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Cisco Merakiカメラのご紹介~使ってみた編~

ライター:塩屋 晶子
2012年ネットワンシステムズに入社。Ciscoを中心としたコラボレーション(ビデオ)製品を中心に、新製品の技術検証、案件支援やお客様へのデモンストレーションなど啓発活動に従事している。
最近では、新技術を組みあわせた新しいソリューション開発や検証も行っている。

目次

はじめに

Cisco Merakiカメラを使ったプロトタイプ作成にあたり、今回は機器購入からセットアップ、そして触ってみた機能やノウハウについてご紹介いたします。Cisco Meraki カメラはクラウド型の監視カメラソリューションです。Cisco Merakiのダッシュボード上で簡単にセットアップ・一元管理が可能です。クラウドには映像データの保存だけではなく、様々な分析機能が用意されています。カメラの映像データを用いて動きのある個所だけ切り出して確認することができるのも一例です。またREST APIでカメラを制御することも可能です。さまざまな機能のAPIが提供されているため、各種サービス連携も手軽に実装ができます。運用管理者にも開発者にも使いやすいサービス仕様です。
本編では、Meraki カメラでどんなことができるのか、さっそくご紹介します。

Meraki カメラの購入

はじめに、Meraki カメラを購入する際に必要な要素としては、大きくハードウェアとライセンスに大別されます。購入が必須なものと任意で購入するものとあります。

図1. 購入に必要な考え方

  • ハードウェア
    Meraki カメラの種類には大きく屋内型と屋外型があります。製品選定ポイントとしては、水平視野角、ズームの有無、カメラの種類(魚眼レンズもあり)、カメラのローカルストレージ容量に応じて選択します。今回の検証では、エントリーモデルのMV12・MV22、魚眼レンズモデルのMV32を購入しました。
  • ライセンス
    Merakiカメラを有効化するために必要なライセンスとしては、1年~10年間の利用期間に応じたエンタープライズライセンスが必須です。
  • オプション
    利用目的に応じて購入が必要となるオプションライセンスを2点ご紹介します。

1. MV Senseライセンス

Merakiカメラに人が映ったか、人物カウントの機能を使う場合は、MV Senseライセンスと呼ばれるオプションのライセンスが必要となります。本ライセンスを購入することで、API経由で人物カウントの情報が取得できます。

2. クラウドアーカイブライセンス

通常、映像データはカメラのローカルに保存されます。カメラのローカルストレージは最大256GBでおよそ20日間の保持が一般的には可能とされています。画像データは古いものから削除されるため、クラウド側にデータ保存が必要な場合はクラウドアーカイブライセンス(30日・90日・180日・365日)を購入することで映像データをクラウドにライセンス日数分保持することができます。つまり、長期間の映像データ保持する場合に、必要なライセンスです。

最後に、カメラのシリーズ・設置場所に応じて取り付けに必要なマウントオプションを選定します。これらはカメラシリーズによって設置できる形が異なります。

Meraki カメラのセットアップ

続いて、カメラのセットアップです。製品が到着してから、カメラを箱から出してインターネットにアクセスできるスイッチに接続するだけでセットアップは完了します。Merakiのダッシュボードにアクセスし、管理者アカウント作成と購入したライセンスを適用すればすぐに利用が可能となります。カメラは自動で最新のファームウェアが適用されるのでバージョンを意識する必要もありません。カメラの向きや位置はカバーを外して手動で映す向きを調整することも可能となります。より細かいカメラの微調整はダッシュボード上からも、ズームや特定の位置にフォーカスあるいは180度反転等の操作が可能です。
次に、ダッシュボード上でどんなことができるのか見ていきましょう。

図2. カバーを外した様子


図3. 手動でできる画角調整(MV22モデル)

Merakiカメラでできること

機能紹介

  • 防犯カメラ
    まずMerakiダッシュボードのベーシックな機能としては、アクセスしたい日時を指定して、カメラの映像データを確認や、映像は0.5・1・2・4倍速で再生することができます。動きがあった箇所はタイムラインのオレンジで明示されます。指定した時刻の画像スナップショットもダッシュボードから1クリックで取得できます。

4.ダッシュボードでの動画確認


防犯カメラという観点では、不審な動きがないか、その空間の安心・安全を提供する機能が求められるかと思います。Motion Searchという機能を利用することで、動きのあった箇所を抽出し、その映像を遡って参照することが可能です。その時間帯のサマライズ画像を選択すると、その画像のダウンロード・その時間帯の動画を再生し、後追いすることが可能となります。図5.はラック前を通過した人の映像です。

図5. Motion Search


また、Motion Alerts機能では、動きがあった場合に管理者にメール通知も可能となります。アラート通知には、曜日時間指定が可能となっており、監視対象のエリアを絞って、特定のゾーンで動きがあった場合のみ通知させる、あるいは人の動きとして認識したときだけ通知することもできます。

暗やみの中でも赤外線機能があるので何が映っているか問題なく識別することができます。

図6. 暗い箇所でのMV22カメラとその映像


さらに、Merakiカメラの画像データを顔認証ソリューションと組み合わせることで、あらかじめ定義しておいたVIPが来たときの特別対応への切り替えを速やかに行えるのではないでしょうか。

  • モーションヒートマップ
    モーションヒートマップ機能では、カメラの映っているエリアのうち動きが多くある場所情報をヒートマップで表示することができます。この機能を用いることで、人の動きの濃淡を知ることができるため、店舗の人気商品棚の可視化等の分析等に活用できます。

7. ヒートマップ


  • 特定エリア監視
    ある特定のエリアを対象に、その中で動きがあった場合に管理者にメールで通知することが可能です。その際には、動きのあったスナップショットのサマリ画像を同時に確認することができます。例えば、進入禁止エリア内にだれかが立ち入った場合にメールで通知されるので、管理者はその時の状況を即座に把握することができます。

8. 特定エリアの指定

  • 動きの可視化
    カメラのシリーズに応じて、車両または人の動きを検知することが可能となります。Merakiカメラのダッシュボードにて、後からオブジェクトがどの座標位置にいて、どの程度の確率で人であると識別したか分析結果を確認することができます。

9. 動きの可視化

人物カウントはどのくらいで認識できるか

上記でご紹介した機能は、ダッシュボードから主に確認できる内容です。これらの映像データの利活用という観点では、REST APIもしくはMQTTプロトコルを利用することで期待する情報を柔軟に受け取ることが可能です。

どの画角エリアにどのくらいの人がいるかという情報を組み合わせることで、オフィスの混雑具合の可視化を行うことも可能です。

今回は、カメラの画角内にどんなパターンで人物を検知できるのか、確認してみました。下記がその結果です。人の検知としては、肩以上映っていると確度が上がり人物とみなされる傾向があります。他、手だけや物体だけでは人のカウントには至らなかったですが、人の顔のような(目と口がある)ぬいぐるみでは人としてカウントされました。またガラスに反射した映像も人間として高い確率で識別されることが分かりました。

図10. パターンごとの識別

今後の展望・次回にむけて

今回は、主にMerakiカメラの購入・セットアップから単体機能についてご紹介しました。次回以降では、作成したプロトタイプのご紹介やAWSの画像・動画分析機能を提供するAmazon Rekognitionのサービスと組み合わせることでMerakiカメラに映ったオブジェクトで何が映っていたかを認識ができるソリューション連携についてご紹介していきたいと思います。

Merakiシリーズでは「温湿度センサー」「扉開閉センサー」「水漏れ検知センサー」と様々なセンサーがリリースされました。これらのセンサーデータとMerakiカメラと組み合わせたユースケースも今後作成していきたいと考えています。

本ブログの内容について、ご興味がある場合は弊社営業担当までご連絡を頂けますと幸いです。
最後まで御覧頂きましてありがとうございました。
また次回も引き続き、よろしくお願いいたします。

参考

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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