
- ライター:工藤 聖乃
- 2020年ネットワンシステムズに新卒入社。
新製品の技術検証、新技術を組みあわせた新しいソリューション開発や検証業務に従事。
目次
はじめに
昨今、コロナ禍において、テレワークが進み、オフィスや現場に訪れる回数が必然的に少なくなりつつあります。しかし、人が出社していない状態でも設備は稼働しており、その設備管理は依然として必要な状況です。このような設備管理をリモートで行うといった需要は、コロナ禍でさらに加速していくと予想されます。また、管理だけではなく、収集したデータをもとに日々どのような変化が起きているかの解析や、設備の環境が劣悪になる前にセンサーを利用し監視することで、人員を省きながら、かつリモートで設備状況を把握することが可能となります。
そこで今回は、Cisco Systems社製 Merakiシリーズから、リモートで設備をモニタリング可能なMerakiセンサー(Meraki MT)についてご紹介いたします。
Merakiセンサー(Meraki MT)とは
Meraki MT は、24 時間 365 日体制で資産と施設を守るためにリモートで可視化とモニタリングを実現する、環境センサー製品です。Meraki MT センサーは、温湿度のデータ、漏水、不正侵入(ドアやキャビネットなどの開閉状態)をリアルタイムでモニタリングできる製品で、重要なインフラや環境変化に敏感な資産の管理に役立ちます。

図 1 Cisco Merakiセンサー配置例
https://gblogs.cisco.com/jp/2020/11/simplify-the-sensor-with-cisco-meraki/
から引用
Merakiセンサー種類
- Cisco Meraki MT20 クラウド管理型屋内用開閉センサー
入退室など物理的な環境へのアクセスに関するインサイトを提供する製品です。磁界を利用して位置を読み取ることでドアの開閉を監視することができるため、不正な侵入を検知し、使用傾向を把握することが可能です。

図 2 開閉センサーとDashboard画面
- Cisco Meraki MT12 クラウド管理型屋内用漏水検知センサー
2.4メートルのMerakiセンサーケーブルにわずか3 mL の液体がかかっただけでも検知できる漏水検知Meraki センサーです。

図 3 漏水検知センサーとDashboard画面

図 4 センサーケーブル装着
- Cisco Meraki MT10 クラウド管理型屋内用温湿度センサー
リアルタイムで温湿度データを提供する製品です。温湿度センサーによって、重要なインフラや温湿度に敏感なインベントリの状態を適切に管理することができます。

図 5 温湿度センサーとDashboard画面
ライセンスについて
Meraki MTセンサー1台ごとに1つ1年~10年間の利用期間に応じたエンタープライズライセンスが必要です。(組織にMTセンサー用の5つの無料ライセンスが提供されます。このライセンスに有効期限はありません。)
セットアップ
1. センサーに電池をセットします。(漏水センサーと温湿度センサーは、電源アダプタ(別売)からでも給電可能です)

図 6 開閉センサー電池設置場所
2.Meraki Dashboardにてデバイスの追加を行います。(同封されているシリアルナンバーが必要となります)
3.Meraki MR ワイヤレスアクセスポイントや Meraki MV スマートカメラがある場合自動的に接続されセットアップ完了です。
引用
- Cisco Meraki MT20 クラウド管理型屋内用開閉センサー
- Cisco Meraki MT12 クラウド管理型屋内用漏水検知センサー
- Cisco Meraki MT10 クラウド管理型屋内用温湿度センサー
Merakiセンサーを設置して取得できる情報
Meraki センサー |
取得できる値 |
温湿度Meraki センサー |
湿度(%RH) 温度(摂氏、華氏変更可能) 平均、高、低 過去2時間、1日、1週間、30日間 |
漏水検知Meraki センサー |
水検出(Wet or Dry) 過去2時間、1日、1週間、30日間 |
開閉Meraki センサー |
状態(Open or Close) 過去2時間、1日、1週間、30日間 |

図 7 各センサー取得値(Dashboard)
実際にセンサーを使用して所感
ドア開閉センサーは、検証した環境においては、動作から検知までにタイムラグ(約15-20秒程)があるので、即効性を求められるものには不向きに感じられました。(※あくまでも、弊社オフィス環境で検証した結果です)
また、漏水センサーを実際にケーブルに水をつけてみたところ、こちらは、かなりの速さで検知を行うことができました。以下写真のようにケーブルに対して1cmほど水に浸ると検知されます。しかし、数滴ほどではDryの判定となってしまうことが分かりました。

コードの1㎝ほどが水に触れると検知します。

数滴だけでは検知されず、Dryとなりました。
今後の展開
今回は、Merakiセンサー紹介、セットアップといった概要をご紹介いたしました。今後の展開として、センサーだけでなくMerakiカメラといった他Merakiシリーズと組み合わせ、様々なユースケースのご紹介ができればと考えております。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。