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マーケティングファネルをベースにした案件支援体制の確立

ライター:坂田 玲子
ネットワンアカデミー講師として、約10年マルチベンダ環境における企業やサービスプロバイダのネットワーク構築・運用コース、RedHatコースを担当していたが、Ansibleを利用した自動で演習環境を提供するセルフラボを2016年に開発したことで、講師から自動化推進担当へ、現在はNetOneSystemsUSAで駐在員として日々奮闘中。
イラストが得意で、当社のキャラクター「コアルータン」をデザインした。
CCIE Routing and Switching
CCIE Service Provider

目次

はじめに

情報過多社会の中、皆さんは届けたい情報を届けたい人に伝えられていますか?

私は4年前からインフラ自動化案件のプリセールス担当として顧客を営業部門と共に訪問し自動化についての提案やデモをしています。
徐々に自動化が浸透しインフラ導入する際には、自動化の提案や導入が徐々に当たり前となる案件数が増えていきました。
喜ばしい反面、数あるコンテンツを私自身が一つ一つガイドして営業部に伝えていくということを4年前と変わらず行っており、自動化を提案しながら自身が自動化できていない状況が続いていました。

解決策として、このブログでは情報を整理し、使いたいタイミングで営業部門が必要な情報を使い、案件を進める仕組みとしてマーケティングファネルの考え方を取り入れ実践した事例をご紹介します。

自動化案件のフロー

マーケティングファネルとは、商品やサービスに興味を持った顧客が商談に至るまで「じょうご(ファネル)」のように顧客が徐々に絞り込まれる様を表現した用語になります。

自動化案件では、はじめにヒアリングを実施後、自動化事例の紹介や自動化デモへ進みます。その後、自動化ポイントを具体化するためのワークショップや運用イメージを描くためのトレーニングに進み、プロトタイプを作成し効果測定を実施してから案件化していく流れが主流です。

この自動化案件フローをマーケティングファネルのフェーズに当てはめると3つのフェーズに分ける事ができました。

①リードジェネレーション(見込み顧客獲得フェーズ)

②リードナーチャリング(見込み顧客の育成)

③プロトタイプ開発(構築)

より詳細な自動化案件プロセスとフェーズを図式化したものが以下の図になります。

①リードジェネレーション

リードジェネレーションに対応するプロセスは、顧客ヒアリングから始まります。

一番重要な情報を伝える間口を広げるため、今回新しく「インフラ自動化事前Web診断アプリ」を開発しました。

過去100件以上のプリセールスによる現場でのヒアリング結果を元に、抽出した設問に落とし込み結果として、全体的なインフラ自動化レベルのスコアリング、自動化を進める上でのボトルネックの提示、ネットワンが提供可能なソリューション、の3つを顧客に提供するものです。

アプリの詳細については、実際に手を動かし開発した新人2名のブログをご覧ください。

インフラ自動化事前Web診断アプリケーションを開発 -Webアプリ内容編①
インフラ自動化事前Web診断アプリケーションを開発 -新人チャレンジ編②

このアプリの結果次第では、次のフェーズであるリードナーチャリングの提案へ進む場合もありますが、もう少し判断するための情報を必要とする顧客が大多数です。

そこで、さらに提案資料とデモの2つのコンテンツをリードジェネレーションの中で用意しています。

以下の画像は社内で開発されたナレッジ共有プラットフォームアプリケーションです。

提案資料の中には、ネットワンの自動化に対する取り組みや、事例などのパワーポイントが解説付きで格納されており、誰でもプレゼンができるように用意されています。よく使われる資料以外にも、時折利用される説明資料も多くあることから、星マークの数で資料のおすすめ度がわかるような工夫も取り入れています。

また、デモについては、プレゼン用パワーポイント、動画、コードの一式をまとめて準備されておりこちらも環境が整えばすぐに実施できるようにしています。

②リードナーチャリング

顧客が自動化による効果を発揮できるためのノウハウを提供し続けていくのが、リードナーチャリングのフェーズです。

このフェーズになると、プリセールスを実施している私が所属するチームだけではなく、トレーニングを実施する教育チームや、次のフェーズであるプロトタイプ開発を見据え実現性検討をする為に構築部隊との連携が始まります。

ここで提供するのは、トレーニングとワークショップのメニューであり段階的に提供していきます。

ワークショップは、どこを自動化するべきか整理できていない顧客に対して自動化ポイントを可視化して抽出するアプローチです。ワークショップの結果から自動化のTo Be像とロードマップを作成していきます。ロードマップの中で自動化の内製を考えている顧客に対してはトレーニングを提供します。

基礎的なコンテンツだけでなく、顧客が自動化を実施したいインフラ機器に特化したトレーニングなども行い徐々に自動化運用が顧客内でできるイメージを作っていきます。

トレーニングコンテンツは当社のエンジニアに対しても用意しています。ネットワンではマルチクラウドで検証できるLab as a Serviceと呼ぶ環境を用意しており、クラウド上に自動化トレーニング環境を自動構築し、いつでも学習できる環境があります。

③プロトタイプ開発(構築)

プロトタイプ開発で必要な資料は技術資料となります。ネットワン社内での検証結果やベンダーからの資料など構築に有益な資料を準備しています。

また、ネットワンValidated Designと命名された検証済みの設計資料なども格納しています。

まとめ

今までコンテンツは多く揃ってきているにも拘わらず活用できていませんでしたが、マーケティングファネルの考えを取り入れて、それぞれのフェーズのコンテンツを営業部に説明し提示することで分かりやすく興味を持って資料を見てもらえるようになりました。

①リードジェネレーションでは顧客ヒアリングから提案、デモまでのコンテンツ

②リードナーチャリングでは顧客が自動化による効果を発揮できるためのノウハウを提供し続けるコンテンツ

③プロトタイプ開発では実際の製品に関する技術資料

これらの資料は、共有し直接営業部からフィードバックを得ることでますます充実しより良いものになっていきます。

また、チーム内でも情報共有がしやすくなることで自動化ノウハウの属人化を防ぐことに繋がり、メンバーの異動がある場合などでも同じ品質かそれ以上で顧客の自動化の実現に寄与することができるようになりました。

ここまで読んでいただき当社の自動化に興味を持っていただきましたらぜひ当社営業までお声がけください。

「インフラ自動化事前Web診断アプリ」と一緒にお伺いさせて頂きます。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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