
- ライター:藤谷 大輔
- 2003年より、IP電話やUnified Communicationの分野で製品検証、提案活動に従事
目次
■新型コロナウイルス感染症対策でのテレワーク利用について
近年、働き方改革やワークライフバランス改善への取り組みでテレワークの活用は広まってきておりましたが、昨今の新型コロナウイルス等へのパンデミック対策により、かつて無い勢いと規模でその利活用拡大が叫ばれています。
テレワークが利用できることは災害時や感染症のパンデミックの際も事業の継続が可能となり、この災害の多い我が国においては、働きやすさだけではなく企業戦略の面でも極めて有効です。
テレワーク中に行われる会議も、単なる情報共有の会議だけでなく様々な目的の会議でも行われるようになってきております。(図1)
ここではテレワーク中の会議の活用事例と最近の動向をご紹介いたします。
図1 テレワークで活用される様々な形態の会議
会議以外のリモートアクセスについては、こちらの記事で紹介しております。
■社内会議
最近はパンデミック対策による出社制限や時差出勤推奨により、平日朝に利用する電車が明らかに空いている!!と実感できるほど、多くの企業様でテレワーク等が活用されています。弊社でも人混みを避けるようテレワーク勤務を基本とするよう指示が出ております。部課内の打ち合わせ、案件打ち合わせ等々、様々な社内で行われる会議がテレワーク中の社員を含めて行われています。
1:1の会話であれば電話で済ませることができますが、複数人が情報を共有するには電話だけでは難しくなります。このような時に力を発揮するのがPCやスマートフォンから参加でき、複数人が資料を見ながら音声や映像でコミュニケーションがとれるWeb会議です。インターネットへ接続ができれば、どこからでも会議を行うことはできることからテレワークを行うには必要不可欠なツールとなっております。
アイディアを出し合うブレインストーミングのような会議でも、Web会議が提供するホワイトボード共有により、参加者がアイディアを書き込みながら進めることができます。
一方、BCP対策の一環で出社するオフィスを分散する場合は、Web会議よりもより臨場感が高いビデオ会議が効果的です。
■役員会議
これまでの”働き方改革”の流れでテレワークを活用されている企業が増えておりますが、テレワーク中に行われる会議は一般的な社内会議が中心でした。
最近、弊社への問い合わせが増えてきているのが、役員会議や役員が参加される緊急会議のような意思決定が関係する会議にもWeb会議やビデオ会議を利用したいとの要望です。このような重大な会議では、発言の聞き漏らしや紙資料をめくる音対策など一般の会議より遙かに厳しい要求が出て参ります。
BCPの初動対応では、早急な意思決定が必要となりますので、いつ何時でもどこからでも参加可能なWeb会議やビデオ会議の活用が威力を発揮します。すでに各国の首脳レベルの会議においても電話会議ではなくビデオ会議が活用されております。(安倍首相がG7首脳との会議で使用しているのは、Cisco Systemsのビデオ会議装置です。)
出典:【朝日新聞デジタル 東京五輪、首相「完全な形で実現、支持得た」 G7協議(3月17日)】
弊社は、音響設備やグースネックマイク等、様々なAV機器を組み合わせることであらゆる会議のニーズに対しても対応できる体制を整えております。
■社外との会議
Web会議の使い道で、社内会議の次に多いのが社外の方との会議です。
これまでも、特定部門が関連会社とのやりとりや定例会議に使用するなど、どちらかというと特定のユーザのみで使うという形態が主でしたが、最近は営業部門が得意先とのやりとりで使うなど、だんだんと利用範囲が拡大してきていました。
そこに今回のコロナウィルス感染拡大防止の為の企業対応により、取引先で社外との打ち合わせ自粛の方針を出されるなど、Face-to-Faceでの訪問や打ち合わせが難しい状況となり、相手側がPCやスマートフォンさえあれば参加できるWeb会議が非常に有効な解決策としてかつて無い勢いと規模でその利活用が拡大されてきています。
実際に、Web会議を導入している企業様から、利用している部門だけでなく他の部門でも使いたいというご要望をいただき、全社導入へつながった事例も出ております。
社外の不特定多数のユーザとの利用で課題になるのが、実際に利用されるユーザの環境がWeb会議を利用できるか、使用の際に品質が担保できるかがあります。弊社としては、ユースケース”つながる会議室”で最適なソリューションを提供しております。
■社内外セミナー
教育や社外セミナーをWeb会議で行いたい、という相談もコロナウイルス対策に関係して増えてきています。具体的には、
・入社式
・株主総会
・新人教育
などをWeb会議で行いたいということです。特に新人教育においては、4月以降も感染機会を下げるための出社制限が行われることから、お問い合わせをいただいている各社様も頭を悩ましているようです。
セミナー形式の会議でのWeb会議の活用は、Web会議が得意とする分野でもあり、各社いろいろな対応製品をリリースしています。セミナー形式のWeb会議は一般のWeb会議と比べて、
・不特定多数が参加するため、参加者には他の参加者情報は表示されない
・講師をグループ化して、複数の講師で資料共有が行える
・講師の説明を配信するだけで無く、理解度テストなどを行うことができる
など、セミナーの運営に必要な機能を利用することができます。
特に、不特定多数の方が参加される社外セミナーでは、参加するためのアカウントが必要無いWeb会議が効力を発揮します。
今後は、会社説明会や採用面接などでの利用も進んでいくと考えられております。
■最後に
今回のような感染症拡大防止に端を発した緊急対策としての急激なテレワークの活用は、会議だけで無く様々なICTインフラへ波及しております。テレワークを活用できるITCインフラでは、各システムの利便性だけでなくセキュリティ対策も必要になってきます。幸いなことに弊社は2010年頃より“働き方改革”を進めてきたため、テレワークだけでなくネットワークセキュリティへの対応や運用などに様々な経験やナレッジが多く蓄積されており、お客様にあった最適な環境のご提案が可能です。ご興味のある方がいらっしゃいましたら弊社営業までお問合せ頂けますと幸いです。
※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。