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社内データ分析コンペ開催までの道のり

ライター:池田 健敏
ネットワンシステムズに新卒入社し、データ活用の取り組みとしてAI/IoTの技術の検証/ソリューション開発に従事しております。
データ収集、可視化、データハンドリング基盤の導入支援や顧客データの分析支援を行っております。

はじめに

近年、企業におけるデータ活用が活発になっています。例として、データに基づく意思決定や顧客データを分析して売上向上につなげるなどがありますが、そのデータ活用、データ分析ができる人財の育成や社内のデータ分析文化の醸成についてお悩みの方は多くいらっしゃるかと思います。
本記事はそのような方を対象に、弊社内で行ったデータ分析コンペについて、関連部署との実施タスクなどをご紹介いたします。
社内でのコンペ開催はデータ分析関連部署と他の部署との関わりを作り、部署をまたいだ議論やデータ活用コミュニティを形成し、社内でのデータ活用に対する意識向上のとっかかりとなると思います。

データ分析コンペとは

自社のデータやオープンデータなどを用いて、機械学習を使った予測やBIツールを使った可視化を元に分析、考察をまとめ、提出したあと、採点者が評価して順位付け、発表する競技会を開催しています。
分析テーマは毎回異なりますが、これまでに7回開催しています。(2022年11月現在)
参加者にデータを配布し、各参加者が主体的に与えられたデータの中から、何を目的に分析するのかという点や過去の業務経験から仮説を立て、データを元に実証、考察します。

なぜデータ分析コンペを開催するのか

大量のデータが取得可能になり、過去の膨大なデータから傾向を分析し、将来の変化を予測する人財が重要視されるようになってきました。
需要の予測や故障の事前検知などを通じて、無駄なコストの削減や業務効率化が可能になります。そういった社会需要に対応するために、データ分析ができる人財の育成が重要になってきました。ただ単にデータ分析について学ぶよりも、社内でデータ分析コンペを開催することで、楽しく競い合いながら人財の育成を目指し、また、実際の社内の課題や実データを用いて分析することでネットワンDXへの貢献や、自社の問題の把握をし、主体的に改善できるような意識づけや問題点自体の共有を目指しています。

社内データ分析コンペ開催にあたって他部署との連携

過去7回にわたって開催してきたデータ分析コンペですが、開催に至るまでには様々な課題がありました。分析用のデータをどうやって準備するのか、セキュリティ的に公開できるデータなのか、そもそもデータ分析に適したデータなのか、参加者が分析するための環境はどうするのか。このような課題を解決するために、他部署との連携、協力が必要でした。

開催者側

  • データの準備、精査

    コンペで提供するデータとして適したオープンデータがあるか検討、もしくは過去に自社で持っているデータから課題解決を試みたことがあった場合、そのデータを使用させていただけるかの調整、既に持っている自社データを活用できないかを検討しました。データ量が多すぎて初級者が取り扱うことが難しいものはデータの傾向が変わらないようにデータの削減や、顧客情報などがあり、全社公開できないものに関しては事前に匿名化などの前処理、そもそもデータ分析して何か考察ができるデータなのか、何らかのアウトプットが期待できるデータなのかを事前に検討します。

  • データ分析勉強会の開催

    社内にはまだまだデータ分析未経験の方が多く、そういった方々にもできるだけ多く参加していただくために、どういったツールがおすすめか、どうやって使うのか、一般的なデータ分析の進め方などについて勉強会を開催します。片方向の勉強会だけではなく、実際にコンペで使用するデータを使用したハンズオンを実施し、データの見方や傾向、考え方などについて一緒に実施することでコンペ参加へのハードルを下げることも実施しました。

  • 分析環境構築、提供

    全社提供できるツールがあれば良かったですが、現時点ではまだ存在していないため、参加者には分析環境を社内の仮想基盤に構築してもらう必要がありました。そのため、できるだけ参加者の負担のならないように手順書の作成などを実施しました。

セールスエンジニア本部

  • 予選審査

    できるだけ多くの方にデータ分析についての知見を得てほしいという思いもありますが、決定権を持つ人財がデータ分析に関して理解を深めてほしいため、マネージャー約200名に提出物の予選審査をしていただきました。

リスク管理部

  • セキュリティ監査

    今回提供するデータがセキュリティの観点での影響度の有無、その対策方法について相談させていただきました。

DX推進部

  • 分析環境、データの提供

    分析用社内データの提供と、コンペ参加者へ公開する前にデータを加工するための仮想環境の提供をしていただきました。

法務部

  • 誓約書の準備

    万が一にも社内情報が流出しないように参加者に誓約書を書いていただくためのフォーマットの準備をしていただきました。

総務部

  • 全社KickOff調整

    データ分析の文化を全社的にも普及させるため、期毎に実施する全社KickOffにて受賞者の発表機会の場を設けていただきました。

ビジネス開発本部 応用技術部

  • 参加者用環境の準備

    参加者が使用できる分析環境用の仮想環境を提供していただきました。

まとめ

年2回開催し、今年でデータ分析コンペを開催して4年目になり、参加者も総勢100名を超えました。年を経るごとに参加者のレベルも上がり、コンペへの認知度や社内へのデータ分析への理解度が向上してきたと実感します。開催にあたり、たくさんの部署との連携が必要になりますが、連携する部署が多いほど、データ分析について直接説明をする機会にもなるため、より一層相乗効果があると感じています。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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