
目次
先日より、数回にわたってクラウド型の仮想デスクトップの記事を書いてきました。
特定ベンダを推さない日記:仮想デスクトップ編(その1)
特定ベンダを推さない日記:仮想デスクトップ編(その2)
特定ベンダを推さない日記:仮想デスクトップ編(その3)
特定ベンダを推さない日記:仮想デスクトップ編(その4)
特定ベンダを推さない日記:仮想デスクトップ編(その5)
その1では、WVDが注目された背景、その2&その3では機能面の差や注意が必要なポイント、そして、その4&その5ではコスト、工期、可用性の実態を、それぞれご紹介しました。
クラウド型って、結局どうなのよ?
クラウド型の仮想デスクトップサービスは、オンプレ型の仮想デスクトップシステムから完全に置き換えられる上位互換な仕組みなのか、というと「否」と考えます。
クラウド型の最大の強みは、なんといっても、スケールアウト・スケールインの柔軟性です。
予算的に許される範囲で、必要な時は必要な分までVDIマシンを増やし、不要になったら削除することができる、という使い方ができる点が、オンプレのようなリソースに天井がある仕組みと比べた時の最大の優位点でしょう。
メインのワークスペースとなるには道は遠い
これまで見てきた特性を踏まえると、クラウド型の仮想デスクトップサービスは、いま起きているコロナ禍や、台風や地震などの大規模自然災害時などに備えておく非常用のシステムとしての使い方が、現状では一番適しているのではないでしょうか。
クラウド型の仮想デスクトップサービスが普段使いのワークスペースとして普及するには、紙文化からの脱却(印刷トラフィックの削減)、5Gの普及(画面転送の遅延の解消)、Web会議システムとの親和性の向上、従量課金であることによる予算計上の困難性の解決、など様々な技術的、制度的な課題を乗り越えていく必要があるのではないでしょうか。
自治体セキュリティクラウドにおける「仮想デスクトップ」の選択肢
最後に自治体関係者の方々に向けて、セキュリティクラウドにおける仮想デスクトップ(というか仮想ワークスペース)の選択肢を整理したいと思います。
仮想ワークスペースの選択肢
- オンプレ型の仮想デスクトップ(RDSH方式、VDI方式)
- クラウド型の仮想デスクトップ(RDSH方式、VDI方式、WVD方式)
- 仮想ブラウザ方式(画面転送型、Web無害化型)
- アプリケーションラッピング方式
- ゼロトラストセキュリティ(IDaaS+SASE+EDRなど)
上記の1と2については、運用サービスが最も重要なポイントです。弊社でも自社を実験台としたナレッジをベースにした運用サービスをご提供しております。ご検討の際には、選択肢に加えて頂ければと思います。
WSI運用サービス
https://www.netone.co.jp/service/lifecycle/wsi/
また、3と4、つまり仮想デスクトップの代替ソリューションについては、Netone Blogの以下の記事で解説をしています。
第1回:テレワーク & Web分離のいろいろな方式(テレワーク編)
第2回:テレワーク & Web分離のいろいろな方式(Web分離編)
第3回:テレワーク & Web分離のいろいろな方式(ポイント整理編)
第1回:仮想ブラウザ方式の製品選定ポイント(機能編)
第2回:仮想ブラウザ方式の製品選定ポイント(性能編)
5については余談ですが、VMworld2020にて、VMware社とMenlo Security社の協業ソリューションが発表されましたね。VMwareもVDI以外の選択肢として、仮想ブラウザ(Webブラウザ分離)を取り込んできました。
VMware Blog 「VMWorld 2020 : Network & Security まとめ」
https://blogs.vmware.com/vmware-japan/2020/10/vmworld2020-network-security-wrapup.html
ご不明点や、詳しい情報をご所望の場合は、以下のお問い合わせフォームまたは、弊社の担当営業までご連絡頂ければと思います。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。