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PowerStore Xシリーズでカメラ検証をやってみた!

目次

はじめに

ネットワンシステムズの川和です!

前回 の記事ではPowerStore Xシリーズについて紹介させていただきました。

今回は、PowerStore Xにおけるユースケースの一例として、防犯カメラソリューションでの使用を想定した検証を実施いたしましたので、その結果をご紹介します。

概要

PowerStore Xシリーズって?

デル・テクノロジーズ社のミッドレンジ~ハイエンド向けのストレージ製品です。

特徴として、内部にESXiがインストールされており、ストレージとしての利用に加えて、PowerStore上でアプリケーションを直接実行できます。つまりは、サーバのようにVMを内部に構築できるのです。

利用用途の1つとして、図1のようなエッジ-コア環境での利用が想定されます。

従来のストレージでは、コア側のストレージ・サーバとの連携により、データのReplicationVMのコア側への移行などが可能でした。

PowerStore Xシリーズでは、この従来の機能に加え、大容量のストレージと仮想環境を組み合わせることで、エッジ側で収集したデータを、ストレージ環境に保存しつつアプリケーションで処理をすることが可能になります。これにより、エッジ上のアプリケーションでデータ分析や自動制御などの高度な処理を実行でき、エッジコンピューティングの高速化に寄与できることが期待できます。

画像1.png

1. 利用用途イメージ

検証してみた

実際に検証した結果の一部と所感をご紹介します!

なんでカメラソリューションなの?

先程も述べました通り、PowerStore Xシリーズは、エッジ-コア環境での利用が想定されています。

その中で、既存のサーバ・ストレージ環境と比較してPowerStore Xシリーズの特徴を活かせる環境を考察すると、大容量かつ、サーバ機能が必要だが、性能はほとんど必要ない(わざわざサーバを購入するのはもったいない)といった環境でのニーズが存在しそうです。

では、どのような状況で上記のニーズは発生するのでしょうか?

そこで、我々が有識者にご相談し、考察に考察を重ねた結果、防犯カメラソリューションならそのようなニーズがあるのでは?と推測しました。

防犯カメラソリューションで求められる要件の1つに、録画データをエッジ側で一定期間保存し、保存期間を過ぎたデータをコア側に送信する。また、有事の際はエッジ側で録画データに対してイベント処理が可能である点が挙げられます。

この際、PowerStore Xが既存のデル・テクノロジーズ社サーバ PowerEdgeと比較した際に、PowerStoreが勝るポイントとして、以下の点が挙げられます。

大容量である(PowerStoreはNVMe SSDディスクを最大で21本搭載でき、大容量を確保できる)

② 耐障害性(PowerStoreは1筐体の中に2つのノードが内蔵され、冗長構成を取っている)

これらのポイントは、防犯カメラ以外のソリューションにおいても、既存環境と比較する上で重要になりそうですね。

検証するぜ!!

検証内容は以下の通りです。

① PowerStore X上にVMを作成し、ビデオ解析アプリケーションをインストールする

② 弊社データセンターのラックの様子をカメラで録画したデータを、上記のアプリケーションを通してPowerStore X上に保存する

③ 7日間分のデータを保存し、データ容量の増加やリソースの消費を計測する

検証のイメージを図2に示します。

画像2.png

2. 検証イメージ

検証の際使用した仮想マシンの情報を以下に示します(表1)。

1. 検証用仮想マシンのスペック

画像3.png

使用したDell PowerStoreの構成情報はこちら(表2)。

2. PowerStore3000Xの構成情報

画像4.png

今回、カメラはAXIS PE3245-VE1台接続し、また、ビデオ解析アプリケーションにはGorilla社のIVAR®を使用しております。

検証結果

検証結果のご紹介に移ります!

まずは、検証中の容量の増加について以下に示します(3)。

3. 検証中の容量の増加

1日当たりのデータの増加量は約20GBで、6日間で110GBとなりました。

今回使用したPowerStore3000Xでは、物理容量を26.9TB搭載しているため、検証環境においては、容量にかなり余裕があると言えるでしょう。

IOPSは常時10IOPS程度で、PowerStoreにほとんど負荷はかかっていないことがわかります。

性能面での不安はほとんどなさそうですね。

続きまして、検証中のVMのリソース消費を図4,図5に示します。

画像6.png

図4. 検証用VMにおけるCPU使用率

画像7.png

図5. 検証用VMにおけるメモリ使用率

CPUの使用率は100MHzほど、メモリは8GBをほぼ全て占有していました。

CPUについては、PowerStore3000XCPUリソースの内、ESXiで利用できるリソースは24CPU * 2.1GHzとなるので、検証環境では、CPUリソースにまだ余裕があることがわかります。

問題はメモリですが、どうやらIVAR®の仕様上、今回の環境ではVMのメモリを全て占有してしまい、占有したメモリを内部でどのように使用しているかは判別できませんでした。  

カメラソリューションとして利用できるか

一般的なカメラの録画データ保存期間は1週間~1ヶ月が多いと言われています。

今回の検証結果より、PowerStore3000Xは、容量・性能の両面において一般的なカメラソリューションでの利用は十分可能かと思われます。

仮に、今回の検証で利用したPowerStoreを録画データの保存のみに利用する場合、一般的なコンビニエンスストアなどで利用されている防犯カメラソリューション(カメラ16台・24時間稼働)を想定すると、最大68日分データを保持できる計算となります。

※容量:(26.9TB*0.8*1024)/(20GB*16)68

終わりに

今回は、PowerStore Xにおけるユースケースの一例として、防犯カメラソリューションでの使用を想定した検証を実施いたしました。

カメラソリューションに限らず、途中で述べた大容量・耐障害性が求められるユースケースを想定した検証を、今後は実施してみたいですね。

カメラソリューションでも、今回はデータの保存のみでしたが、データの加工やイベント処理など、まだまだできることはあると思うので、これで終わりにするのではなく、今後もカメラ関連の検証は続けていきたいです。

最後になりますが、Dell PowerStoreの導入を検討する際は、日本で一番PowerStoreに詳しい男がいる弊社にご連絡ください!!

参考

    ※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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