子なども踏まえて教えてください。

塩屋: 学校・教員・児童・学校関係者・教育委員会・保護者等、ステークホルダーも多く、特に多くのアイデアが出てきた「教育・労働改革」にテーマを絞り、それぞれの持つ課題を出していきました。課題から、対象となるペルソナ・ソリューション案と、更なる議論を深めていきましたが、学校を取り巻く課題は非常に多岐にわたることもわかり、どの課題に着目すべきか選定に苦労したため、教員をしている家族・友人にヒアリングをすることで、リアルな様子を把握しました。

ヒアリングを通じて、教員が大切にしたい業務、教員が対応しなくてもいい業務等がわかり、教員の負荷を下げる仕組みが必要であるという方針から、教員を支援できる「AIのバーチャルアシスタント」を軸にアイデアを整理しなおしました。

<画像:アイディエーションに使用したホワイトボード>

開発:
検証と修正による精度の向上への取り組み

-- 様々な議論を経て、教員の校務をサポートするAIのバーチャルアシスタントというコンセプト、さらには「MERA」というソリューションが生まれました。MERAの機能について教えてください。

猪子: 「MERA スクールエンジン」を使って「AI のバーチャルアシスタント」であるMERA が教員の一日をサポートするソリューションです。
MERA スクールエンジンは校内に設置されたカメラやセンサー類からデータを収集し、分析を行います。分析結果をもとにダッシュボード画面を通してMERA が教員をサポートします。教員はタブレットを使用してアクセスすることを想定しました。

--これらの開発はどのように行われましたか?

竹野:  イノベーションセンター(netone valley)にある検証部材を使って検証を行いました。転倒検知機能については、実際にイノベーションセンター施設内に点在しているMeraki Cameraを使って転倒時の映像データを取得し、Meraki Camera純正の機能による座標データの分析結果を確認しました。検証の結果、転倒時の状態だと人として認識しづらい状態になることが判明したため、DeepStreamによる分析に切り替えるなどの対応を行うことができました。

--他のソリューションの開発はいかがでしたか?

猪子:プール監視の機能については、昨今のプールの注水停止忘れによる損害を解決するソリューションを検討した際、設備に大きな変更が必要なものだと導入の敷居が高くなると考え、まずは気軽に現在のプールの状態を確認できるようにする方向で開発を進めました。
プールの注水がどのような操作で行われるか調べたところ、制御盤にあるセレクタスイッチによって操作する設備もあることが分かりました。このセレクタスイッチを撮影した画像を生成AI を使ってスイッチの状態を判定させることで、注水状態を判断する実装になりました。セレクタスイッチの状態を画像分析で判断することができるのか不安でしたが、問題なく判別されて安心しました。検証を進める中で、より正確な判定のためスイッチ付近に文字を書いたテプラを貼ろうなど、より具体的な使用方法に近づけることができました。

今後の展望:「School for the future」地域コミュニティや生活としての空間という観点でのアイデア拡張

--最後になりますが、今後の展望について教えてください。

竹野: 今後の展望としては、更なる機能拡張を行いたいと考えています。限られた時間の中での実装を行うため、開発のスコープを絞り、実装まで至らなかった機能があるため、それらの実装を進めることで更に効果的な作品にしたいです。
また、文部科学省の「School for the Future」という構想では、未来思考で学校施設全体を学びの場として捉えなおすという考え方のもと既存の施設構成の固定観念を脱し、より生活・共創に結び付いた空間の実現が検討されています。今後はこの考え方に沿って、地域コミュニティや生活としての空間という観点のアイデアとしても幅を広げ、未来の学びの実現を見据えた機能へ幅を広げていきたいと思っています。

ソリューションの詳細はこちらの記事で紹介しています。

開発詳細編リンク

ネットワンではデジタルイノベーションとして共創の取り組みを進めています。

デジタルイノベーション
https://www.netone.co.jp/digital-innovation/

弊社の取り組みにご興味があれば、是非お声掛けください。
最後までご覧いただきありがとうございました。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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