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NetApp最新情報(NetApp Insight 2019フィードバック)

ライター:金只 圭司
2008年にネットワンシステムズに入社。
入社当初からストレージ製品技術担当として様々なストレージ製品の検証、技術支援を行っている。最近はハイブリッドクラウド、マルチクラウド環境におけるデータのあり方を模索中。

目次

こんにちは。
前回はNetAppのデータファブリック戦略といくつかのクラウドデータサービスについてご紹介しました。今回はラスベガスで10月28日~10月30日の3日間開催されたNetApp社最大のイベント「NetApp Insight 2019」に参加してきましたので、そちらの情報を一部ですが簡単にご紹介します。

NetApp Insightでは、CEOが話すKeynoteやNetApp社の製品開発担当者が直接スピーカーとして発表する数多くのセッションがあり、それらを事前に予約して受講する形式で進行します。他にもハンズオンのセッションや資格試験を受験することもできます。

そんないろいろと盛りだくさんなイベントの中でいくつかキーとなるトピックを以下にまとめました。

クラウドライクな新しい消費モデル「NetApp Keystone」発表

今回のイベントで一番大きなトピックはこのNetApp Keystoneと言っていいでしょう。Keynoteの中でNetApp CEOのGeorge Kurian氏がこのKeystoneを発表しました。詳細は語られませんでしたが、「NetApp製品やサービスをオンプレミス、クラウド問わず、従量課金で購入できる」ということのようです。購入はシンプル化されており、大きく次の3つのステップで行います。

①.パフォーマンスティアの選択[Standard/Premium/Extreme]
②.データサービスの選択 [ブロック/ファイル/オブジェクト]
③.運用管理の選択[自社(パートナー)/NetApp]

この手順を見る限り、製品を選ぶというより、自社で欲しいもの、したいことを選択すると自動的に最適な製品が提供される感じでしょうか。まだまだ詳細は明らかではありませんが、最近ストレージメーカー業界においても、オンプレミスでの従量課金利用の仕組みが広がって来ており今後の動向が気になりますね。

NetApp Keystoneのメーカページはこちら

データファブリックを統合管理!?「Fabric Orchestrator」発表

今回の中で、私が個人的に気になったものはこのFabric Orchestratorです。データファブリックは複数の製品やサービスを組み合わせて構成されるため、個別に管理するのは結構煩わしく感じるかもしれません。それらを統合して管理、ワークフローなどによる連携、自動化なども可能とのことで、私も非常に期待しているオーケストレーションサービスです。セッション内でも参加者の投票で高評価になっていました。

Fabric Orchestratorのメーカページはこちら

その他の製品アップデート

その他にも複数の製品アップデートがありましたので、ここで簡単にまとめて紹介します。

・新たなFAS/AFFモデル
 - FAS8300/FAS8700、AFF A400のリリース

・ONTAP9.7における機能アップデート情報
 - Fabric Pool Mirror
  アグリゲートとバケットの組み合わせとして1:nやn:1をサポート。
 - FlexGroup
  FlexVolからFlexGroupへの変換が高速化。NFSv4、NFSv4.1、NDMPなどをサポート。
 - SnapMirror Synchronous
  NVMe/FCへの対応と、非同期SnapMirrorとのカスケード接続をサポート
 - 暗号化
  デフォルトでData At-Rest Encryptionに対応

・All SAN Array (ASA)の発表
NetApp社のSAN市場へのアプローチとして、SAN特化型のAFFを展開することが発表されました。SAN特化ですのでプロトコルはFCとiSCSIのみですが、ホストからLUNへのアクセスはアクティブ/アクティブを実現し、障碍時のフェイルオーバが2秒以内で行われるなど、動作もSAN用に改善されています。

・新たなStorageGRID:
 - SGF6024(オールフラッシュ)、SG6060、SG1000のリリース
 - パブリッククラウド(AWS、Azure)へのクラウドティアリング実装

まとめ

本記事ではNetApp Insight 2019の情報をシンプルにまとめてご紹介しました。もちろん大きなイベントですので、内容のすべてを網羅できてはいませんが、ざっくりご理解いただけたのではないかと思います。ただ詳細が語られていないサービスも多々ありますので今後のNetApp社の動向に注目です。また、これらの内容は国内でも12月にNetApp Insight Tokyoとして、開催されますのでより詳しく知りたいという方は是非参加してみてください!(ラスベガスで情報収集するよりはきっと簡単です)

NetApp Insight Tokyoページ

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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