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次世代AR技術:TeamViewer Frontlineによる業務効率化とデータドリブン

TeamViewer による業務効率化とデータドリブンの実現をテーマに記載しています。

前回のBlogの続編になります。

ライター:上野 寛登
スマートグラス・ロボット・データ分析などを担当
現場業務の効率化を実現するため、各種ソリューションをご紹介しております。

目次

はじめに

近年、企業におけるデータ活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は非常に重要なテーマとなっています。しかし、運用技術(OT)の現場では、DXの進展がまだ十分ではないのが実情です。

では、どのようなツールが現場業務の効率化を実現し、現場の負担を軽減できるのでしょうか。
今回は「TeamViewer Frontline」を活用した、現場のデータドリブンについてご紹介していきたいと思います。

データドリブンとは

データドリブンとは「データに基づいて意思決定を行う」というアプローチのことを指し、直感や経験だけに頼るのではなく、データ分析とデータから得られる洞察を活用して意思決定を行うことを指します。

例えば、製造現場のデータドリブンの例として、データを活用した品質管理などがあげられます。製造ラインから収集されたデータを分析して、製品の品質に影響を与える要因を特定し、その情報をもとに、プロセスの改善や不良品の削減を図ります。

このようなアプローチを取るためには、意思決定に必要な現場のデータを、正しく収集する必要性があります。「TeamViewer Frontline」では、スマートグラスを装着した現場作業員から様々なデータを収集することができます。

TeamViewer Frontlineとは

「TeamViewer Frontline」では、大きく二つの機能が使用可能です。これらの機能をシームレスに使用することができるため、現場業務の効率化を実現できます。

  • デジタル手順書:スマートグラス上のディスプレイにマニュアルを表示する機能

  • リモートアシスト:遠隔地のエキスパートと、現場の作業員を繋げるMTG機能

デジタル手順書は、作業員がマニュアルを見ながらハンズフリーで作業することを実現するツールです。マニュアルの中で「動画、写真、音声、テキスト」などのデータを表示させ、マニュアルを見ながら作業するができます。また一連のマニュアルのフローの中で「データ収集」をすることもできます。例えば「動画撮影、写真撮影、音声録画、音声テキスト変換」が可能で、作業中の証跡を残すことができます。それらを活用して分析を行い、現場の意思決定を支援することができます。

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リモートアシストは、作業者が作業を進める中で困った際に、いつでも遠隔地のエキスパートに通話できる機能です。このオプションを、作業の中に組み込んでおくことで、作業遅延を防止し、作業効率を高めることができます。

これらの機能について、実際のユースケースベースでご紹介していきます。TeamViewer の基本的な機能については、こちらの記事をご参照ください。

TeamViewer Frontlineのデモ動画はこちらから確認できます。

TeamViewer Frontline:データ収集と効果

TeamViewer Frontlineのデジタル手順書は、ただのマニュアルではありません。このツールは、作業指示を視覚的に確認するだけでなく、作業過程で得られる様々な形式のデータを自動的に収集する機能を備えています。

例えば、作業中に撮影された写真や動画、音声メモ、テキスト入力はすべてデジタルアセットとして蓄積され、後から容易にアクセスできるようになります。さらに、各作業ステップにかかる時間も自動で記録され、作業の効率化を図るための貴重なデータが取得可能です。つまり「誰が、どこで、何を、どれくらいしているのか」作業中のあらゆるデータを取得することができるわけです。

「製造、鉄道、IT」業界における「データ取集と効果」をご紹介していきます。

デモ動画はこちらです。「音声による作業状況の入力」と「STTによるメモ」



製造業における具体的な活用例と効果

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活用例

  • データ収集:作業者がデジタル手順書を見ながら組み立て工程を進める際、ある工程の証跡を残すため、デジタル手順書上での動画撮影や音声録画を行い、特定のステップでの問題点や改善点を即座に記録。(※取得したデータはこちらのように確認できます)
  • 時間の数値化:各ステップの作業時間が自動で記録され、作業に要する平均時間やバリエーションを明確に把握。(下の図をご覧ください)

効果

  • 作業効率の向上:作業にかかる時間のデータを基に、プロセスの最適化を図り、非効率なステップを改善。
  • 品質の向上:問題が発生した際の写真や動画を分析し、品質管理の精度を高める。
  • 教育とトレーニングの改善:実際の作業データを基にしたトレーニング資料を作成しトレーニングで活用することで、新入社員や未熟練の作業者の教育効率を向上。

これらの収集データをBIツールで可視化・分析することで、さらに作業プロセスのボトルネックの特定や最適な作業フローの設計、教育プログラムなどに活用することができます。

鉄道業界における具体的な活用例と効果

活用例

  • データ収集:鉄道路線や鉄道車両の保守作業中に、作業者がデジタル手順書を参照しながら、必要な検査や修理を実施。その過程で、検査結果の写真撮影や問題箇所の動画記録、音声によるコメント入力を行い証跡を残す。「誰が、どこで、何を、どれくらいしているのか」把握。
  • 時間の数値化:保守作業の各ステップにかかる時間を自動記録し、作業の効率化と計画の最適化に役立てる。取得したデータを活用し、保守作業の品質と速度を向上させると共に、新入社員や経験の浅い技術者への教育資料として利用し、作業の質を均一化。

効果

  • 作業の効率化:定期的な保守作業や緊急時の対応の質を高め、業務効率化を実現。取得したデータを用いて、人材の最適配置、作業のボトルネックの特定。
  • トレーニングの強化:実際の作業データ(動画、写真、音声、テキスト)を用いて、保守作業員のトレーニングプログラムを改善。

IT業界における具体的な活用例と効果

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活用例

  • データ収集: IT技術者がオンサイトでのトラブルシューティングや設定作業を行う際、デジタル手順書を通じて、作業手順や作業方法、チェックリストを確認。例えば、その過程で発生したNW機器のエラーや、ポート差し替え位置、ケーブルの状態を「動画・写真」で記録。各ステップの作業時間の取得。エキスパートの作業方法を動画撮影しナレッジ化。デモ動画はこちらになります。(スマートグラスのデジタル手順書)
  • 時間の数値化: ITプロジェクトの各フェーズでの作業時間を記録し、プロジェクトの進捗状況とタイムラインを正確に把握。

効果

  • 問題解決とナレッジ蓄積: デジタル手順書を利用した情報共有により、問題解決のスピードと品質を向上。経験豊富な技術者の知識をデジタル化し、組織全体でのナレッジ共有を促進。
  • プロジェクト効率の向上: 詳細な作業記録と時間管理により、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握。遅延のリスクを最小限に抑え、プロジェクト管理を最適化。
  • 継続的な学習とスキル向上: プロジェクトやサポート作業から得られたデータをトレーニング資料として活用し、ITスタッフのスキル向上と知識の更新を支援。

TeamViewer Frontline:リモートアシスト

加えて作業中に困った際には、シームレスにリモートアシスト機能を活用することが出来ます。作業員とエキスパートを繋ぎ、困りごとをスマートグラス上のカメラを通して、エキスパートに転送することができます。つまり、作業員と同じ視点で作業をサポートできるわけです。

また、エキスパート側でURLを発行することでライセンスのない方にもMTGに参加してもらい、大規模にMTGを行うこともできます。TeamViewer Frontlineは、このようにデータ収集をしつつ、現場の作業を効率化できるソリューションとなっています。

デモ動画はこちらになります。(リモートアシスト)

導入のメリットと実装のポイント

TeamViewer FrontlineのAR技術を導入することで、企業は以下のようなメリットを享受できます:

  • コスト削減:効率的な作業プロセスの手順書化、リモートアシスタンスによる、旅費やトレーニングコストを削減
  • 人員の最適化:リアルタイムに状況を把握することで、効率的な人員配置を実現
  • 顧客満足度の向上:迅速に問題解決することで、エンドユーザーの満足度を高める
  • 課題の特定:現場から取得したあらゆるデータを分析し、業務内のボトルネックを特定

以上のように「業務効率化」と「現場のデータ活用」の両面で効果を出していくことができます。

収集したデータを活用しデータドリブンを実現

TeamViewer Frontlineによるデータの収集は、企業が直面する課題への対応だけでなく、戦略的な意思決定プロセスにおいても重要な役割を果たします。

収集したデータを活用することで、企業は製品の品質向上、生産性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上など、多方面にわたるアクションを起こすことが可能になります。

BIツールを使用したデータ分析例は、次号で掲載する予定です。

結論

TeamViewer FrontlineのAR技術は、企業がデジタルトランスフォーメーションを加速させる上で非常に有効なツールです。

この技術を活用することで、業務プロセスの効率化、コスト削減、競争力の向上など、多くのメリットを実現することが可能です。

「スマートグラスを用いたVR, MR, ARとデータ活用」についても記事を掲載しております。もしご興味がありましたら、ご覧ください。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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