
皆さん、こんにちは。
ネットワンシステムズの吉田です。
今回は、IT設備のサステナビリティを支援するネットワンの「energy board」サービスのご紹介です。
energy board サービスとは
カーボンニュートラルを目指す企業にとって、持続可能な経営を実現するための重要な指標を一元管理することは不可欠です。そして、それらの指標を視覚的に把握することで、戦略的な判断が可能になります。
ネットワンの energy board サービスは、データセンターやサーバールームのメトリックをリアルタイムに計測し、ダッシュボードでの可視化やモニタリングを可能にして、企業のIT設備のサステナビリティへの取り組みを支援するソリューションです。

energy boardを導入することで以下のようなメリットがあります。
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データの一元化
energy board を導入することで、電力使用量などのデータを一元管理することが可能です。これにより、データの断片化や重複を防ぎ、統一された情報を基にした戦略的な判断が行えます。 -
詳細でリアルタイムなモニタリング
energy board はリアルタイムなモニタリングを実現します。経営陣は常に最新の情報を把握し、現在の進捗状況や課題を的確に把握できます。ラック内のコンセントレベルで取得される電力量データにはラック名や接続機器情報、自由に設定可能なユーザタグでラベリングが可能で、詳細な分析が可能になります。 -
カスタマイズ可能なダッシュボード
経営陣が重視する指標は企業によって異なります。energy boardではユーザーが自由に設定できるダッシュボードが提供されます。重要な指標を簡単な操作で選択し、直感的に分かりやすく可視化することが可能です。
弊社データセンターでの実証実験
電力消費量昨年度比 -10%を達成
弊社の検証データセンターでは増大する電力使用量がコスト面・環境面で課題となっておりました。しかし、各ラックに配置されている機器を誰がどのような目的で使用しているのかという情報が電力使用量データに紐づいておらず、効果的な対策が立てられずにいました。
そこで現在は、energy boardによって各コンセント毎にデータをラベリングすることでラック情報や設置機器の用途などの情報と電力使用量を紐づけてモニタリングし、消費電力や利用率を特定した上で、機器の交換・停止や再配置などの施策を検討しています。
これらの施策により、今年度の実績で電力消費量前年度比 -10%という成果を達成しています。
KPI管理機能: 取組のパフォーマンスを可視化
ネットワン energy boardに新しく追加された「KPI管理機能」は、わずかなステップで簡単にセットアップが可能であり、エグゼクティブが必要とする様々な指標をダッシュボード上に提示してくれる機能です。
これにより、サステナビリティの取り組みのパフォーマンスを一目で評価し、目標に向けての戦略的な意思決定を可能にします。
KPI管理機能のセットアップ方法はとても簡単です。設定する指標や目標値などを選択するだけで、数分で完了します。手間のかかる設定作業を軽減し、すぐに利用できるようになります。
設定項目は大きく2種類あります。
- KGI(重要目標達成指標)
年間の累計電力消費量、またはCO2排出量の上限を目標値として設定します。 - KPI(重要評価指標)
KGI目標値を達成するために監視するべきターゲットのデータを定義し、月毎の電力消費量、またはCO2排出量の上限を目標値として設定します。
まず、KGIとして年間の累計電力使用量またはCO2排出量を設定し、目標値などのいくつかのパラメータを入力します。
これらの設定だけで、現在の累計や先月の電力使用量(またはCO2排出量)、各月毎の値や平均値などの数値がダッシュボード上に表示されます。
KGIが登録できたら、次に、その目標値を達成するために必要な施策を検討します。
今回は例として、「『zone1』、『zone2』というタグをつけたサーバの電力量を削減する」という施策を想定しています。
上記のような施策を立てた場合、その施策の効果が出ているかを評価するために、その施策によって削減されると想定される指標値をKPIとして定義します。その際、データをフィルタリングする条件として、データに付与されるユーザタグや、ラック名、接続機器のカテゴリなどのラベル情報を使用できます。

KPIを登録すると、KPIとして定義したデータの先月値および目標値とのギャップや、全体に占める割合などがダッシュボード上に表示されます。

どうやらZone1に関しては、設定した目標値を超過しているようです。
このような場合は、現在の施策の見直しや、追加の施策の検討が必要になる可能性があります。
このように、KPI管理機能を使用することで、簡単なステップですぐに使えるダッシュボードを作成できます。
まとめ
企業は常にデータドリブン(客観的なデータに基づいて意思決定する)の必要があり、これはサステナビリティの取り組みにおいても同様です。
energy board の新しいKPI管理機能を利用することで、企業は明確な目標に向かって進み、社会責任への取り組みを進展させます。
カーボンニュートラルな未来の実現に向けて、energy boardを活用してみませんか?
- ライター:吉田 将大
- システムインテグレータでソフトウェア開発業務を経験した後、2018年にネットワンシステムズに入社。
前職での経験を活かした開発案件の支援や、データ分析基盤製品・パブリッククラウドの導入を支援する業務に従事。
保有資格: AWS認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナル
目次
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。