
- ライター:小林 浩和
- 2011年 ネットワンシステムズ入社
入社後は仮想デスクトップ製品を担当として日々仮想デスクトップに関連する製品の技術調査や検証を実施。
最近では、クラウド連携に向けたオンプレ基盤の自動化やDaaSに関しての技術取得を行い
得られたナレッジをもとにお客様への提案の技術支援等を行っている。
COVID-19の影響により多くの企業ではテレワークなど今までの働き方からの脱却・変化が求められています。
リモートからこれまでと同じ業務を行う方法としてVDIが一つの手段となります。VDIはネットワーク・サーバ・ストレージ・仮想化・そのうえで動くアプリなど様々な技術の組み合わせで構成されており、利用するアプリケーションによっては高性能なハードウェアが必要となり、場合によってはユーザーエクスペリエンスの低下を招くことがあるため注意が必要です。
今回は昨年10月に参加した「High Performance VDI Conference 2020」の内容がますます重要になるとあらためて感じたためBlogを執筆しました。
High Performance VDI Conference 2020イベント概要
High Performance VDI Conference 2020はHigh Performance VDI Communityが毎年1回沖縄県の沖縄科学技術大学院大学 (OIST)で開催しているイベントです。
私は今年で3回目の参加となり、参加者としてはHPCやVDIに関連したベンダー、大学関係者、企業情報システム部門等といった様々な立場の方々が参加していました。
イベント内容としては様々な視点からのHPCやリモートアクセス(VDIなど)に関する製品、技術、運用などに関しての発表とディスカッションがメインとなります。
今回はCOVID-19の影響もありオンライン会議を使ってリモートも可能でしたが私は登壇と運営協力のため現地で参加しました。
ベンダー系登壇サマリ
ベンダーの登壇ではHPCやリモートワークにかかわる製品や技術に関しての情報を入手できました。話の内容としては以下のような話がありました。
・最新CPU情報
・高密度GPU搭載サーバ
・リモートアクセスソフトウェア製品の紹介
・NVMeとNVMe-oFとそれを搭載したサーバやストレージ技術
・25Gb、100Gb、400Gbネットワーク
・HCIやクラウドVDI
このイベントでは通常のメーカーの発表の製品紹介と違って最先端テクノロジーの情報、深い技術の話、製品価格の生生しい話、イベントでしか聞けない裏話が聞けることができるのがメリットの一つです。
そういったイベントのため登壇後の質問時間やパネルディスカッションの時間では参加しているエンドユーザーから各ベンダーへの質問や要望などが飛び交っておりこの分野への重要性と期待を感じられました。
エンドユーザー系登壇サマリ
大学関係者の登壇ではCOVID-19の影響によるオンライン授業に対しての苦労話が聞けました。そういった背景からかVDIやその他リモートアクセス系のソフトウェアに関しての質問が飛び交っていました。
また大学や製造業のセッションではVDIへのGPU導入(CAD-VDIなど)に関しての話があり、当時はコストが合わずVDIとは違った方法でリモートアクセスを実現しているという話もあれば、コストはかかったが性能やサポートなどに満足しているという意見もありました。
今後はよりリモートでの対応が一般的になることから再度この分野の注目が高まると考えられます。コストだけで導入の選択を見送るわけにはいかなくなるため、ベンダーセッションであったような技術要素が重要になると思われます。
企業の情報システム部門からはVDIの運用に関してのVDI導入の理由、GPU利用の選択、現状の運用状況などの生々しい話が印象的でした。私はこの枠の中でCOVID-19の前後で社内のVDIの利用状況や負荷にどのように変化があったかについて登壇しました。下図は登壇スライドの抜粋となります。

最後に
今回で3回目の参加となりましたが、上記で紹介した話以外ではHPCやVDIで重要となるデータセンターに関する登壇、通信サービスのCOVID-19によるネットワークトラフィックへの影響に関しての登壇、特別枠としRFID活用、学生の研究発表もあり幅広い技術領域に関してここでしか聞けない内容が豊富なイベントでした。
具体的な内容はコミュニティ内限定となりますので興味がある方は今後のイベントに参加をお勧めします。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。