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AIデータセンターの電力削減に今すぐ効果!Credo社Active Electrical Cable(AEC)

目次

はじめに

 空前のAIブームの中、国内外で続々とAIデータセンターが誕生しています。そして、AIデータセンターでは膨大な電力が必要とされるため、その電力確保が話題となることも少なくありません。その膨大な電力需要の対処法は幾つかありますが、本ブログでは、サーバーとネットワーク機器間や、ネットワーク機器同士を接続するケーブルによる電力削減について紹介します。

膨大な電力を必要とするAIデータセンター

 約1年前の20241月に、IEAInternational Energy Agency(国際エネルギー機関))が公開したElectricity 2024 - Analysis and forecast to 2026では、AIやデータセンターなどにより、グローバルの2026年の電力需要が、最も高いケースで、2022年の約2.3倍となると予測されています。また、ChatGPT1回のクエリー回答時の消費電力量が、Google検索の約10倍に相当することにも言及しており、AI・生成AIブームを背景にデータセンターの電力需要は増加の一途です。

 AIデータセンターを主導している、MicrosoftGoogleAmazonMetaなどのビッグテックは、その莫大な電力需要とサステナビリティを両立させるために、大量の再生可能エネルギーを購入していることは周知の事実かと思います(米国では、企業による太陽光発電の累積導入量において、MetaAmazonGoogleが上位を占めています)。また、これらのビッグテックにおいて、最近では、原子力発電に関する取り組みも活発化しています。

日本発の切り札:IOWN

 AIデータセンターの電力削減にフォーカスする最も有名な日本発の取り組みに、NTTがその開発をリードしているIOWNInnovative Optical and Wireless Network)があります。20233月に、APN(オール・フォトニクス・ネットワーク)サービス(IOWN1.0サービスとも表現)を開始しましたが、こちらは先ずは低遅延にフォーカスしているとのことです。

 そして、FY25に、AIデータセンターの電力削減にフォーカスしたIOWN2.0をリリース予定で、このIOWN2.0では、光電融合デバイスにより、40%以上の電力削減を目標にし、以降、IOWN3.0IOWN4.0と、その電力削減効果を高めていくとロードマップされています(出典:資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 第56回会合資料)。しかし、現時点では、NTTは、その効果が発揮されるのは、2030年以降とコメントしています。

今すぐAIデータセンターの電力を削減!CredoAEC

 では、ここから、IOWNによる大きな電力削減効果が発揮される2030年までの間でも、AIデータセンターの電力削減を実現するCredo社のAECについて紹介します。2024年9月27日に当社からニュースリリースを出しましたが、米カリフォルニア州サンノゼ本社のCredo Technology GroupHiWire™ Active Electrical Cable(AEC)の取り扱いを、日本で初めて開始しました。

(出典:Credo

 大量のGPUサーバーを要するAIデータセンターでは、上図の通り、GPUサーバーとToRスイッチや、ToRスイッチとLeafスイッチの接続に大量のケーブルが使用されています。CredoAECは、これらの大量のケーブルに光通信ケーブル(AOC: Active Optical Cable)を使用した場合と比較して、約50%の電力削減を実現するケーブルになります。

 AECの製品特徴については、前出のニュースリリースにも記載がありますが、AECは銅線ケーブルなので、レーザーやフォトダイオード(光を電気信号に変換する半導体デバイス)を必要とせず、その結果、大きな電力削減を可能にします。また、レーザーの劣化問題もなく、長期間安定した性能を発揮します。

まとめ

 AI・生成AIブームと共によく聞かれるようになった「AIのスケーリング則」では、大量のGPUサーバーによる学習がAIの精度を向上することにつながるとされています。そのため、AIデータセンターでは今後も電力需要の増大が見込まれます。本ブログで紹介したCredoAECは、その増加をゆるやかにすることに貢献するケーブルであり、今すぐにその効果を発揮します。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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