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[PowerStore]Storage Directを試してみた!

目次

はじめに

お久しぶりです!

ネットワンシステムズの川和です。

今回はPowerStore OS3.5で追加されたStorage Directについて検証してみたので、その結果と使ってみた感想を語らせていただきます!

概要

そもそもDell PowerStoreとは?

デル・テクノロジーズ社のミッドレンジ~ハイエンド向けのストレージ製品です。

オールフラッシュのNVMe対応のストレージで、高いパフォーマンスを発揮します!

今デル・テクノロジーズ社とネットワンがイチオシするホットなストレージ製品で、定期的なアップデートなどが目白押しです!

Storage Directって何?

Storage Directとは、PowerStore OS3.5で追加された新機能で、PowerProtect DataDomain(以下PPDD)と連携することで、PowerStore Manager上から、PPDDにPowerStoreのLUNのバックアップを取ったり、バックアップされたデータをリストアすることができる機能です。

バックアップサーバを必要とせず、すべてGUI上から操作できるため、非常に容易にPowerStore上のデータをバックアップすることができます!

検証開始

実際にバックアップやリストアをしてみた感想や、注意点をご紹介します!

前提条件

今回検証用に用意した環境を図1, 2に示します。

図1. 物理構成

図2. 環境イメージ

今回の検証では、PowerStore3000T上に検証用のLUNを作成し、LUN上に仮想マシンを4台用意しました。4台の仮想マシンには、それぞれ200GB分のデータが格納されています。このLUNをDD3300にバックアップして、PowerStore3000Tにリストアを実施しました。

また、Storage Directでは、別クラスターのPowerStoreから取得したバックアップをリストアすることも可能とのことでしたので、PowerStore3000TからバックアップしたLUNを別クラスターのPowerStore500Tにリストアできるかも検証してみました。

ちなみに、全体の流れとしては、まずLUNのスナップショットがPPDD上にバックアップされ、復旧の際は、スナップショットをPowerStore上に取得し、取得したスナップショットをPowerStore上でリストアする、といった流れでデータを復旧します。

まずはバックアップ

まずは、DD3300上にデータをバックアップします。

事前にDD3300でバックアップ先となるストレージユニットを作成しておく必要があります。

ストレージユニットの作成手順については、Data Domain:UIまたはCLIを使用したDD Boostプロトコル ストレージ ユニットの作成 | Dell 日本を参照してください

また、PowerStore Managerからバックアップの設定をする際に、以下の情報が必要となるので、事前に確認しておいてください。

  • PowerProtect DD アプライアンスの管理 IP アドレス
  • ストレージユニット名
  • データ転送パラメータ(転送先のIPアドレス、ユーザ、パスワード)

バックアップを取得するまでの手順は以下の通りです。

  1. PowerStoreとPPDD間の接続を確立する
  2. リモートバックアップルールを作成する
  3. 保護ポリシーを作成し、バックアップ対象のLUNに割り当てる

この場で全てを説明するのは難しいので、ここでは各項目でどんなことをするのか、簡単に説明させていただきます。

より具体的な手順を知りたい方は、 Dell PowerStore データの保護 をご覧ください

1. PowerStoreとPPDD間の接続を確立する

PowerStore Manager上からバックアップ先のPPDDの情報を入力して、PowerStoreとPPDDを接続します。

このときに、さきほど述べたPPDDのIPアドレスやストレージユニットなどの情報が必要になります。

2. リモートバックアップルールを作成する

リモートバックアップルールで、PowerStoreからリモートのシステム(PPDDや別クラスターのPowerStore)にデータをバックアップする際の設定を行います。

設定項目は、以下の通りです。

  • 1週間の内、バックアップを実施する曜日
  • バックアップの頻度/開始時間
  • バックアップされたデータの保存期間

3. 保護ポリシーを作成し、バックアップ対象のLUNに割り当てる

保護ポリシーには、先程作成したリモートバックアップルールの他、筐体内Snapshotやレプリケーションのルールを作成して所属させることができます。

保護ポリシーをストレージリソースに割り当てることで、ポリシーに含まれるルールに従って、バックアップやレプリケーションが行われます。

次にリストア

続いて、リストアを実施します。

まずは、DD3300上にバックアップされたスナップショットを、PowerStoreに取得する必要があります。

この作業は、デル・テクノロジーズ社のドキュメントでは「取得(retrieve)セッション」と呼称されています。

取得セッションでは、スナップショットのソースとなるリソースが残っているかいないかをPowerStoreが判別し、フルコピーか、増分コピーを自動で判断しデータを取得します。

取得セッションが完了した後は、スナップショットからLUNをリストアします。

別クラスターのPowerStoreにデータをリストアする際は、基本的な流れは同じですが、取得セッションの際に、バックアップの取得元となったPowerStoreのグローバルIDとバックアップの取得日の情報が必要となりますので、ご注意ください。

PowerStoreのグローバルIDは、PowerStore Manager の [設定] > [クラスター] > [プロパティ]で確認できます。

検証結果

検証してみた結果、800GBのLUNをバックアップするのに約85分かかりました。

この時間は初回のバックアップにかかった時間で、2回目以降のバックアップは差分バックアップとなるため、さらに短い時間でバックアップが完了しました。

バックアップ中のリソースですが、PowerStore/PPDD共にCPUの使用率が約10-15%程度とバックアップの際に機材にかかる負荷はそこまで重くないこともわかりました。

気になるのは、Transfer Rateが低い点とDD3300の重複排除率が高すぎる点ですが、前者は今回PowerStoreとDD3300でセグメントを分けてしまったこと、後者は、バックアップを取ったLUN上に構築した仮想マシンのデータに重複が多かったことが原因ではないかと考えられます。

この辺りは、今後の課題として、もう少し詳しく検証したいですね…..

検証結果を表1, 2に示します。

表1.PowerStore検証結果

検証内容

検証結果

CPU使用率

6~15%

Average Transfer Rate

78.15MB/s

重複排除率

2.6:1

表2.DD3300検証結果

検証内容

検証結果

CPU使用率(DD3300)

15~20%

Network(DD3300)

110MiB/s

重複排除率

312.20:1

まとめ

やってみた感想は?

今回、Storage Directを初めて使ってみましたが、最初の設定さえ済ませておけばPowerStore Manager上でバックアップが完結し、難しい操作も必要ありませんでした。

半面、バックアップの際にいくつかの要件がある場合、例えばアプリケーションの静止点を取る必要がある場合等は、別途PowerProtectDataManager(PPDM)が必要になるなど、あらゆる場面で使えるかと言われると、難しいと言わざるを得ない印象を受けました。

総合して、とにかくバックアップの手間を削減したい、すぐにバックアップを取りたい、といった要件には適するのではないでしょうか

終わりに

今回は、PowerStoreの新機能であるStorageDirectの検証を実施し、その結果を共有させていただきました。 

PPDMなど、デル・テクノロジーズ社のバックアップ製品には、他にも色々なしリューションがあるので、今度はそちらも検証してみたいですね。

最後に、いつもので締めさせていただきます。

Dell PowerStoreの導入を検討する際は、日本で一番PowerStoreに詳しい男がいる弊社にご連絡ください!!

      ※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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