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増え続ける運用負荷を減らしたい... カギになるのは「統合監視」!

この記事のポイント
マルチクラウドとオンプレによる複雑化した現代のIT 環境における・・・

  • 運用負荷の低減
  • 障害対応の迅速化
  • 「統合監視」 (オブザーバビリティ)
ライター:猪子 亮
2019年ネットワンシステムズに新卒入社。

社内/外 向けサービス開発、事業部門の支援などを行っています。
主にWeb アプリケーションのフロントエンド、バックエンド開発(オンプレ/AWS)。

他には社内の自動化推進(Ansible)、業務改善活動、開発エンジニア育成などに取り組んでいます。

目次

1. はじめに

1.1. 運用負荷が増大する現代の複雑なIT環境

現代のIT環境は複雑化しています。

マルチクラウドとオンプレミス(オンプレ) 環境の併用は、柔軟性と効率性を追求する企業にとって当然の選択となっています。

しかし、その複雑性は運用負荷を増大させ、IT部門が直面する課題も多くなっています。

障害発生時の迅速な対応、複数環境に散らばるリソースの一元管理、セキュリティ確保といった要素は、日々の業務を圧迫しており、ITエンジニアが本来手がけるべき他の価値を生み出す業務にまで手が回らない状況が生まれています。

1.2. 統合監視を用いて、リスクを最小限に抑える方法

この記事では、そうした課題を解決するための「統合監視」の重要性と、それを用いて運用リスクを最小限に抑える具体的な手法について解説します。

統合監視を正しく導入・運用することで、マルチクラウドとオンプレ環境における運用負荷を大幅に削減できます。

具体的には、障害発生時の迅速な対応、運用工数の削減、そして業績改善まで、統合監視がどのように業務に貢献するのかを具体例と共に紹介します。

この記事を読むことで、以下のような疑問や課題を解消するための知見が得られます。

  • マルチクラウドとオンプレの運用管理にどれだけの工数がかかっているのか?
  • 障害が発生したとき、どれだけ迅速に対応できるのか?
  • 運用負荷をどうやって軽減することができるのか?

2. 運用負荷の現状

2.1. マルチクラウド、オンプレ環境での運用負荷の問題

多くの企業がマルチクラウドを導入する背景には、ビジネスニーズへの迅速な対応や業務効率の向上があります。

しかし、それぞれの環境に独自の管理ツールやプロセスが存在することで、運用が複雑化しています。

マルチクラウドの場合、AWSAzureGCPといった異なるクラウドサービスにまたがるリソースを一元管理するのは容易なことではありません。

一方で、従来からのオンプレ環境では、物理的なハードウェア資産とその運用、保守が問題となります。

2.2 運用負荷がもたらすリスク

このような状況下での高い運用負荷は、多くのリスクをもたらします。

  • コスト: システムごとの専門的なスキルが求められるため、人件費が増加する。
  • 効率性の低下: 一元管理が難しくなることで、作業の重複や手作業が増え、効率が低下する。
  • 障害対応の遅延: 複数の環境とその管理ツールを把握する必要があり、障害切り分けに時間がかかった結果、対応が遅くなる。

特に障害が発生した場合、速やかな対応が求められますが、複雑な運用環境ではその対応も困難になり、ビジネスに大きな影響を与える可能性があります。

3. マルチクラウドとオンプレの一元管理
(統合監視) の重要性

3.1. 統合監視の定義とそのメリット、デメリット

統合監視とは、複数の異なる環境やシステムを一つの管理画面やフレームワークで制御することを指します。

具体的には、マルチクラウド環境でのAWS、Azure、GCPなど、またオンプレ環境といったそれぞれのリソースを一つのインターフェースで管理することができます。

統合監視の主なメリット は以下の通りです。

  • 効率性: 一つの画面で全てを把握できるため、作業効率が大幅に向上する。
  • コスト削減: 複数の管理ツールやライセンスが不要になり、経済的なメリットを享受できる可能性がある。
  • 柔軟性: 異なる環境での運用ルールやポリシーも一元管理することで、環境ごとの柔軟な設定が可能。

一方で、注意すべき点もあります。

  • 依存リスク: 一つのシステムに依存することで、そのシステムがダウンした場合に全体が影響を受ける可能性がある。
  • 導入の難易度: 異なる環境やシステムを一つで管理するため、導入初期には設定や移行が複雑になることが多い。
  • コストの前倒し: 初期投資が大きくなる場合があり、短期間でのリターン(投資回収) が見込めないこともある。

3.2. 統合監視が運用負荷をどのように軽減するか

統合監視を導入することで、以下のように運用負荷を軽減できます。

  • 迅速な障害対応: 統合監視によって、何がどこで起きたのかをすぐに把握でき、障害の早期解決が可能になる。
  • 自動化と効率化: よく使う作業手順を自動化することが容易になり、手作業によるミスやタイムロスを削減できる。
  • 可視性の向上: システム全体の状態を一覧できるため、無駄なリソースを削減し、必要なリソースに対する投資判断が容易になる。

4. 運用負荷を軽減する具体的なステップ

4.1. 統合監視をどのように始めるか?

統合監視を導入する最初のステップは、他のツール選定と同様に、選定基準を明確にすることです。

以下は選定する際の考慮すべき観点の例です。

  • 拡張性: 今後のビジネス拡大を見据え、スケーラビリティがあるものを選びましょう。
  • 互換性: 既存のシステムやツールとの互換性が高いものを選ぶと、導入がスムーズです。
  • 費用対効果: ライセンス費用や運用コストを考慮し、総合的なコストパフォーマンスが高いものを選びます。

4.2. 障害対応の具体例

もし障害が発生した場合は、以下のステップで対応します。

  1. 障害発生箇所の特定: 統合監視のダッシュボードで障害発生箇所速やかに特定します。
  2. 原因分析: 過去のデータやログを用いて、障害の原因を分析します。
  3. 対策実施: 必要な復旧作業や設定変更を行います。
  4. フィードバックループ: 障害を受けての改善点をフィードバックし、再発防止に繋げます。

5. 工数削減とその他メリット

5.1. 統合監視による工数の削減例

統合監視を導入することで、複数のプラットフォームに対する監視やメンテナンス作業が集約されます。

これにより、システム毎の異なるプラットフォームを横断して行っていた作業を
1つのプラットフォームに統合 することができ、工数が削減されます。

例えば・・・

  • アラート管理: 単一のダッシュボードで全てのアラートを管理できるため、それぞれのプラットフォームで別々に確認する必要がなくなります。
  • ログ分析: 統合監視により、ログを一箇所で一括分析できるため、ログ分析に要する時間が大幅に削減されます。

しかし、初期設定やこれまでのツールからの移行による手順の確立などの観点で、一時的な工数増加は考慮する必要があります。

5.2. その他のメリット(セキュリティ向上、業績改善など)

統合監視には工数削減以外にも多くのメリットがあります。

  • セキュリティ向上: 統合監視により、セキュリティに関する情報も統合できます。これにより、セキュリティレベルの向上も期待できます。
  • 業績改善: 運用効率が向上することで、それに連動して業績も改善する可能性が高まります。
    例えば、迅速な障害対応によって、ダウンタイムを削減し、顧客満足度を上げることができるかもしれません。

6. まとめ

この記事では、マルチクラウドとオンプレ環境での運用課題と、その解決手法について解説しました。

特に、統合監視の導入によって運用負荷を軽減し、工数を削減する方法に焦点を当てました。

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※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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