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スマートグラスでの遠隔支援ソリューションとビデオ会議システムとの違い

ライター:池田 健敏
ネットワンシステムズに新卒入社し、データ活用の取り組みとしてAI/IoTの技術の検証/ソリューション開発に従事しております。
データ収集、可視化、データハンドリング基盤の導入支援や顧客データの分析支援を行っております。

目次

はじめに

昨今、コロナ禍において、スマートグラス市場急激に動き始めています。テレワークが進み、オフィスや現場に訪れる回数が必然的に少なくなりつつあるため、出社、出張せずに遠隔地にある支援側が現場の映像を見ながら指示、確認することが求められてきています。

特に日本各地に拠点や、海外拠点を持っている業種からは非常に注目度が高く、活用事例としては下記のようなケースがあります。
 ・マニュアル、指示書、手順書、チェックシート、図面などの紙媒体で行っていた従来業務のデジタル化
 ・ベテラン作業者のノウハウをデータ化、他メンバーへ横展開することで一定の技術水準を確保
 ・AR、MR技術の活用による、よりリアル業務に近いトレーニングの実現による早期人材育成
 ・作業ログや映像・画像データを活用した、作業報告書の自動作成や作業工程の調査
 ・本社/地方拠点/海外工場などの離れた拠点間における、映像や音声を通したリモートでの作業支援や業務指示

スマートグラスでの遠隔支援と既存ビデオ会議システムとの違い

既存のビデオ会議システムをスマートグラスで利用できるようになってきました。しかし、ビデオ会議システムは “コミュニケーション” を主とした目的であり、遠隔地にいる人員を “支援” する機能についてはまだ不十分であり、スマートグラスでビデオ会議システムを使用しても十分な効果を得られないこともあります。

ビデオ会議システムとスマートグラス用ソフトウェアの共通機能として、通話、画面共有、録画などの機能がありますが、ビデオ会議システムでは、遠隔地側のスマートグラスの操作やポインタを使用した細かい指示、指示内容のログ取得、さらに利便性を上げるスマートグラスを使用したデジタル手順書などは利用できません。

<ビデオ会議システムとの機能の違い>

詳細の機能について引き続き下記にてご紹介します。

遠隔支援機能

遠隔での作業指示をするときの機能になります。通常のビデオ会議システムでは特定の部位、場所を指定する場合など、あれ、そこ、等、曖昧な指示しかできませんが、スマートグラス用ソフトウェアを使うことでポインタを使った細かい指示が可能になります。

  • ポインタでの指示

遠隔支援者側で指定したい箇所をマウスクリックで長押しすることによって、スマートグラス上で何が指定されているか一目でわかるようになります。

TeamViewer Frontline(TeamViewer社製)の画面

<ポインタを使った作業指示>

  • 遠隔支援側からのスマートグラスの操作

スマートグラス側の操作も可能になっているため、映像の細かい文字を拡大したい、手元を明るく照らしたい場合なども遠隔支援側が操作することで、スマートグラス側の作業者に操作を要求せずにスムーズに支援が可能になります。
また、作業者側がスマートグラスのディスプレイに夢中になり、危険が発生した場合に警告シグナルを発する機能があるなど、ビデオ会議システムにはない機能が多数あります。

TeamViewer Frontline(TeamViewer社製)の画面

<遠隔支援側からのスマートグラス操作>

  • 静止画(スナップショット)を使用した遠隔指示

スマートグラスは頭部に装着して使用するため、作業者の頭部の動きに沿って、遠隔支援側が見る映像も変わってきます。しかし、指示をする場合、映像は止まっていたほうが指示を出しやすくなるため、スナップショット機能を使用して、静止画を撮影し、静止画をホワイトボード上に貼り付け、指示線やコメント等の遠隔指示できます。

TeamViewer Frontline(TeamViewer社製)の画面

<静止画での遠隔指示>

デジタル作業手順書

業務手順書をブラウザベースのGUIを使用して作成できる機能です。作成した手順書をスマートグラス上で見ることができるようになっており、ペーパーフリーかつ、ハンズフリーでの作業が可能になります。あらかじめ用意されているUIテンプレートをドラッグ&ドロップし、各フローを線でつなげることで作成できます。

  • 各UIテンプレートには、以下のようなものがあります。
    ・タイトル+テキスト
    ・タイトル+画像
    ・QRやバーコードスキャン
    ・動作再生
    ・写真取得
    ・数字入力
    ・Web閲覧
    ・RFID読み込み、書き込み
    ・繰り返し、分岐処理
    ・センサーデータ取得
    ・RESTでの情報取得

TeamViewer Frontline(TeamViewer社製)の画面

  • スマートグラス上での見え方

スマートグラス側アプリのTeamViewer Workplace(TeamViewer社製)の画面

作業ログ取得

デジタル作業手順書を用いて作業した場合、各作業工程の作業時間の記録を取ることも可能なため、時間を要する工程を細分化したり、特定の人の作業が遅い場合はフォローを入れたり、新しく得た情報を可視化し、分析することができます。DB にデータを取り込み、他システムの連携や、BIツールの利用をすることでより幅広い活用が可能です。

  • 作業履歴一覧

作業タスク名、作業者名、作業時間などが参照可能です

TeamViewer Frontline(TeamViewer社製)の画面

  • 作業履歴詳細

各詳細タスクにどの程度時間がかかったのか、取得した写真や動画の参照、取得が可能です。

TeamViewer Frontline(TeamViewer社製)の画面

まとめ

今回はビデオ会議システムとスマートグラス機能についてご紹介しました。ご紹介した機能については、既存のビデオ会議システムにはなく、スマートグラスを使用しての遠隔支援を円滑に効率よく利用するために最適化された機能になります。ビデオ会議システムとの違いを理解して使用することが、スマートグラスを活用するうえで重要になります。

スマートグラスにご興味があっても「必要なインフラがわからない」、「どのように拠点間接続しよう」などのお悩みのある方は弊社 担当営業へお問い合わせください。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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