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PowerProtect Data Managerをご紹介します!

目次

はじめに

お久しぶりです!

ネットワンシステムズの川和です。

今回はPowerProtect Data Manager(以下PPDM)についてご紹介させていただきます。

PowerProtect Data Managerとは?

Dell Technologies社が提供する、最新のマルチクラウドワークロード向けデータ保護ソフトウェアプラットフォームです。

アプライアンス版の他に、ソフトウェア版も存在します。

ソフトウェア版はサブスクリプションモデルとなっており、容量1TB単位でライセンスを購入することが可能です。

どういう仕組みなの?

PowerProtect Data Domain(以下PPDD)やvCenterと連携することで、VMの自動検知、PPDDのRetention Lock機能の活用、Transparent Snapshot Data MoverによるバックアップなどをPPDMのGUI上から運用・管理することが可能となります。

Transparent Snapshot Data Moverって何ぞや?

Transparent Snapshot Data Mover(以下TSDM)とは、PPDMバージョン19.9以降で利用可能な機能の1つであり、アプリケーションを中断せずにバックアップを取得することを可能とする新たなバックアップ手法です。

バックアップ プロセス中に VM または環境への影響をほとんど与えず、パフォーマンスへの影響が小さいといったメリットがあります。

TSDMを利用するには、vCenter/ESXiのバージョンが7.0U3以上である必要がありますのでご注意ください。

図1. TSDMのアーキテクチャ

PPDMの特長

ここからはPPDMの特長をいくつかご紹介させていただきます。

PowerProtect Data Domainとの高い親和性

PPDMは初めからPPDDと組み合わせて使用する前提で開発されており、PPDDとの高い親和性があります。

以下、その一例です。

    • 全てのワークロードがDD Boostに対応している

    • バックアップ、レプリケーション、Cloud TierへのSLAの設定が可能

    • Retention Lockと標準で連携

    • 管理GUIからレプリケーションやバックアップ、リストアが1Stepで可能

多様な機能を提供

前述のTSDMをはじめ、アプリケーションホストにプラグインを導入することで、アプリケーション管理者が自由にバックアップ・リストアを実行できる「アプリケーションダイレクト」、vSphere プラグインを導入することによって、バックアップ・リストアをvSphereのUIから直接実行可能になるなど、便利な機能を提供しております。

様々なワークロードに対応

KubernetesやTKG、KaaSなど多くの環境に対応しており、また、VMwareのNative管理ツールとも深い統合が可能です。

Secure Connect Gatewayによる監視ツールの統合

(PPDMの特長とは少し異なりますが…)

Secure Connect Gateway(以下SCG)はDell製品の監視ツールであり、SCGに登録された製品で障害などの事象が発生した際に、自動でメーカーサポートへ通知が送信されます。

SCGには、PPDM以外にも、サーバー、ストレージ、ネットワークといった Dell製品全般を登録することが可能であり、環境をDell製品で統一することによって、環境全体の統合監視が可能になります。

実際に触ってみた

PPDMで仮想マシンのバックアップを取ってみました。

今回の環境を以下の図2,3に示します。

図2. 物理構成

図3. 環境イメージ

今回の検証では、PowerEdge R630上にバックアップ用の仮想マシンを用意しました。

バックアップ手順

バックアップをスケジューリングするには以下のフローがあります。

  1. PPDMに保護ストレージ(PPDD)を追加する

  2. PPDMにvCenter Serverを追加する

  3. vSphere Installation Bundleを有効化する

  4. Protection Policyを作成する

ここでは各項目でどんなことをするのか、簡単に説明させていただきます。

詳細な手順については「Dell EMC PowerProtect Data Manager 管理およびユーザー ガイド | Dell 日本」をご参照ください。

1. PPDMに保護ストレージ(PPDD)を追加する

PPDMにWebブラウザからログインしてGUIを開き、画面左のメニューから[Infrastructure] ⇒ [Storage]を選択し、[Protection Storage]タブから[Add]ボタンをクリックします。

保護ストレージの情報を入力する画面が表示されますので、PPDDの情報を入力し、PPDDをバックアップ先のストレージとしてPPDMに追加します。

この時、PPDDの管理IPアドレスが必要になりますので、あらかじめ確認しておきましょう。

図4. 保護ストレージ追加完了後の画面

2. PPDMにvCenter Serverを追加する

メニューから[Infrastructure] ⇒ [Asset Sources]を選択し、PPDMにvCenter上に登録します。

基本的な手順は保護ストレージの追加と同じです。

vCenterが登録されると、[Infrastructure] ⇒ [Assets]の[Virtual Machine]タブにvCenter上の仮想マシンが自動で表示されます。

3. vSphere Installation Bundleを有効化する

vSphere Installation Bundle (以下VIB)を有効化することで、TSDMを利用可能になります。

VIBは基本的にはPPDMにvCenter/ホストを追加した段階で自動的にインストールされます。

手動でインストール/アンインストールする際は、[Infrastructure] ⇒ [Protection Engines]を選択し、[Transparent Snapshot Data Mover]タブから、対象のホストを選択して実行可能です。

図5. VIBのインストール画面

4. Protection Policyを作成する

Protection Policyを作成して、バックアップの設定を行います。

主な設定項目は以下の通りです(他にもRetention Lockの設定などが可能です)。

  • バックアップ対象

  • バックアップの目的

  • バックアップの頻度/開始時間、データの保存期間など

  • バックアップメカニズム

  • バックアップ時の優先項目(パフォーマンス or 容量効率)

バックアップ実行

上記の手順が完了すると、Protection Policyで設定された時間にバックアップが実行されます。

バックアップが完了した仮想マシンは、[Infrastructure] ⇒ [Assets]の[Virtual Machine]タブから確認できます。

図6. 仮想マシンのバックアップ有無の確認

リストアする際は、[Restore] ⇒ [Assets]からリストアする仮想マシンを選択して実行してください。

所感

実際にバックアップを実行してみましたが、一度vCenterをPPDMに登録してしまえば、自動で仮想マシンがGUI上に表示され、新規で作成した仮想マシンも順次追加されていくので、最初の設定さえ完了すれば、その後の管理は非常に楽になりそうだと思いました。

既にPPDDを導入済みであれば、そのまま利用することも可能なので、是非導入をご検討いただけますと幸いです。

終わりに

今回はPPDMを使って仮想マシンをバックアップする手順をご紹介させていただきました。

ただバックアップを取るだけであれば、PPDDとバックアップサーバーがあれば可能ですが、PPDMを利用することで、お客様の要件に応じてより柔軟なバックアップソリューションの提案が可能になります。

特に、環境をDell製品で統一することで、SCGを使った一元監視や、前回のブログでご紹介したStorage Direct機能も利用可能になるなど、様々なメリットが提示できることは、サーバー・ストレージ・ネットワークといったインフラ製品を全て取り扱っているDell Technologiesならではの強みだと思います。

      ※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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