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なぜいま「クラウド型の仮想デスクトップ」なんですか?
コロナ禍により大きな注目を集めたクラウド型の仮想デスクトップですが、そろそろ、コロナ禍直後に導入を決定したお客様では実運用が開始されてきた頃かと思います。
そこで今回は、実際の導入・運用の経験を通して直面した様々なトピックをご紹介していきたいと思います。
Azure上のサービスに限定して調べています。
Azureだけではなく、AWSを利用した仮想デスクトップサービスも存在しますが、今回はMicrosoft社のWVDが大きな注目を集めましたので、Azureを利用したサービスに限定したいと思います。
さて、Azureを利用した主要なクラウド型仮想デスクトップは以下の3社のサービスとなります。
- Microsoft Windows Virtual Desktop(WVD)
- Citrix Cloud
- VMware Horizon Cloud
Microsoft Windows Virtual Desktop(WVD)については、CitrixやHorizonなど他の連携サービスと区別するために、敢えて「Native WVD」「ネイティブWVD」「純正WVD」などと表現されることもあります。
なお、この仮想デスクトップ編は2020年8月時点の調査結果に基づいた内容となっています。仕様変更のサイクルが速いことがクラウドサービスの特長のひとつでもありますので、実際に導入する際には最新情報を確認するようにしてください。
WVDという単語をよく見るようになったのは・・・
なぜWVDがコロナ前後で注目されたのかというと、2019年9月に正式リリースされたWindows 10 Enterprise for Virtual Desktop(以下、「Win10 EVD」)と呼ばれるWindows10のマルチセッションエディションの存在が大きいです。
Microsoft「Windows Virtual Desktop is now generally available worldwide」
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/windows-virtual-desktop-is-now-generally-available-worldwide/
これまでは、1台のWindowsマシンに複数のユーザがログインして共同利用する使い方(マルチセッション)は、サーバOSでしか利用できませんでした。そのため、クライアントOSで使っていたアプリケーションが利用できない、などの制限がありました。
こういった背景を受けて、普段の業務で利用しているWindows10を共同利用できるマルチセッションエディションが注目を集めたわけです。
VMwareも対応して主要サービスが出揃う
このWVD(Win10 EVD)の発表は業界に衝撃を与えましたが、このときはVMware社のHorizon CloudではWin10 EVDの利用がサポートされていませんでした。
コロナ禍の影響が大きくなりはじめた2020年3月にVMware社がHorizon Cloud上でのWin10 EVDの利用をサポートしたことにより、Win10 EVDを利用できる3社のサービスが出揃ったことになります。
VMware「Horizon Cloud on Microsoft Azure Support for Windows Virtual Desktop is Here」
https://blogs.vmware.com/euc/2020/03/windows-virtual-desktop-support.html
せっかくなので動画やデモ環境を使って雰囲気をつかんでみませんか
Microsoft社のWVDサービスの雰囲気をつかむには以下の記事が非常にわかりやすいです。
Qiita「WVDのディープな技術情報が満載」
https://qiita.com/takeokams/items/c03ba5816b338fbee157
また、Horizon Cloudについては、TestDriveというデモ環境が公開されています。
VMware「TestDrive Horizon Cloud on Microsoft Azure - Administration Console」
https://kb.vmtestdrive.com/a/1552268-horizon-cloud-on-microsoft-azure-administration-console
次回から本気出します。
今回は、序文的な位置づけの記事になってしまいました。
ちょっと内容が薄かったかもしれません。
次回からは、各社のサービスの比較を数回にわたってお送りしていくつもりです。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。