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GXや脱炭素でITが活躍!?エネルギー生産性

世界が脱炭素に大きく舵をきって早数年。脱炭素に貢献する様々なテクノロジーが、日々開発され実運用に向けた取り組みが進められています。

GXのテクノロジーは様々ありますが、ITが活躍するものに限定すると、意外と?数が少なく、思い付くのは温室効果ガス(Greenhouse Gas)排出量(以降、GHG排出量とする)の可視化くらいでしょうか。そして、GHG排出量の可視化は国内外の多数のベンダーが参入するレッドオーシャンと化しています。

本ブログでは、GHG排出量可視化以外でITの活用が期待される、エネルギー生産性について紹介します。

目次

エネルギー生産性

エネルギー生産性とは、分母にエネルギー消費量、分子に経済生産高・付加価値額とする指標で、企業が事業で消費しているエネルギーをどれだけ効率よく利用しているかを示すものです。このエネルギー生産性を向上させると、事業を拡大させながらも事業で使用するエネルギー消費量が増加していない、もしくは、減少していることになり、脱炭素の取組の一つとして対外的にアピールすることが可能となります。

そして、そんなエネルギー生産性に関連する国際的なイニシアチブに、EP100があります。

EP100について

  • Climate Groupがリードするグローバル企業のエネルギー効率化に関するイニシアチブ(Climate Groupは、RE100とEV100もリード)
  • 参加企業は次の3つの何れかを約束:「エネルギー生産性(エネルギー効率)の倍増」「エネルギー管理システムの導入」「Net Zero Energy Buildingの所有・開発」
  • Schneider ElectricH&Mなど世界で125社以上が参加(日本からは、オムロン、NTTなどが参加)

なお、「エネルギー生産性(エネルギー効率)の倍増」では、使用するエネルギー生産性指標は企業毎に決定します(例:製品単位/ギガワット(GW)、フルタイム従業員/メガワット時(MWh))など)。

また、事業で使用するエネルギーを全て再生可能エネルギーとすることを目指すRE100の参加企業数は世界で400社をこえており(日本からは100社近くが参加)、RE100と比べるとEP100の知名度はまだまだな状況ではあります。

エネルギー生産性を向上するために必要なこと

事業を拡大するにあたっては、製造業であれば生産設備を増加・通信事業者であれば通信設備を増加など、事業で使用するエネルギー消費量が増加する施策が考えられ、事業を拡大させながらエネルギー消費量を抑制・削減することは簡単ではありません。また、省エネルギーに関する取組は、脱炭素の潮流の10年以上前から各企業が実施し、既にやりつくしている状態かもしれません。しかし、ITは、このやりつくした状態であっても更なる省エネルギーの実現に貢献すると考えています。

但し、現時点では、エネルギー生産性向上に着目している企業がまだまだ少ないこともあり、事例の公表もほとんどなく、具体的なIT活用方法が明確になっていません。しかし、乾いた雑巾をしぼる状態の中で更なる省エネルギーを実現していくためには、「リアルタイム」「エネルギー生産性指標の可視化」「可視化データを分析し最適化施策を随時投入」をセットで繰り返していくことが有効ではないでしょうか。その結果が、生産やサービスが増強されながらも使用するエネルギー消費量を抑制及び削減することにつながるはずです。

そして、その実現の一例として、リアルタイムにきめ細かな対応を可能とする、センサーやデータ分析基盤によるデータ取得・分析・最適化があり(いわゆるIoT)、これらを実現する上でその柱となるのがITではないかと考えています。

まとめ

本ブログでは、GXや脱炭素においてITが活躍する可能性があるエネルギー生産性について紹介しました。今の段階では、まだまだ具体的で効果が確実なIT活用方法までは落とし切れていないこともあり、継続してその動向を注視し続けることを考えています。GHG排出量の可視化以外でも、GXITが活用する場が存在することを、どうぞ留意いただければと思います。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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