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「Box AI」Boxに追加されたAIの新機能で業務効率アップ

Boxに保存されたドキュメントに対して生成AIの利用を可能にしたBox AIがリリースされました。この記事では、Box AIを利用して、業務の効率化をはかる方法についてご紹介致します。

ライター:三木 亮弘
ITインフラ技術のSEに従事して二十年以上になります。
現在は、クラウドアプリケーションの技術支援を担当しています。

目次

Box AI for Documentsで読解時間を短縮

Box AI for Documentsは、Box上に保存されているドキュメントファイルに対して、内容の要約、要点の検索、概要の下書きをBox AIに依頼することができるため、自然言語で質問すると、Box AIがその質問に対して、ドキュメントの内容から回答してくれます。
この機能を利用して、当社のようなシステムインテグレータ業務にどのように役立てることができそうか考察してみました。
当社ではお客様からRFP(Request for Proposal)、「提案依頼書」を受け取り、その要件に沿った具体的な提案を行います。
提案の初動においてRFPを正しく読み解く作業が必要になりますが、このような場面で、Box AIを活用することができます。


対象となるファイルをBoxのWebUI上でプレビューした状態で、Box AIアイコンをクリックします。ここでは、サンプルとなるシステム要件が記載されたエクセルファイルを利用しています。

Box AIのウィンドウが開くため、ここに自然言語でクエリーをかけることができます。

まずRFPに書かれた要点を把握するために、「この要求仕様に書かれている要件のポイントを教えてください。」というクエリーを投げてみます。

Box AIRFPファイル内のドキュメントに記載されている要点を5つ返してくれました。

返答を読むと、機能要件や非機能要件に分かれて、記載があるということが判りました。機能要件として記載があることが判ったため、その部分を詳細に把握するために次の質問を投げてみます。

「機能要件のポイントを教えてください。」

機能要件として記載されている部分の要点を教えてくれました。

また、要件の中で特に気になるポイントについて、質問してみます。

「耐障害性として冗長化は必須となっていますか。」というクエリーを投げてみます。

冗長化要件について、回答を返してくれました。

普段業務で、提案のプロジェクト業務を進めていくにあたって、従来ではRFPを読み込んだメンバー間で行われているような会話を、Box AIに対して質問を行った結果、メンバーが返してくれるのと同じように、Box AIRFPを読み解いた結果を返してくれました。

このようにまずはじめに文章の概要を把握したい、要点を把握したいときに文章全体を読み込む時間をかけることなく、数分でBox AIからの回答を得ることで、読解時間の短縮をはかることができるというメリットを感じました。

レスポンス性

今回テストに利用したRFPドキュメントは、約8000文字からなるエクセルファイルでしたが、Box AIのクエリーを投げて、返事が返ってくるまで、数秒程度で返ってきていました。処理待ち時間によるストレスは感じませんでした。

Box AIのデータセキュリティ

Box AI は、大規模言語モデル(LLM)にデータを送信する前に、アクセス権限をチェックし、質問に関連する部分だけを抽出するため、統一されたセキュリティポリシーにしたがって、適切なコンテンツなコンテンツのデータだけを情報源にすることができます。またBoxは、お客様の明示的な許可なしに、お客様のコンテンツを使用してAIモデルをトレーニングすることはないとしています。従って、Box AI for Documentsに読み込ませたデータは、一時的に分析処理された結果を返していると言えます。

まとめ

今回は、Box AIによる業務効率化についてご紹介致しました。弊社はシステムインテグレータ業務を行っているため、その業務の中で利用するイメージをご紹介してみました。各業種、業界により質問の仕方は異なると思いますが、各種業務の中で活用するイメージの参考になれば幸いです。

生成AIの組み込みは今後も進化が続いていくものと考えています。現時点で、Box AIでは、AI基盤モデルとしてOpenAI社のGPT-3.5モデルを利用していると言われています。しかしすでにGPT-4の実装を予定していることが表明されています。GPT-4のモデル実装がされると、例えば画像認識も可能になるなど、更に活用範囲が広がると期待しています。

当社では、Boxをご導入いただいているお客様に、現在のご利用でお困りの際は、ご相談に乗らせていただき、使い方や新機能のアップデートで解決ができないかなどをお伝えしています。

SIerとして顧客視点を大切にしながら一緒にご検討をさせていただきたく思います。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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