
目次
はじめに
ネットワンシステムズの川和です。
今回は、APEX AIOps Assistantのβ版が昨年リリースされましたので、実際に使ってみた感想をご共有させていただきます。
概要
APEX AIOpsとは?
APEX AIOpsは、Dell Technologies社が提供しているSaaSの一種で、一言で言うとDell製品の一元管理のためのツールです。
サーバー、ストレージ、ネットワークといった様々なDell製品をWebブラウザから管理することができます。
旧称のCloudIQという名前をご存じの方も多いのではないでしょうか?
AIOps Assistantとは?
APEX AIOpsに組み込まれているアシスタント機能で、対話形式でDell製品に関する質問を投げると、生成AIが製品のドキュメント等を参照し、回答を生成・提示してくれる、といった機能になります。
現在β版がリリースされており、AIOps Assistantが参照するデータはDellのサポートドキュメントおよびナレッジベースの記事のみとなりますが、正式版ではAIOpsに登録されている機材から収集されたデータなども参照されるようになり、使い勝手が向上する見込みです。
実際に触ってみよう
実際にAIOps Assistant機能を使ってみましょう。
APEX AIOpsには、以下のリンクからアクセスできます。
https://apex-aiops.dell.com/observability
AIOps Assistantを起動するには、画面右上のアイコンをクリックします。
図1. AIOps Assistantのアイコン
AIOps Assistantを起動すると、質問文の入力欄が表示されますので、そこに聞きたい質問を入力します。
今回は「VxRailでクラスタを構築する手順」を聞いてみましょう。
図2. AIOps Assistantの回答画面キャプチャ
図2は、実際にAIOps Assistantに質問してみた際の画面のキャプチャです。
最初の質問として「VxRailでクラスタを構築する手順を教えてください」と聞いてみました。
これに対しては、製品名を改めて入力するよう指示が返ってきました。
質問文の中にVxRailという製品名が入っているのですが、どうやら認識してくれていないようでした。
そのため続いて「VxRail」と入力すると、最初の質問に対する回答が生成されました。
日本語の質問内容はちゃんと認識してくれているようなので、英語が苦手な方にも安心です。
回答に特におかしな点は見当たらず、回答のソースも複数表示されるので、情報の信憑性はかなり高いのではないでしょうか。
ただ、一緒に提示されたソースとなったドキュメントが2019年リリースと、ちょっと古い点は気になりましたね。
ちなみに、同じ内容の質問を英語で実施してみたところ、
製品名の確認なく回答が生成されたので、日本語文章から製品名を抽出することによる日本語Verの機能制限なのかもしれません。
AIOps Assistantをよりうまく活用するには
ここからは実際にAIOps Assistantをより上手に活用するためのコツをまとめてみます。
メインストリーム製品には対応済み
PowerStoreやPowerEdge、PowerScaleなど、基本的な製品には一通り対応している様子でした。
ただ、β版ということもあり、一部の製品にはまだ対応していないみたいで、私が確認した限りでは、SCGやOneFSに関する質問には回答がありませんでした。
この辺りは、正式版に期待ですね。
質問文に必ず製品名を含めましょう
上記のVxRailの質問で軽く述べましたが、AIOps Assistantに質問する際は、質問文の中に製品名を含める必要があります。
含めなかった場合は、Assistant側からどの製品に関する質問か確認が入るので、大きな問題ではないと思いますが、意識しておいた方がいいでしょう。
1つのスレッドでは、1つのトピック・製品に関する質問に限定する
1つのスレッドで複数のトピック、複数の製品に関する質問をすると、誤った回答が生成される可能性が生じるため、他の製品に関する質問をする際はスレッドを別にするのが推奨されます。
ちなみに、AIOps Assistantでは過去10個のスレッドまでは保存され、11個目のスレッドを作成すると古いスレッドから削除されてしまうのでご注意ください。
まとめ
今回はAPEX AIOps Assistantのβ版を実際に触ってみました。
β版ということで、まだいろいろと気になる点もありますが、製品を触ってみて気になった点を気軽に対話形式で質問できるようになるのは、運用における負荷軽減にもつながる良い機能だなと思いました。
正式リリースの日程はまだ未定ですが、実装が待ち遠しいですね!
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。