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ラボで使用される電力消費量の可視化とシステム監視自動化をやってみた

ライター:庄谷 信哉
2005年にネットワンシステムズに入社し、スイッチ製品の新旧技術の調査・検証業務を元に
ネットワーク提案、導入を支援する業務を経て、現在は、クラウド関連製品担当に従事。
最近は、企業システムの今後のマルチクラウド化を見据えたクラウド関連技術の最新動向に注目している。

目次

はじめに

今回は、データセンターの機器に対する電力消費量のモニタリング・可視化を行うシステムをご紹介します。

【本システムの特徴】

・マルチベンダー対応のPDUPower Distribution Unit、以下PDUと省略)に対応する電力監視、可視化を実現

・PDUのアウトレット単位でのタグ付けも可能

・単一PDUメーカーの可視化ツールとは異なり、マルチベンダーPDUのアウトレット(コンセント)を
 一律にグルーピングし、電力消費量の統計を取ることが可能

本システムを利用することで、データセンター全体の電力消費量可視化ができているケースにおいても、上記のアウトレット単位で細かくグルーピングを行えます。それにより、PDUを使う利用者ごとやサービス、用途ごとの電力消費量をモニタリングすることで無駄な電力消費を削減する方針を検討することも可能となります。

システム全体の流れ

本システムでは、PDUに対するsnmp取得(outletActivePower)により電力消費量データを取得後、データを蓄積しKibanaVisualize機能を利用して電力消費量の可視化を実施しております。詳しい動作について、次にご説明していきます。

図1

【本システムの処理】

上記、図1に記載している流れで電力消費量のデータ取得から状況の可視化を実施しております。処理の流れは、次の通りとなります。
(下記、LogstashElasticsearchKibanaは、Elasticsearch社の製品となります)

・データ取得

LogstashのSNMPモジュールを利用して弊社テクニカルセンター内の約400PDUに対し、電力消費量データ(outletActivePower)を取得

・データ蓄積

Logstashにより取得した電力消費量データをElasticsearchへ蓄積

・データ可視化

Elasticsearchに蓄積されたデータをKibanaVisualize機能を利用し、電力消費量データ可視化を実施

また、本システム内で構成しているeBoardは、弊社独自でプロトタイプ開発中のアプリケーションとなっており、以下の機能を有しております。

・電力量消費状況可視化機能

可視化機能は、Kibanaの機能を利用しており、その画面をeBoardに取り込むことで実現しています。

・Logstashのコンフィグ作成機能

PDUに対する監視/非監視対象を切り替えるため、データ取得を実施しているLogstashのコンフィグを作成する機能となります。(図2)

図2

システム監視に対する取り組み

本システムでは、以下の点で正常性監視を実施しております。

【本システムにおける正常性監視機能】

・Logstashのシステムログにおけるエラーログ監視(データ取得)

・Elasticsearchを構築しているホストのDisk使用率監視(データ蓄積)

上記を実現するために、下記、図3の流れでシステム監視機能を実現しております。

(以下、FilebeatElasticsearch社、Webex AppCisco社、DatadogDatadog Incの製品・サービスとなります)

図3

・データ取得

・LogstashのシステムログをFilebeatにて取得後、Elasticsearchに蓄積

・蓄積されたデータからKibanaWatcher機能によりエラーログを検知し
 エラー発生時は、Webex Appのメッセージング機能へ通知を実施

・データ蓄積

・Elasticsearchのホストに構築されたDatadog AgentよりDisk使用率情報をSaaSDatadogへ送信
 指定した閾値を超えた場合に、Webex Appのメッセージング機能へ通知を実施

まとめ

今回は、電力消費量を削減するための取り組みについてご紹介いたしました。このように機器の電力消費量データを取得、蓄積、可視化し、多角的に分析・評価を行うことで環境負荷の削減につながり、企業価値を押し上げることができると考えております。今後も、このような施策に取り組んで行きますので、また次回のブログにてご紹介させていただきます。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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