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データドリブンな働き方:活用センサーご紹介

オフィス環境の進化は、働き方の多様化とともに、その重要性を増しています。データを活用したオフィス運用の最適化は、効率的な働き方を支える要素として注目されています。

イノベーションセンター(通称netone valley)ではデータドリブンエンタープライズの考え方を軸に、社員の行動や環境データのリアルタイムな分析および、そこから得られる洞察を活用した働く場の改善に取り組んでいます。
「オフィス2Dマップ」開発プロジェクトでは、特定のベンダーに依存しない、さまざまなセンサーを統合したデータの収集と活用に取り組んでいます。

本記事では「オフィス2Dマップ」開発プロジェクトにおいて活用したセンサーデバイスをご紹介します。

「オフィス2Dマップ」開発プロジェクトについてはこちらの記事をご参照ください。:ハイブリッドワークにおけるデータドリブンな働き方の実践 | ネットワンシステムズ

目次

社員の位置情報可視化によるコミュニケーションの円滑化

XXさん、今どこにいる?」フリーアドレスのオフィスでは、相手の所在が分からず不便を感じることも多々あるのではないでしょうか。
オフィス2Dマップアプリでは、社員の位置情報を可視化することで、コミュニケーションの円滑化に取り組んでいます。

位置情報の取得方法には、ビーコンや地磁気センサー、RFIDタグ、カメラ映像分析など、さまざまなアプローチがありますが、本プロジェクトではCisco Spacesを活用し、社員の位置情報やプロフィールデータをマップアプリ上に可視化しました。
社員の位置情報を可視化することで、フリーアドレス環境において誰がどこにいるかを把握でき、効率的なコミュニケーションをサポートします。

  

Cisco Spaces

Cisco Spacesは、企業向けのクラウドプラットフォームであり、Cisco社製ネットワーク機器(WLCDNA Center経由)と連携することで、Wi-Fiに接続されたデバイスの位置の特定が可能です。位置情報の更新をトリガーに、デバイス情報や推定座標を含んだイベントデータを発行します。

社員の業務用BYOD端末(PC)のMACアドレスをもとに、誰がどのエリアに滞在しているかを可視化しました。Cisco Spacesから取得した位置情報は、AWS Kinesisを介することでConfluentへのデータのストリーム処理としての登録を実装しています。

(詳細はこちら:Cisco SpacesとAWS連携してみた。-連携先サービス(AWS)の比較- | ネットワンシステムズ

空室検知、混雑度可視化によるオフィスファシリティの活用

効率的なファシリティ運用が求められる一方、予約されているのに実際は使われていない『空予約』の会議室など、リソースの無駄が課題となっています。また、予約制ではないワークブースは実際に足を運ばないと利用状況がわかりません。

SEIKO人感センサー(SW-4220-1010)を使用し、会議室の利用状況をアプリ上にリアルタイム可視化、Cisco Room KitCisco Room Navigator(web会議端末)Merakiカメラを使用したエリアごとの混雑度可視化により、ファシリティの有効活用と快適な働き方を目指しました。

SEIKO 人感センサー(SW-4220-1010)

焦電型赤外線センサーで人の動きを感知し、即座にイベントを発行することができる人感センサーです。

検出範囲が水平方向90°、垂直方向80°、最大5mと広く、部屋の天井や壁、机の裏などに設置して使用します。取得したデータはルーター(SW-4100-1000)を使用することで外部へ送信することができます。イベントデータはASCII フォーマットを使用した、カンマ区切りテキストとして送信され、人の動きが検出された回数などをバイナリ形式で出力します。

人感センサーは、プライバシーの観点から映像の利用が難しい場所でも適用することができ、またバッテリー駆動で電源工事が不要のため、設置作業を簡易に行うことができる点が大きなメリットです。

一方、検出範囲の制限や、遮蔽物がある場合正確な計測が難しくなるなどの特徴もあるため、部屋の特性を考慮するなど、適切な設置方法を検討する必要があります。

Cisco Room Kit, Cisco Room Navigator

Cisco社が提供するルームタイプのウェブ会議端末です。
内臓のカメラやセンサーを使い人数カウント、騒音データといった室内の環境情報を取得することができます。
取得したデータはMQTTAPIを通じて外部システムと連携することができます。

本プロジェクトでは設置された場所ごとに機器をエリア分けし、それぞれのエリアデータをもとに混雑エリアの推測および予測に取り組んでいます。

参考:
Webex Room Kit Data Sheet - Cisco
Cisco Room Navigator: Meeting Room Scheduling Display for Wall

Meraki カメラ

Cisco Merakiシリーズ(MV32)は360°全方位をカバーする天井設置型のカメラです。
映像内に映る人の数を計測でき、計測データはMQTTを介して外部に送信することができます。個人の動きを識別・追尾する機能を活用し、リアルタイムな動線の可視化および移動データの蓄積を行っています。
データは、施設のレイアウト最適化だけでなく、イベントでの関心の分析などにも役立てることができます。

参考:Indoor Smart Security Camera | Fisheye Camera | MV32 | Cisco Meraki

室内環境の可視化および快適な仕事観環境の実現

CO2濃度が1,000ppmを超えると集中力や意思決定能力が低下するといわれています。CO2濃度の変化をリアルタイムで計測し、換気のタイミングを適切に判断することが、効率的な働き方につながると考えました。
室内環境のデータを収集することで集中できる環境の提供に取り組んでいます。

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SEIKO CO2センサーを利用して室内のCO2濃度を計測、CO2濃度を基準にした3段階のステータスに基づき、2Dマップアプリ上で部屋単位の室内環境を可視化しました。
アプリでの情報提供に加え、SwitchBot スマート電球を使用し、点灯する色による部屋のステータスを可視化することで、直感的な換気判断も実現しました。
Meraki AQセンサー(MT15)を使用し、空気質、温湿度のリアルタイムな可視化にも取り組んでいます。

室内環境の可視化は、例えば「自分は暑がりだから涼しいエリアで仕事をしよう」といった行動判断の指標として活用することができます。

SEIKO CO2センサー(SW-4230-1000)

内蔵するセンサーでCO2濃度を測定し、外部へデータを送信します。約1分ごとの計測およびデータ送信を行うことができるCO2センサーです。
マルチホップ通信に対応しているため、中継器としての機能も担うことができます。

参考:CO2ノード SW-4230-1000 | 無線センサネットワーク「ミスター省エネ」 | セイコーインスツル株式会社

Meraki AQセンサー(MT15

室内の空気質を監視するセンサーです。
CO2濃度、室温、湿度のデータを収集し、収集した環境データはMQTTで送信することができます。これらのデータ収集は30秒ごとに行われ、20分ごとに送信されます。
室内環境の変化に応じたアラート送信を行うこともできるため、施設内の環境の最適化や効率的な運用に活用することができます。

参考:Indoor Air Quality Monitor and CO2 Sensor | MT15 | Cisco Meraki

まとめ

働く場の改善に寄与する「オフィス2Dマップ」開発プロジェクトについて活用するセンサーをご紹介しました。「オフィス2Dマップ」は現在社内リリースを進めており、オフィス運用の効率化やより良い働き方の実現を目指しています。今後もフィードバックを得ながら、さらなる機能拡張を進めていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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