ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文へ (c)

ここから本文です。

映像は、もはや「見る」だけじゃない。「読む」データへ

ネットワンシステムズが提唱する次世代VMS「U-VDMS」コンセプト #05
今回の記事では、現場の課題やプラットフォーム全体の考え方について解説いたします。

【バックナンバー】

#01 - スマートマニュファクチャリングにおける最適な映像IoT基盤の在り方
#02 - ネットワンが提唱する次世代VMS「U-VDMS」ってなに?!
#03 - AI映像解析導入の流れ
#04 - U-VDMSにおける音の利活用及びVMS(Video Management System)連携について

ライター:佐々木 藏德
フィジカルセキュリティ、サーバ、ストレージ、OSのプラットフォーム基盤関連業務を経て、2016年ネットワンシステムズに入社。
大手民間企業、重要インフラ施設の構築設計に多数関わっている。
現在はフィジカルセキュリティ製品に関する市場戦略策定に従事。

目次

初めに

映像関連製品は、今現在様々な形で進化を遂げており、使い方や利活用方法についてもこれまでになかったコンセプトのものが多数活用されています。

しかし、映像データの利活用にあたっては、プラットフォーム、ネットワーク、ソフトウェア、カメラ本体、各種センサー等の様々な関連技術と製品について全体を統合的に考えなければならないため、思うように導入が進まない状況も多くあります。

本ブログでは、映像利活用を実装するための最適なプラットフォームと全体の考え方について、実際の現場課題と照らし合わせながらご説明いたします。

映像製品の利用用途

IPカメラをはじめとする各種映像製品は、今現在様々な現場で利活用されています。

フィジカルセキュリティにおける防犯カメラとしての役割、製造業における生産ラインの遠隔監視、様々な環境センサーと組み合わせて各拠点の改善管理を行うための見える化ツールとしてなど、映像システムは施設を運用管理する上で欠かせない存在となっています。

しかしながら、導入件数が年々増加している一方で、急速な普及と相まって運用課題も増加しています。

映像製品運用における課題の例

映像製品を導入・運用することで直面するいくつかの課題について解説いたします。

カテゴリ 内容
統合 映像システム以外にも入退室、各種設備管理などの様々な関連システムが存在しますが、システム毎に仕様が異なり簡単には統合ができず、拡張性にも課題が生じます。
運用 多岐にわたるシステムが存在する結果、インシデントが発生しシステムを操作して履歴などを確認する場合には、関連するすべてのシステム操作に精通する必要があり、一つのインシデントの対応にかかる工数が膨大になります。
活用

システムの仕様が異なるため、それぞれ独自の形式でデータが保存されます。システムを超えたデータ連携・活用には開発が必要となるため簡単ではなく、関連データの使用は限定的な用途となります。

結果として、最近話題のAI技術を用いた解析技術の導入が難しいケースも多く、従来通りの手動オペレーションを強いられることにつながります。

上記の内容を踏まえ、実際の現場ではどのような課題があるのでしょうか。

まず、フィジカルセキュリティの運用における課題を見てみましょう。

個別システムによる統合性の問題や、運用オペレーションの工数増加に加え、独自データ形式によって新しい技術の導入やシステム連携が難しいこと、そのためレガシーなシステムをそのまま運用せざるを得ないことが挙げられます。

もう一つ、製造現場での運用における課題を説明します。

統合性、運用性、拡張性の部分については、前述フィジカルセキュリティ運用における課題と共通しますが、それに加えて生産現場ならではの悩みの一つとして、設備連携に関する課題が挙げられます。

生産現場に設置されている映像基盤装置は単純な録画機能のみ搭載された機種が多いため、PLC、生産管理システム、シリアル等の各種メタデータの連携はもちろん、AI技術を駆使した映像解析利活用が難しい場合が多いです。

その結果、生産現場特有の「安全・品質を効率よく向上させる」といった課題に迅速に対処できないこととなります。

ネットワンで提唱しているU-VDMS(映像・データ統合集積基盤)のコンセプト

このように、今までは映像は映像、データはデータとして個別システムで管理されており、映像に関するシステムはVMS(Video Management System ※以下VMS)といった名称で、世間一般に普及しています。

ネットワンシステムズとしても、2023年まではVMSをメインに映像製品を取り扱っていましたが、導入後の現場課題を集約・分析した結果、次世代の映像基盤にはデータとの融合が重要であると判断し、映像とデータの統合を意味する新たな用語としてU-VDMSUnified Video and Data Management System 以下U-VDMS)を提唱すると同時にその実現に向けた各種プラットフォームやソフトウェア、エッジデバイスの最適化を行いました。

U-VDMSとは、様々なデータが一つの基盤に結合し、記録と処理を行い、必要な形でデータを出力する基幹プラットフォームのコンセプトです。

データの元となるソースに関しては、IPカメラの画像データ、入退室の認証データ、各種センサーから読み取った計測数値、テキストベースの構造化データなど様々な形式に対応します。

それらのデータを一つの基盤に集約し、データを保存すると同時に、各種データの中身に関するルールを作成し、自動化処理を行います。

一つの基盤に集められたデータを、統一インタフェースにより、同時閲覧ができることはもちろん、自動処理された結果を、ダッシュボード、音声、光など、各現場運用者が必要な形で出力することで、運用性を向上させます。

更には、異なる仕様のエッジデバイス・異なる仕様のデータを一つに統合管理し、データフォーマットを統一することで、AI技術を用いた解析技術の導入も可能になります。

それでは、U-VDMSで実現できることを説明いたします。

カテゴリ 内容
施設を守る 施設を守るためのフィジカルセキュリティの役割としてご活用いただけます。カメラ映像のみならず、人の動線を制御するための入退室管理と各種警戒センサー等を一つの統合システムとして稼働することで、運用に必要な工数の削減や、プラットフォームをまとめることによる機器本体の運用コスト削減に貢献します。
データを集める

様々なデータを集めるための統合基盤として利用可能です。
カメラ映像に加えて、各種センサーデータ、映像解析などで得られたメタデータ、他システムから連携された構造化データを統合することができます。

また、IPカメラ・アナログカメラなど数十年前に販売された様々なカメラにも対応しており、既存設備と新しいデバイスを一つの基盤上に集約できます。
利活用する

各種データが一つの基盤に統合され、汎用的に使用が可能となり、更なるデータの利活用が実現できます。

例えば、各種デバイスから得られたデータ(映像・数値)をもとに人工知能技術を用いた解析を行うことで、オペレーションの自動化や外部機器への連携が可能になるなど、その使い方は無限に広がります。

このように、U-VDMSコンセプトを現場に用いることで、既存設備を有効に活用しながら、より安全で効率的な現場作りを実現します。

U-VDMSの具体的な活用例

最後にU-VDMSの活用例をご紹介いたします。

U-VDMSを軸に、各種システムが統合されている例をご紹介します。

1.入退室とIPカメラの統合運用

フィジカルセキュリティの主要要素であるIPカメラと入退室システムを一つの基盤で運用管理することができるようになり、インシデント発生時の調査時間の大幅な削減が期待できます。

2.生産現場における生産システムとの連携

生産システムとの連携により、製造している製品の情報や一意のコード(ロット番号やシリアル番号)を映像データにメタデータとして付与し、検索時に活用できます。例えば、不具合が発生した際にはその一意のコードを検索することで関連する映像を一覧として閲覧できるため、調査業務の工数削減に繋がります。

また、生産システムの画面上にボタンなどを配置し、U-VDMS基盤上に録画されているデータを瞬時に呼び出すことも可能で、単一GUIによるシームレスな操作環境を実現することができます。

3.各種センサーとの連動

製造現場におけるシーケンサーやPLCの特定データポイントの数値、または各種センサー(温度・湿度・空気質等)の現在の計測情報、そしてフィジカルセキュリティにおける各種防犯警戒センサー(フェンス、侵入センサー、ガラス破壊検知センサー、シャッターセンサー、レーダー等)を統合管理できます。

各種センサーの正常数値をシステム上で設定しておくことで、正常値範囲外になった時に異常が発生したと判断し、関連するシステムと様々な連携を行うことが可能です。

例えば、煙検知センサーで火災を検知、または温度センサーが設定値より上回ったことをトリガーとして、サイレント光で警報を発するとともにドアを強制開放して周囲の人の脱出を支援するといった連携が可能です。

また、普段は短い日数で録画データを保持しておき、インシデント発生時には長くデータ保持させることで、プラットフォームのリソース削減が可能です。

4.映像・データの利活用

U-VDMSに保存されているデータは、AI解析システムに連携させて分析することが可能です。結果はメタデータとしてU-VDMSに保存され、画像解析によって異常状況と判明した際には他のシステムと連携して警報を発することが可能です。

AI画像解析技術を用いることで、倒れこみ、転倒、長時間駐車、逆走、駐車場車室枠の満空、ヘルメット着用有無など、人命や施設運用にかかわる検知はもちろん、人の行動を解析して現場の工数を可視化することもできます。溜まったデータを参照するだけの手段ではなく、自動化を含め現場課題改善に向けて利活用が可能です。

まとめ

映像データに加え各種データを一つの基盤に統合し、各現場の運用に適した形で提供できる基盤として、ネットワンシステムズではU-VDMS構想を提唱しています。

最適な基盤選びは、今後期待されるAI技術を用いた映像解析の利活用にも重要で、これからは溜まったデータを柔軟に利用できることが映像データプラットフォームの鍵となります。

ネットワンシステムズはIPカメラをはじめ、入退室システム、各種センサー、音声デバイス、そしてU-VDMSを運用するためのIPネットワークやプラットフォーム基盤にも精通しており、構築提案から工事・運用・保守まで一気通貫ソリューションとして提供しております。

本ブログをお読みいただき、「U-VDMS」にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ「Innovation Showcase」へお越しください。「Innovation Showcase」では、最新のU-VDMSソリューションやAI映像解析の実機デモをご体感いただくことが可能です。お問い合わせやご相談は、下記問い合わせフォームまたは担当営業までお寄せください。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

RECOMMEND