本レポートの要点
出展にあたり、弊社ブースでは国の動向や最新ガイドラインに基づく自治体向け画面転送技術のポイントを整理してご紹介しました。
あわせて、ハミングヘッズ社のSeP(セキュリティプラットフォーム)についても簡単に紹介しています。
- ライター:石橋 遼一朗
- 医薬品データ関連事業での経験を経て2021年ネットワンシステムズに入社。教育委員会市場において各政府省庁の動向から各教育委員会で検討が必要なネットワークインフラ像の提案支援を中心としたプリセールス活動やマーケティング、プロモーション施策を担当しております。
目次
はじめに
2025年10月8日〜9日に幕張メッセで開催された「地方自治情報化推進フェア2025(J-LISフェア)」に、出展しました。
本フェアは地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が主催する日本最大級の自治体向け情報システム展示会です。
会期中は先進的な情報システムや最新技術の展示、各種セミナーが行われ、自治体関係者やシステム開発関係者が多数来場しました。

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名称 |
地方自治情報化推進フェア2025 |
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開催テーマ |
デジタルで変わる、未来が分かる |
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日程 |
2025年10月8日~9日 |
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会場 |
幕張メッセ 展示ホール9・10・11 |
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主催 |
地方公共団体情報システム機構 |
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後援 |
総務省、デジタル庁、全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会、独立行政法人情報処理推進機構 |
本レポートでは、弊社ブースの展示概要、当日の状況、及び展示した主要コンテンツについてご紹介いたします。
ブースのご紹介
弊社ブースでは、デジタル庁が示した2030年頃の国・地方ネットワークの将来像など国の最新動向を紹介するとともに、「一人1台端末」運用環境で求められるセキュリティ対策について解説しました。全国の自治体や官庁・公共機関の担当者様に多数ご来訪いただき、盛況のうちに終了しました。
展示内容についてのご紹介
デジタル化の進展に伴い行政サービスのオンライン化が加速する一方、ランサムウェアや標的型攻撃などサイバー脅威も増加しており、行政システムが攻撃対象となるリスクが高まっています。さらに、職員の働き方改革や業務効率化の観点から「一人1台端末」など利便性向上のニーズが強まり、利便性とマイナンバー等の機微情報の保護をどのように両立するかが大きな課題です。
これを受け、デジタル庁は2024年に「国・地方ネットワークの将来像及び実現シナリオに関する検討会報告書(概要)」を公表し、2030年に向けたネットワーク像と実装シナリオを提示しました。
出展:デジタル庁 国・地方ネットワークの将来像及び実現シナリオに関する検討会報告書【概要】より
上記の報告書では、2030 年の姿の 3 つの軸の一つとして「国・地方の職員が、セキュリティを確保しつつ、一人一台の PC で効率的に業務ができ、 テレワーク等の柔軟な働き方が可能」であることが明示されました。
また、それを受けて総務省は 2025 年 3 月 28 日に「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(改訂版)」を公表し、マイナンバー利用事務系における画面転送方式の利用について条件付きで明確化しています。
出展:総務省 令和7年3月のガイドライン改訂のポイントについてより
本レポートでは、ガイドライン改定のうち「マイナンバー利用事務系に係る画面転送の方式」について着目して解説します。ガイドラインに関するより詳細な記事については https://lp.netone.co.jp/municipality_security より資料がダウンロードできますので、是非こちらも合わせてご活用ください。
画面転送技術とは
画面転送技術は、業務端末で表示している画面情報(映像や操作画面など)を別の端末やサーバに転送し、遠隔から操作を行う仕組みです。
従来はマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系の三層分離が基本とされ、機密性の高い業務は専用端末で行う運用が一般的でした。
しかし、今回のガイドライン改定により、適切な対策を講じた上で画面転送技術を用いれば、マイナンバー系の作業も一台の端末から行える可能性が示されています。
様々な画面転送の方式について
画面転送の代表的な方式には次のようなものがあります。
- クラウド事業者が提供する DaaS 方式(Desktop as a Service)
- 庁内サーバ上で仮想デスクトップ環境を構築する VDI(Virtual Desktop Infrastructure)や SBC(Server BasedComputing)の技術を用いた仮想デスクトップ方式
- 専用ブラウザで Web 画面を隔離して表示するセキュアブラウザ方式
などがあります 。
これらの方式を用いると、マイナンバー系の環境そのものは隔離された状態を保ちつつ、職員が外部端末から業務処理を行えるようになります。
ただし、画面転送によって他のネットワークと接続経路ができると、ランサムウェアなどによるサイバー攻撃のリスクが増大する点に注意が必要です。
特にマイナンバー系は住民の個人情報を大量に保持する重要なネットワークであるため、画面転送の導入には十分なリスク判断をガイドラインに照らし合わせて検討を進める必要があります。
弊社が考えるガイドラインの改定に準拠した画面転送方式の解決策
今回弊社ブースでは一人一台のPCで効率的かつ安全に業務を実施する仕組みとして、ハミングヘッズ社のSeP(セキュリティプラットフォーム)をご紹介しました。
こちらの製品は物理端末データ領域および通信先のセパレート(端末論理分離)を実現し、SePのセパレート機能を駆使することで、インターネット接続系とLGWAN接続系のネットワークを論理的に分離し、1台の物理端末で安全に業務を行うことが可能となります。
また、ファイル保護機能も備えているため、職員の利便性とマイナンバー等の機微な情報の保護を両立させることが可能となります。
(製品紹介は一例です。導入に当たってはお客様の環境や要望に合わせたシステム構成・運用方針に基づく検討が不可欠です。)
おわりに
本レポートでは、J-LISフェアにおける弊社の展示内容として、国の最新動向、画面転送技術の意義と留意点、及びハミングヘッズ社のSePを中心としたソリューションを紹介しました。
弊社ではお客様の既存環境や運用方針に応じて、画面転送を含む各種ソリューションの比較提案やPoC支援を行っております。
また、画面転送に限らず、2030年のネットワーク像に対応するために必要となるゼロトラスト、ID管理、EDR、SASE等の包括的なセキュリティ対策のご提案・導入支援も可能です。詳細なご紹介やPoCのご相談は下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

