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スマート社会に不可欠!?エッジコンピューティング

目次

 

 数年前から、耳にする機会が増えている『エッジコンピューティング』。2020年9月10日に、ガートナーが発表した「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」では、「過度な期待」のピーク期を過ぎ、いよいよ企業による導入も近づいて来ています。

 本ブログでは、『エッジコンピューティング』の数多くの導入が想定されるユースケースと、ホットなスタートアップを紹介します。

ユースケースは『スマート化』

 『エッジコンピューティング』とは、ユーザのより近く=エッジにコンピューティングリソースを配備することを指し、リアルタイム性高く(高速に反応し)、そして、データ転送のための帯域を節約しながら、アプリケーションが稼働(サービスを提供)することを可能とします。

 例えば、現在のコロナ禍において、多くの店舗やオフィスビルでの採用が増加している、スマートカメラによる検温や密検知では、カメラで撮影した高画質の映像をAIアプリケーションが処理し、瞬時に結果を表示することが求められ、よりユーザの近く=エッジで、AIアプリケーションを稼働することが望ましいです。

 また、2020年9月14日に開業したソフトバンク新本社ビルである「東京ポートシティ竹芝」では、約1300個のセンサーやカメラ等からデータを収集し分析・可視化する、スマートビルディングを実現しています。こちらのケースでも、大量のセンサー等からデータを収集しているため、リアルタイム性やデータ転送量削減の観点では、よりユーザの近く=エッジで処理することが適しています。

 これらスマートカメラやスマートビルディングだけでなく、スマートファクトリー、スマートシティ等、様々なケースにおけるスマート化は、現在のコロナ禍も後押しし、多くの企業が今すぐにでも取り組まなければならないことになりつつあります。そして、これらスマート化は、センサーやカメラ等の数多くのデバイスからデータを収集し、可視化や分析(機械学習を含む)することによって可能となると言っても過言ではありません。

ホットなスタートアップ

 それでは、これらのスマート化の実現のために、よりユーザの近く=エッジで、データを収集し、可視化や分析をするアプリケーション管理のためのプラットフォームである、『エッジコンピューティング』のスタートアップを紹介します。

 そのスタートアップとは、エッジで稼働しているアプリケーション(提供しているサービス)を、リモートから一元的に管理することを可能にするプラットフォームを提供する、Volterra社です。Volterra社製品に関しては、2020年3月24日に、匠コラムで紹介されているため、詳細の説明は省略しますが、たくさんのエッジが存在し、それらのエッジで様々なアプリケーションが稼働しているケースで、大きな実力を発揮するベンダーです。

 繰り返しになりますが、スマート化においては、データを収集するアプリケーション、データを加工するアプリケーション、データを可視化するアプリケーション、データを分析するアプリケーション、AIアプリケーション等、様々なアプリケーションが必要となります。これらのアプリケーションは、リアルタイム性やデータ転送量削減の観点から、エッジで稼働することが望ましく、また、その数が多いため、コンテナ化されたアプリケーションが適しています。

 そして、コンテナ化されたアプリケーションを、3000以上のエッジに展開できるVolterra製品は、全国の店舗やビルや工場で稼働するアプリケーションを、一元的に管理・運用することを可能にします。

 なお、前出の匠コラムでは、Elasticsearch社のElastic Stackによる可視化について紹介していますが、これらのデータ収集・可視化アプリケーション以外にも、リアルタイムストリーミングで、データを収集・加工するStriimや、ネットワークパフォーマンスモニタリングのThousandEyes20208月にCisco社による買収が完了)のアプリケーション等、幾つかのアプリケーションについても、検証により、Volterra社プラットフォームから管理可能なことを確認済です。

まとめ

 企業によるスマート化への道はまだ始まったばかりで、今はまだ、そのアプリケーション(サービス)の検討・開発だけで手一杯かもしれません。しかし、その道を進むにつれ、よりユーザの近く=エッジで、アプリケーションを効率よく稼働(サービスを提供)することを可能にするプラットフォーム選定が、とても重要性になることを確信しています。長く険しいことが予想されるスマート化への道のりを、スマートに緩和するであろう『エッジコンピューティング』に、どうぞご期待下さい。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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