
- ライター:小田村 章史
- 2019年より公共市場のフィールドマーケティング、営業支援を担当。
以前は自社SECサービスの拡販、アカウント営業、アカウントSEを経験。
2021年より働き方改革関連ソリューションに従事。
目次
はじめに
多くの企業でオフィスへ出勤する人、自宅からテレワークする人が混在するハイブリッド型へと、働き方が大きく変わってきているかと思います。そのような中、新しい働き方においてコミュニケーションの面で課題を感じている方も多いのではないでしょうか。 私も中途入社の新メンバーとはオンラインでしか会ったことがないという状況で、コミュニケーションに課題を感じていました。 とはいえ生産性を高め、目標を達成するには、メンバー間の活発な意見交換が必要不可欠で、例えばチームビルディングを通じて互いを深く理解できれば、コミュニケーションの質も高まり、 たとえテレワークであっても生産性を高め、良い仕事が出来るのではないかと考えていました。
【チームビルディングとは】
チームの関係性を強化し、組織のパフォーマンスを最大化するための手法です。
お互いの能力や経験、役割をよく理解し、チームとしてどこに向かっていくのかを明確化することでメンバーは具体的な行動を取れるようになり、チームが機能するようになります。
こうして個々の業務がうまく嚙み合うようになれば成果も上がりやすくなり、主体性が高いながらも対立することはなく、相互にサポートができる状態が確立され、組織の成長へとつながっていきます。
会社の研修で経験された方もいらっしゃると思いますが、多くの場合、対面での共同作業という形式だったのではないでしょうか。
本ブログでは、試行錯誤の中、我々がやってみたオンラインでのチームビルディングをご紹介します。
やってみた

【アンガーマネジメントとは】
1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。怒らないことを目的とするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。
当初は犯罪者のための矯正プログラムなどとして活用されていましたが、時代の変遷とともに一般化されていきました。
※今回弊社で実施したのは「アンガーマネジメントゲーム」であり、「アンガーマネジメント研修」ではありません。
日本アンガーマネジメント協会
図 2 アンガーマネジメントによる効果
- オンラインで実施する場合の、アンガーマネジメントゲームのルール
アンガーマネジメントゲームは本来オフラインで集まって行うものですが、今回オンラインで実施するにあたり、弊社オリジナルのルールにカスタマイズしました。利用した会議ツールはCisco社のWebex Meetingsとその最新機能Slidoです。このSlidoはライブ投票機能で、オンラインでもインタラクティブなコミュニケーションを可能とします。
まず、部員を以下の4つの役割に分け、ゲームをしていきました。
・司会者… このゲームを進行する人
・回答者… 「お題カード」を引き、怒り度合いを他の部員から予想される人
・予想者… 回答者の怒り度合いを予想し、全員の前で発表する人
・参加者… 司会者/回答者/予想者以外の部員全員
ゲームの進行は以下の通りです。
【ルール1】司会者が部員の中から回答者を1名指名する。
【ルール2】司会者が「お題カード」(図3)を画面に映し、回答者自身がその状況に遭遇した時、どれくらい怒るか(図4)を用紙に記載する。 (1=全く怒っていない、10=激怒)
【ルール3】回答者の性格・普段の行動などから想定される怒り度合いを、参加者が1~10の数値で予想しSlido を使って投票を行う。
【ルール4】参加者の投票が終ったら、予想者は自身が投票した怒り度合いとその理由を発表してもらう。(図5)
【ルール5】司会者が参加者の投票結果を全員に画面共有する。(図6)
【ルール6】回答者が怒りの度合いとその理由を発表する(答え合わせ)(図7)
図 3 お題カード(ルール2)

図 4 怒り度合いの基準(ルール2)
ゲームの進行・ルールについては以上となります。
いよいよ、ゲーム開始です。
図5は参加者である私のWebex Meetingsの画面で、【ルール4】で予想者が怒り度合いを「10」と予想している場面です。

図 5 Webex Meetings画面
図6は【ルール5】で司会者から共有されたSlidoの管理者画面です。このように全員の投票結果がグラフとなって表示されます。 参加者の予想としては、「10(激おこ)」が一番多いようです。

図 6 Slido管理者画面
図7は【ルール6】で回答者が数値を発表している場面です。怒り度合いは「8」でした。参加者の投票結果は「10」が一番多かったので、予想は「ハズレ」という結果となりましたが、他の部員からは「もっと怒るでしょ」というようなヤジが飛び、みんなでわいわいと回答者の「怒りの度合い」についてしばらくやりとりが続きました。 誰かの発言を受けてさらに発言があったり、大笑いしたり、ゲームではありましたが一体感を感じられ、楽しい時間となりました。

図 7 回答者の怒り度合いの発表
- Webex Meetingsの最新機能Slidoについてご紹介
上記で使用したWebex Meetingsの投票機能であるSlidoについて、ここで簡単にご紹介します。
参加者はPCでSlidoのホームページからアクセスするか、またはスマホ等でQRコードを読み取ることにより簡単に投票する事ができます。
次の図8は行ってみたい旅行先を3つの選択肢(北海道、大阪、沖縄)から選び、投票する画面となります。

図 8 QRコードと投票画面
投票後の結果表示画面が図9となります。
設問作成時の設定により、同じ投票結果でも違う表現をすることが可能となっています。(投票数は、沖縄:3/北海道:2/大阪:1)
左が棒グラフで表現される「Muliple Choice Poll」で、右が投票された数に応じて文字の大きさが変わる「Word Cloud Poll」です。

図9 投票結果画面
Slidoには今回利用した「Muliple Choice Poll」や「Word Cloud Poll」以外にも様々な表現方法があり、利用シーンに合わせて使い分けると良さそうです。
図10 Slido設定画面
さいごに
チームビルディングを行う際、オンラインはオフラインと比べて意思疎通が難しい、コミュニケーションが取りづらい、と一般的には言われています。しかし、今回ご紹介したようなオンライン会議やライブ投票のツールなどを活用することにより、参加者の双方向コミュニケーションを促すことができ、メンバーの意思疎通を活性化させて、有意義なチームビルディングを行うことができました。 ハイブリッドワーク環境でのチームビルディングとしてご参考になれば幸いです。
弊社ではお客様の働き方改革に関連するご支援を行っております。ご興味のある内容がございましたら、お気軽に弊社営業までお問い合せください。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。