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若手社員のテレワーク意識調査

ライター:増中 隼斗
2021年入社。自治体市場と教育市場への提案活動を担当後、現在は、政府省庁が発信するIT関連の指針やメーカー情報を収集する等のマーケティング活動を担当しています。

はじめに

 この記事は、ウィズコロナの新しい時代、テレワークを進めてもいいのか悩む経営陣や情報システム部門、社員を管理するマネジメント層へ向けた記事です。

 テレワークにはメリットもありますが、デメリットもあります。そのデメリットを鑑みて企業の経営陣や情報システム部門は、このままテレワークを進めてもいいのかという疑問を抱えていることでしょう。

 今回は、弊社内の入社1,2年目の新卒・第二新卒社員を対象としたテレワークに関する意識調査のアンケート結果を基に、テレワークをすることで抱えてしまう課題や、その課題を解決するような制度や取り組みなど、若手社員がどのようなサポートを企業に求めているのかをご紹介いたします。

 今求められている新たな働き方の形について、一つの意見をお届けできたらと思います。

アンケートについて

 設問は全部で10問、入社1,2年目の新卒・第二新卒社員240名に依頼し、有効回答106件をまとめました。
末尾に詳細な結果を掲載しております。 

 1.テレワークの頻度はどれくらいですか(単一回答)
 2.テレワークを選択している理由は何ですか(複数回答)
 3.テレワークのメリットは何ですか(複数回答)
 4.テレワークで抱えている課題は何ですか(複数回答)
 5.設問4に答えたうえで、テレワークでしている業務での工夫は何ですか(自由記述)
 6.社内のテレワークを推進する制度で、改善をしてほしいものはありますか(複数回答)
 7.設問6で選択をした制度で、どういった改善をしてほしいですか。または、どのような制度があればよいと思いますか
 8.ステージ3(社内のwithコロナデフォルトステージ)になったら、出社勤務の頻度はどれ程にしますか(単一回答)
 9.原則出社をしている理由は何ですか(複数回答) 
 10.テレワークに対するあなた自身の考えを教えてください

テレワークのメリット:出社時間の削減、自分のペース配分

 "設問3.テレワークのメリットは何ですか"の質問では、102名の回答者のうち98名が「出社時間がなくなること」を選択しており、次点の、「自分のペースで仕事が出来ること」に40名ほど差をつけています。

 長い出社時間や満員電車からの解放、朝の時間をゆっくり出来るなどのメリットを、今の若手社員は想像以上に重要視しているのが分かってきます。

テレワークのデメリット:コミュニケーションの課題

 "問4.テレワークで抱えている課題は何ですか"の回答から見て取れるように、回答者103名中81名がコミュニケーションを課題と感じていることが分かります。

 具体的な声を聞いてみると、「コミュニケーション不足に陥っているので上司同僚とちょっとした会話の場が欲しい」「新人のうちは出社して直接コミュニケーションを取った方がよい」「相手の顔が画面越しだと覚えづらい」といった意見が出ています。

 対面だと話しかけやすく、ちょっとした雑談などを通じて情報交換や業務の共有事項が出来ますが画面越しだと話しかけるハードルが上がってしまい、コミュニ―ケーション不足が出てきてしまうという意見が多く出ています。



テレワークのデメリット:金銭面の負担が多いテレワーク

 "設問6.社内のテレワークを推進する制度で、改善をしてほしいものはありますか"では、104名の回答者のうち約半分の50名の方がワークライフバランス手当を選択しております。

 弊社ではワークライフバランス手当が支給されており、テレワークを推進、社員の業務環境を整えるための支援として支給されております。

 テレワークをする場所の割合としては自宅が一番多いので、光熱費やデスク環境の購入費、オンライン会議や業務に耐えうるだけのネット回線の導入など、社員の負担が多くなるデメリットがあります。その負担を軽減するために、企業がなるべく費用の負担をすることが社員に求められていることが分かります。

企業に求められるのは

 アンケートから見えてきた若手社員の主な意見は、下記二つだということが分かってきました。

 1. テレワークを続けたいが、コミュニケーションが取りづらいので週1,2日ほど出社をしたい
 2.テレワークをする上での、手当の支給額を上げてほしい

 これらの課題に対して企業はどのような対応をするべきでしょうか。

  • 普段の想像力が問われる新たなコミュニケーション 

 テレワーク中心となったことで雑談や気軽な業務の共有をしづらいというコミュニケーションの課題が大きな障害となります。私が思うに、一番大切なことは、画面越しの相手の表情を想像する能力なのではないでしょうか。
 対面が減った今、相手の表情が見えづらく話しかけづらい、雑談出来ないというのは、相手が今どういう状況で仕事をしているのか、どういう人なのかということを知ることができていないので、チャットや電話をして怒られたらどうしよう、迷惑じゃないかなどのネガティブな感情が生まれてしまうのだと思います。

 もし、チャットや電話をする相手が同期や仲のいい先輩・同僚ならどうでしょうか。相手の顔が自然と頭の中に浮かび、連絡をする前に迷惑ではないかと、考えたりしないと思います。
 普段からも同様で、連絡をする相手がどういった表情なのか想像をすることが大切です。仮に、相手が忙しい状況でも、必要な共有事項を共有しないことで、業務の手戻りが発生してしまうと、そちらの方が相手にとって不利益になってしまいます。そういった相手の表情はもちろん、その先の業務の効率性を想像することも大切になってくると思います。

 企業はまず、社員のマインドセットを変える研修や周知をするのはどうでしょうか。テレワークが主体となった新たな仕事の進め方に対応できるようなマインドが新たな令和の時代に重要になってきます。

  • 重荷となるテレワーク費用 

 テレワークをすると、水道代・光熱費、通信費、デスク費用などの負担が増します。さらに、2022年4月からの大手電力7社による電気料金値上のように、世間の物価上昇によってその費用不可も年々重くなっている状況が挙げられます。
 そういった中、企業としてできることは二点あります。オフィスと同等の環境を用意できるような費用の手当を出すか、ウィズコロナ時代を見据えて新たな勤務体制を推進するかということです。
 一点目に関して、企業側が住宅手当を出したり、テレワーク費用として手当を増額すれば、社員の満足度を向上させる事ができるかもしれませんが、それらにかかる費用はテレワークによって浮いた交通費を差し引いたとしても大幅な負担増となります。

 それなら、ウィズコロナ時代の新たな業務環境を推進することで、社員の業務効率ややる気を上げる試みをするのはいかがでしょうか。
 テレワークだけでなく、コミュニケーションが取りづらく困っている新人は希望すれば、先輩社員と一緒に、週1,2日は出社して業務をする環境や働きかけを会社側から用意したり、懇親会費を出して先輩・同僚の人となりを知れるような場を作ってあげたりと、社員が困っていることに関して何か取り組みをするのが大事になってくると思います。

まとめ

 テレワーク勤務はコミュニケーションなどの課題も出てきますが、出社時間が無くなったり、業務効率が上がったりと前向きな意見が多く出てきました。
 基本的に若手社員はテレワーク勤務を主体とすることを望み、テレワークをする上で出てくるコミュニケ―ションや費用などの課題解決を求めています。

 企業として出来ることは、社員一人ひとりにあった働き方に対して、企業が何らかのサポートをすることだと思います。コミュニケ―ションに困っている人には、対面の場を用意してあげたり、運動不足などの健康面を心配している人には運動ジムと契約をして福利厚生の一環で割引制度を実施するなど、課題を把握して取り組みをするのが重要だと思います。

 この記事が、これからのテレワーク制度を見直している方々の役に立つことができたら幸いです。

アンケート結果






※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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