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NVIDIA OmniverseとMeta Quest Proでnetone valleyをVR体験!

弊社イノベーションセンター(呼称:netone valley)の3Dモデルが手元にありましたので、NVIDIAGPUサーバーを用いてOmniverseに3Dモデルを取り込み、VRモードを試してみました。

ライター:伊藤 千輝
ネットワンシステムズに新卒入社し、IoT/AIの技術の検証/ソリューション開発に従事。また、最新のAI技術をウォッチするために産学連携の取り組みを推進。
現在は製造業をターゲットにスマートファクトリーに向けたデータ収集・集約・加工・保存・活用のためのデータハンドリング基盤の提案導入支援。実際の顧客データを用いた分析支援を行う。
休日は弊社がスポンサーとして支援する大分トリニータをサポーターとして応援。

目次

はじめに

ついに、2024年早々にApple社が「Vision Pro」発売するとのニュースが入ってきました。また昨年、Meta社がMeta Quest3を発売開始しXR元年といわれる2020年から4年ほどたちますが、XR技術では最も変化のある1年になるのではと期待しております。

XRのユースケースではこれまでVRを中心にエンターテイメントや教育・トレーニングでの活用などで徐々に普及してきましたが、新しいデバイスが発売され、よりビジネスユースケースも広がってくると考えられます。

netone valleyの3Dモデルが手元にありましたので、NVIDIAGPUサーバーNVIDIA GeForce RTX 3080、ビデオメモリ10G)を用いてOmniverseに3Dモデルを取り込み、VRモードを試してみました。

Dモデル構築についてはこちらオフィスのメタバース/デジタルツインを作ってわかったこと | ネットワンシステムズ (netone.co.jp)

Omniverse について

NVIDIA Omniverseとは、3Dモデルを使った仮想空間のデザイン開発、仮想空間の複数人での共有、仮想世界を作成からシミュレーションまでを繋ぐコラボレーションプラットフォームです。

プラットフォームの中央にNUCLEUSが位置し、3Dアセット作成時のツールに依存しないファイル形式USD(Universal Scene Description)を管理する役目を持ちます。

CONNECTは3D CAD・3D作成ソフト用のOmniverseプラグインであり、各種デザイン関連のアプリと接続する役目を持ち、別々のツールで開発された3DアセットをUSDに統合してシミュレーションすることも可能です。

KITはOmniverseアプリケーションを構築するための開発者向けのツールキットであり、一般的なSDKのような役割をしています。

その他にもプラットフォームとして、NVIDIAのGPUをいかし、リアルに近い環境でのシミュレーショを可能にするSIMULATIONやRTX RENDERERを提供しております。

Omniverse USD Composer

今回は、Omniverse USD Composer(バージョン:USD Composer 2023.2.0 Beta)という3Dシーンのリアルタイム合成やライティング、シミュレーション、レンダリングまで行える、Omniverse内部のUSDアプリケーションを用いて、没入感のあるVR機能を試してみました。

Meta Quest Proについて

Meta questシリーズは、Meta社が提供する没入型ヘッドセットで、3Dの仮想空間でインタラクティブな体験を楽しむことができます。今回は、エンタープライズでVR開発等に利用されている、Meta Quest Proを用いています。特徴的なのが、解像度の良さです。ディスプレイ解像度(片目) 1800 × 1920、1058 ppi、リフレッシュレート : 90Hz

こちらのMeta Quest ProをOculus LinkでPCと接続して、Omniverseからアクセスできるようにします。Oculus Linkとは、PCと接続することでGPUサーバーのコンピューティング、グラフィックスの性能を使って、高解像度なゲームなどスタンドアロンの Quest 端末では利用できない、より幅広い VR 体験ができるようになります。

PCへの接続は有線と無線があり、有線の場合はグラフィックの遅延などは少ないですが、ケーブルが常に接続されているので、動き回るようなVRコンテンツでは不向きです。一方で無線の場合は、接続環境である程度の高帯域、低遅延が求められます。

※Meta Quest ProはWi-Fi 6Eまで対応しておりましたが今回は環境上の理由でWi-Fi 5での検証になります。

検証構成

まずはOmniverseのコンポーネントのほかに必要な、STEAM VR , MetaQuestのデスクトップアプリをインストールします。必要に応じてユーザー登録、Meta Questの初期設定を実施してください。

その後の手順は以下になります。

①QuestのデスクトップアプリからQuest LinkでMeta QuestとPCを接続します。
Set up Meta Quest Link | Meta Store

②STEAM VRをインストールして起動します
Steam:SteamVR (steampowered.com)

するとSTEAM VRがMeta Quest上で起動し待機状態となります。

③Omniverse USD Composer(今回は2023.2.0Bataで検証)上に3Dモデルをインポートします。
その後、USDのExtensionsウィンドウで「XR」と検索すると以下のように「XR ADVERTISE」「AR EXPERIENCE」が出てきますのでインストールをしてチェックを入れます。

右下にVRモードが追加されますので、先ほど起動したSTEAM VRにOutput pluginをセットしStart VRボタンを押すとMeta Quest 上でVRモードを開くことができます。

netone valleyをVR体験

VRモードを開始すると、Meta QuestでVRが開始されます。VRゴーグルは2つのディスプレイを両目で見ることでVRを体験できる仕組みになっており、Omniverse USD Composerでは下記のように表現されます。自分が動いてのぞき込むこともできますが、コントローラーで移動し必要な場所へボタンでドロップして詳細を見ることもできます。

所感

  • 比較的スムーズな映像で没入感あるVR体験ができた(Omniverseの特徴である同時コンテンツの編集などは試せていませんが…)
  • Quest Link , STEAM VR経由で接続されるため、アプリケーション連携で動作が不安定な場合がある
  • 無線接続の場合は電波強度や帯域の影響を受けやすい
  • 有線接続はコードが移動中邪魔になるので安全面で課題が残る

上記を踏まえて、技術的な面ではVR実装はインフラ面での影響を受けやすいということを改めて感じました。

まとめ

今回検証したVR機能はBata版で提供されており、今後仕様が変更になる可能性があるのでご了承ください。

弊社でもGPUや次世代無線ソリューションの検証、開発を行っておりますが、VRはこれらインフラ環境を体感するための一つのユースケースになると思います。

まだまだ検証段階ではありますが、netone valleyのINNOVATION SHOWCASEでは、こちらのデモをご覧いただくことが可能ですので、お気軽に弊社営業担当までお問い合わせください。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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