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VMware Horizon®で大量のVDIを短時間でデプロイする方法とVMware Horizon 8での変更点

ライター:児玉 賢祐
仮想デスクトップを主として関連する製品の技術調査や検証を実施。
最近では、DaaS製品へも取り組み、得られたVDI製品全般のナレッジをもとにお客様への提案の技術支援を行っている。

目次

はじめに

仮想デスクトップ (以下 「VDI」)を提供する代表的なソフトウェアとして、VMware Horizonが挙げられます。今回は、そんなVMware Horizon1月初旬にリリースされた最新版であるVMware Horizon 8 2012で加えられた大きな変更点をご紹介します。

Horizon 8におけるクローン方式の変更点とは

VMware Horizonは、VDIを提供するソフトウェアとして長年アップデートが提供されており、クローン技術をはじめとする強力な機能が随時追加され続けています。管理者の利便性を向上するクローン技術に着目すると、おおむねVMware Horizon 7以前から利用されてきたリンククローンと、VMware Horizon 7から採用されたインスタントクローンの2つに大別することができます。

VMware Horizon 7から採用されたインスタントクローンは、従来のリンククローンに比べてデプロイ時間がさらに短くなり、必要なコンポーネントが減るなど多くのメリットがあります。しかし、長くVMware Horizonを利用されている場合、リンククローンの方が馴染み深いとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。

では、従来のバージョンから最新のVMware Horizon 8にアップデートした後でも、リンククローンを使い続けることができるのでしょうか。実は最新版のVMware Horizon 8 2012では、完全にリンククローンを利用することができなくなりました。以前のバージョンからVMware Horizon 8 2012へアップデートをする際にも、リンククローンや付随するコンポーネントが存在するとアップデート自体ができないのです。

VDIの仕組みと管理の課題

一般的にVDIのシステムは利用者からのアクセスを受けると、その利用者に対して仮想マシンを払い出します。仮想マシンは、遠く離れたデータセンターのサーバーの上で動作していますが、利用者はその仮想マシンの画面のみを遠隔で受け取ることでセキュアにどこからでも業務をすることができます。


では、管理者はその仮想マシンをどのように作成して管理しているのでしょうか。大規模な企業の場合、数千人~数万人の社員がVDIを利用しているケースもありますが、社員が利用するすべての仮想マシンを手作業でデプロイし、11台メンテナンスをするというのは想像をしただけでも途方もない時間と手間がかかりそうです。

クローンによるVDIのデプロイ

そんな管理者の課題を解決する方法として、VMware Horizonでは大量のVDIを短時間でデプロイする技術を利用することができます。それがリンククローンやインスタントクローンといった技術です。これらの技術を利用すると、管理者は「マスタイメージ」と呼ばれる大元となる仮想マシンを1台だけ作成し、それをベースに必要な数だけVDI展開することによって、すべての利用者に同じVDI環境を提供することが可能になります。

また、Windows Updateやアプリケーションの追加などといった作業は、マスタイメージ上で実施してから再度VDIを展開することによって、利用者には素早く更新済みの状態を提供することが可能です。このようにクローン技術は管理者の手間を大きく削減できる便利な技術なのです。

インスタントクローンへの移行の方法とは

では、VMware Horizon 7など従来のバージョンでリンククローンを利用していた環境からVMware Horizon 8へアップデートするシナリオで、どのようにインスタントクローンへ移行すればよいのでしょう。多くの場合で課題となるのが、ユーザーのデータをどのように移行するか、といった点ではないでしょうか。

しかし、一言にリンククローンと言ってもユーザーのデータを扱う方法は多岐にわたりました。一例として、ユーザーデータを移動プロファイルやフォルダリダイレクトといった形でファイルサーバなどへ保存していた環境もありますし、リンククローンの機能として提供されていたView Composer通常ディスクへ保存されていた環境もあるでしょう。

次回は、実際に移行方法を検証した結果をご紹介する予定です。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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