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データ活用への第一歩、データマネジメントワークショップ

ライター:伊藤 千輝
ネットワンシステムズに新卒入社し、IoT/AIの技術の検証/ソリューション開発に従事。また、最新のAI技術をウォッチするために産学連携の取り組みを推進。
現在は製造業をターゲットにスマートファクトリーに向けたデータ収集・集約・加工・保存・活用のためのデータハンドリング基盤の提案導入支援。実際の顧客データを用いた分析支援を行う。
休日は弊社がスポンサーとして支援する大分トリニータをサポーターとして応援。

目次

はじめに

現代のビジネス環境は、かつてないほどデータドリブンな意思決定へと変革してきています。企業は日々膨大な量のデータを生成し、顧客の行動、製品のパフォーマンス、市場の動向などを把握するためにそのデータを活用しています。しかし、ただデータを収集するだけでは価値は生まれません。データを効果的に管理し、適切な分析に結びつけてこそ真のインサイトを引き出し、競争優位性を確保することができます。

近年の生成AIの登場により、データの活用方法も大きく変わりつつあります。生成AIは膨大なデータから深い洞察を引き出すことができ、人間の思考を超えた新たな革新をもたらしています。しかし、そのような高度な解析を実現するためには、まずデータを資産ととらえ、継続的に維持・管理され目的に応じていつでも活用できる状態を保つデータマネジメントの概念が重要になります。

この記事では、データマネジメント関連で弊社がご提供する、データ活用の第一歩であるデータマネジメントワークショップのご紹介をします。

データマネジメントについて

弊社ではデータマネジメントに関して、データマネジメントの実践と標準化を推進する国際的な専門組織DAMA(Data Management Association)の提供するデータマネジメント知識体系ガイド(The DAMA Guide to The Data Management Body of Knowledge:略称DMBOK)DMBOK2を参考にし、お客様のデータマネジメントをご支援しております。

DAMA

DAMA Japan : https://www.dama-japan.org/DAMAJ_index.html

DAMA(Data Management Association)は、データマネジメントの専門家が集まり、ベストプラクティスやガイドラインを共有し、データマネジメント分野の知識とスキルを向上させることを目的としています。DAMAは、データガバナンス、データ品質、データアーキテクチャ、データセキュリティなど、多岐にわたるデータ関連のテーマをカバーしています。

DMBOK2

DMBOK2(データマネジメント知識体系ガイド 第二版)は、データマネジメントの主要な知識領域を体系的に整理し、それぞれの領域におけるベストプラクティスを提供する構成となっています。DMBOK2は、データマネジメントの専門家がベースラインとして利用できる標準的なフレームワークとして活用できます。

弊社ではこのDMBOK2も参考にしながら、データ活用の第一歩として「データマネジメントワークショップ」をお客様向けにご提供しています。本ワークショップは、企業がデータの収集、整理、保存、保護、活用の各ステップを効果的に行うための基礎的な座学と、お客様のデータ活用のユースケースとデータの洗い出しをお手伝いする伴走型のワークショップになります。

“使われる”データ基盤でデータ資産が価値に

お客様にデータマネジメントの必要性について話をすると、役割や部門ごとに様々な課題をいただきます。

例えば、最近よく聞くのが、「すでにクラウドデータ基盤(XXX)を別の部門で構築してもらい使い方は現場にお任せしている」と上層部やDXを推進する方からは聞いたものの、事業部門の現場の方からは「クラウドデータ基盤(XXX)は使うときにIT部からセキュリティなどの制限があったりして使いづらく、個別でクラウドデータ基盤(YYYやZZZ)など複数作って現場で勝手につなげて進めている」といった矛盾したお話を聞くことがあります。

また、IT部門やIT企画部門は間にはさまれ、「トップダウンで数億円かけて最新のアーキテクチャーでデータ基盤の“ハコ”を作ったものの、現場から活用してもらえない、良さがわかってもらえない」という悩みを聞くことも多いです。

こういったお話は多くあり、データマネジメントの概念がないため“使われない”データ基盤となってしまっています。全社で“使われる”データ基盤を目指すためには、データ、ユースケース、そして組織の整備が必要です。

しかし、いきなりデータマネジメントを考慮した大規模なデータ基盤を作っていくと、膨大な量のユースケースのヒアリングと取りまとめ、あるはずのデータの整理(データの形式やシステム上でどこにあるか、データ間の紐づけ)などに壮大な時間がかかってしまいます。

データ基盤を“使われる”ものにするには、スモールスタートでユースケースを拾い上げながら、データをコツコツと組み合わせて大きくしていく方法が良いとされています。データは日々発生し、増え続けるため、大規模な「ハコ」を最初から準備し、全社で統一した標準的なデータ形式を導入しようとしてもうまくいかないことがあります。データと対になるユースケースが整理できていない場合は、各ユースケースに適した集計方法が異なり、統一するのが難しいからです。

ただし、データの信頼性を確保するためには最低限のデータの標準化は必要です。この標準化により、各部門やチームが互いに理解しやすいデータを共有でき、基本的なデータ品質を保つことができます。

さらに、データマネジメントでは、データ基盤は一度作ったら終わりというものではありません。日々増え続けるデータに柔軟に対応していくことが重要です。そのため、データ基盤は継続的に改善され、拡張されるべきです。また、新たなユースケースに対応するための柔軟性と適応能力を持つことが求められます。データガバナンス、データを正しく活用する人材の育成など運用フェーズも考慮する必要があります。

このように、スモールスタートで始めて段階的に拡張し、ユースケースに応じた対応を進めつつ、データの標準化と信頼性の確保に取り組むことで、効果的かつ“使われる”データ基盤の構築が可能となります。

“使われる”データ基盤実現に向けて弊社がご支援できること

弊社では、お客様のステップごとに伴走できるサービスをご提供しております。データマネジメント検討検証フェーズでは、無償のデータマネジメントワークショップをはじめ、データ活用をスモールスタートで推進するためのPoC実行支援をご提供します。

全社データマネジメント検討戦略・計画フェーズでは、弊社が従来から得意とするネットワーク、プラットフォーム、セキュリティのインフラ要素も踏まえて、データマネジメントの現状分析(アセスメント)や、データ活用基盤の戦略・導入・運用までを支援させていただきます。

全社データマネジメント運用導入・運用フェーズでは、継続的にデータマネジメントのサイクルを回すために必要な教育を含め、弊社のエコパートナーとも協力しながらお客様をご支援いたします。

データマネジメントワークショップの概要

弊社が提供する無償のデータマネジメントワークショップでは、DMBOK2の要素も取り入れ、企業がデータマネジメントするために必要な基本的な考え方や弊社のネットワンバレーのIoTデータを支えるデータ基盤のデモ、各業界での他社事例をプレゼンテーションでご説明します。

後半はお客様のユースケース(テーマ、課題、目的、必要なデータ)を持ち寄り、ワークショップ形式で意見交換を行います。また、ワークショップ後に必要に応じてお客様のデータをお借りして可視化し、イメージを持ってもらうことも可能です。

"使われる"データ基盤のために弊社はお客様と伴走します。ワークショップにご興味あれば担当営業にお声掛けください。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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