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AI技術は"あなたの働き方"に革新をもたらすか ~ITに関する意識調査~

この度、「AI技術」及び「グリーンIT/SDGs」について、20代から60代までの働く男女930名に対してネットワンシステムズ独自にアンケート調査を実施いたしました。業種別、役職別の考え方の違いを捉えることで業界ごとの関心や意識の向上に寄与し、社会活動への貢献を促進することを目的としております。調査結果から見えてきた現在の課題、そして今後の展望について考察していきます。

ライター:柏木 彬宏
2013年ネットワンシステムズ入社。事業部にてCATV技術のエンジニアとして従事、その後、電鉄、電力、公共系のお客様を担当。現在は広報チームに所属し、エンジニア経験を活かしながら当社の高品質な技術力や付加価値を広めるための活動に取り組んでいる。

目次

調査設計

■調査対象条件
性別:男女
年齢:20歳-69歳
従業員数500人以上の企業の会社員
その他条件:業種(9つ)×役職(2つ)×部門(2つ)の合計36割付のいずれかにあてはまる人
対象業種:製造業、金融/保険業、情報通信業、教育学習支援、医療福祉、公務(自治体)、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸郵便、その他業種

■サンプル数
930サンプル

■調査機関
株式会社クロス ・マーケテ ィング

AI技術は革新をもたらすか

最初の問いは、「AI技術は自らの業界に革新をもたらすと思いますか」。

本調査回答者のおよそ70%が肯定的な回答をしています。業種別で見ると「金融/保険業」と「情報通信業」でその傾向が高く、「教育学習支援」が低い結果となりました。また、経営コーポレート部門の役職者の85%以上が肯定的に捉えているのに対し、現場の一般社員では50%程度に留まっておりその差が目立ちます。

どういった領域で企業とAIが共存できると考えているのでしょうか。最も多かった回答は「業務効率化への寄与」、次いで「人件費削減への寄与」でした。一方で半数以上の回答者が「サイバー攻撃などが高度化しリスクが増える」といったネガティブなイメージも抱えていました。

AIとの共存に向けて

「AI技術を導入/活用していますか」という問いに対して、導入済みまたは検討中と回答した人が53%、未導入または不明と回答した人が47%と、ほぼ半分に分かれる結果となりました。

導入済みまたは検討中においては、「データ分析や予測分析」「自動化されたプロセスや作業」での活用が多く、また「チャットボット」等での利用も見られました。

未導入または不明においては、「コスト」「セキュリティ問題」「スキル不足」「人材不足」などが導入阻害要因として多く挙げられています。

企業とAIが共存する未来に向けて、人材の育成は十分に行われているのでしょうか。

 「人材育成が十分に行われている、または行う準備があると感じますか」という問いに対しては、肯定、否定、どちらともいえないで見事に三分する結果となりました。業種別で見ると肯定的な回答が多かったのは「情報通信業」、否定的な回答が多かったのは「教育学習支援」でした。その他興味深いのは「公務(自治体)」で、肯定的な回答も否定的な回答も少なく、およそ60%がどちらともいえないという結果でした。

SDGsにおけるAI技術の活用

昨今の社会課題として避けて通れないSDGs。AI技術は地球環境の保全に貢献するでしょうか。

「グリーンITを導入していますか」という問いに対する回答も、導入済みと検討中、未導入、不明で三分する結果となりました。業種別で見ると「情報通信業」、「公務(自治体)」において導入済みの割合が高く、特に「公務(自治体)」では未導入の割合の低さが顕著です。一方で「医療福祉」においては未導入が半数近くを占め、導入済みと検討中を合わせても「情報通信業」の導入済みに届きません。ここでも主な阻害要因は「コスト」「スキル不足」などで、AIの導入と同様の課題が見受けられます。

今後、グローバル基準でグリーンITへの対応が要求されるでしょう。本調査の回答者の半数以上が「大きな変革が必要」だとしています。また基準の達成にはAI技術等の研究開発の推進だけでなく「産学連携」や「政府からの支援」が必要だと考えているという結果になりました。

なお現場の一般社員においては、グローバル基準には対応できない可能性があるという声が半数を超えています。経営コーポレート部門におけるその回答は20%を下回るため、現場と3倍の乖離があることが分かります。

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さて、AI技術はSDGsにおいてどのような観点で貢献するでしょうか。業種によって考えられることは様々ですが、「貢献しない」という回答も20%程度ありました。特に「医療福祉」業界では他の業界より「貢献しない」が高い割合になっています。

他方で「電気・ガス・熱供給・水道業」においては「エネルギーの効率的な利用」という回答が多く、「製造業」では加えて「リサイクルや廃棄物管理の最適化」という回答が多くありました。また「情報通信業」では「持続可能なエネルギー源の開発」に注目しています。

われわれはAIとどう向き合うべきか

最後の問いは、「AI技術はあなたの働き方に革新をもたらすと思いますか」。

本調査回答者の60%以上が肯定的な回答をしています。業種別に見てもおしなべてどこも肯定が多く見られます。一方、経営コーポレート部門の役職者の80%以上が肯定的に捉えているのに対し、現場の一般社員では50%にも達しておらずその差が目立ちます。

AIの活用によって、仕事の自動化や効率化、質の向上などが期待できます。もちろん自分自身で新たな知識、技術を身につけていく必要がありますが、本調査回答者においてはおよそ60%が、新たな分野について学びたいと回答しています。この先の未来で起こる様々な変革の中心を担う人材になりたいと考えるか否かで、AIとの付き合い方も変わっていくでしょう。

まとめ

AI技術が「自身の働き方」や「業界」に良い影響を及ぼすと、多くの人が認識している一方で、環境や社会などマクロ的な観点ではまだ影響を把握できていない状況が見受けられます。

昨今注目を集め始めた領域であり十分に準備できていない企業も多いと思われますが、本調査ではちょうどAI技術の「導入済み」及び「検討中」が半数を上回ったところですので、ここが分水嶺と言えるかもしれません。昨今の注目度からAIの活用は漸次その数を増していくと予想されます。

今回は「AI技術」と「グリーンIT/SDGs」の観点から意識調査を実施しましたが、やはり業種や役職によって考えは様々で、乖離があることが分かります。また、導入に至らない要因がコストやセキュリティの問題など担当者個人で解消できるものではないこと、会社全体、特に経営層の理解と支援が重要であることが本調査から窺えます。この結果は、当社としても気づきのある内容でしたが、皆さまの活動においても一助となれば幸いです。

ITに関する意識調査

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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